公開日:
最終更新日:
爽やかなタンザニアコーヒーで、ホッと一息つきませんか?
今年は大変なことがたくさん起きて、ストレスを感じることが多かったのではないでしょうか。ストレス解消には美味しいもの、友人とのおしゃべり、そして素敵な飲み物!今回はタンザニアが世界に誇る、アロマ効果もある癒しのコーヒーについてお伝えしたいと思います。
目次
タンザニアコーヒーの歴史
世界に愛されるコーヒーですが、発祥は中世のエチオピアと言われています。そのエチオピアから、16世紀にタンザニア北西部のカゲラ地方に入ってきた...と口伝えに言われていますが、定かではないようです。公式的には19世紀末に、ドイツのカトリック宣教師によってもたらされたと言われています。
<コーヒーの実を描いたパッケージ>
ドイツの植民地下で、コーヒー農業は北部で行われるようになります。第一次世界大戦後はイギリスの統治下となり、輸出のためのコーヒー栽培はさらに盛んになっていきます。独立して以降は政府主導で南部にも栽培地が拡大し、国を代表する農作物と発展していくことになります。
現代では政府による機関タンザニアコーヒーボード(TCB)が、オークション開催、豆のグレードや価格の調整などを行っています。以前は比較的自由に生産者と業者の売り買いが出来ていたようですが、2018年からTCBによって売り買いもコントロールされるようになりました。このように国を挙げて促進販売されている農作物の1つが、コーヒー豆なのです。
<国内で販売されているコーヒー豆>
タンザニアコーヒーとは
タンザニアの誇るコーヒー豆ですが、日本ではキリマンジャロコーヒーとして親しまれています。タンザニアでは主にアラビカ種70%、ロブスタ種30%で栽培されています。全日本コーヒー公正取引協議会によりますと、北西ブコバ地区以外のタンザニア産アラビカコーヒーは日本で「キリマンジャロコーヒー」と呼ばれるそうです。また、ブレンドコーヒーの30%以上がタンザニアコーヒー豆を使用していれば、「キリマンジャロコーヒー」と呼んでいいことになっています。
<国内でも売られているキリマンジャロコーヒー>
その名の通りのキリマンジャロがある地域は北東部で、日本で売られる豆の中には、本当にキリマンジャロ山で作られたことを売りにしているものもあります。他のアラビカ種の産地には中部イリンガ、南西部ムベヤ、北西部カゲラなどがあります。ビクトリア湖付近のブコバ地区では主にロブスタ種を栽培しています。
タンザニアコーヒー産業発展戦略書(2011ー2121ver.)によると、世界コーヒーのシェアとしてアフリカは12%、タンザニアは1%に満たない量を輸出しています。この1%に満たないタンザニアコーヒー豆の輸出先は、何と日本がトップなのです!それにイタリアやアメリカが続きますが、ダントツで日本がお得意様になっています。
<日本でも大人気のタンザニアコーヒー、飲み比べてみます>
そんな日本人も大好きなキリマンジャロコーヒー、爽やかな酸味とフルーティーな甘みが特徴と言われています。そしてさらにタンザニアの生産地によって、お味が変わって来るそうなんです。本当に違いがあるのかを知るべく、筆者手持ちのコーヒー豆を比べてみたいと思います!(焙煎具合や豆の挽き具合などによって同じ産地でも味が違うと思われます。またコーヒーの入れ方や味わい方は素人ですので、その点お許しください!)
①北東部キリマンジャロ山のあるモシ
こちらは地元のスーパーで買った、粉のコーヒーです。原産地はモシとなっていますので、北部キリマンジャロの麓で出来たコーヒー豆ですね。スーパーで一番安価なもので、250g300円くらいでした。
<モシからのコーヒー豆>
お味の方は...とてもマイルドな苦味で、爽やかな酸味にフワッとした甘さを感じます。香りも良く、嗅ぐだけで癒される心地です!
②南西部ムビンガ地区ルブマ
こちらは友人から頂いたもので、焙煎の際に出る皮ごとパッケージされている素朴なコーヒー豆です。飲む際にはまずこの皮を煽って取り除きます。
<ルブマからのコーヒー豆>
こちらは苦味がほとんど感じられず、まろやかなコクがあります。滑らかな甘みが感じられ、コーヒーの苦手な方にも飲みやすいかな?と思いました。
③南西部ムベヤ
こちらも友人に頂いたもの。地元のコーヒー農家から安く分けてもらい、自分で焙煎したんだそうです。
<ムベヤからのコーヒー豆>
程よい苦味と酸味がマッチして、しっかりとした味がします。チョコレートとの相性が抜群です!本当にそれぞれ味が違うんですね、びっくりしました。ですが、どのお豆にも爽やかさが共通しているように感じました。タンザニアコーヒーにますます魅了されてしまいそう!
④その他
実は観光地で有名なザンジバルにも、コーヒー農園があります。珍しいスパイシーな品種リベリカ種を育てているそうです。このリベリカ種を配合したコーヒーも売っているので、見つけたらぜひ試していただきたいです。
また、普段ケニアコーヒーを飲むことが多い筆者なのですが、タンザニアコーヒーよりもフルーティーな酸味を感じています。タンザニアのスーパーでも売っていますので、こちらもお試しを!
<リベリカ種ブレンドも売っている、Coffee Houseのコーヒー豆>
地元の人の楽しみ方
タンザニアコーヒー豆のほとんどは海外に輸出され、国内消費はわずか7%。2019年にザンジバルで開催された、スペシャルティーコーヒー万博で示された統計によると、35%が外国人向けのレストランやカフェで、家庭での消費はわずか3%と言うことでした。観光地には外国人向けのWiFiが飛んでいるカフェが多く、こだわりのコーヒーを入れてくれる場所が多いのです。これに加えて興味深いのが、路上コーヒーが60%の消費量だと言う点です。
<外国人向けのおしゃれなカフェがたくさんあります>
路上コーヒーとは、歩くコーヒー屋さんのことです。朝早くにコーヒーの粉をお湯で煮出し、大きめのポットに注ぎます。いつでも熱々が飲めるように、ポットの下には炭火を入れた装置をつけます。それに小さなコップと、ピーナッツを砂糖で固めたお菓子を持ったら準備完了です!道を歩いて消費者を探し、呼び止められたらジンジャーパウダーを添えたホットコーヒーを提供します。
<タンザニアの歩くコーヒー屋さん>
ちょっと肌寒く感じる雨期や、朝晩に良く売れるそうです。1杯200シリングくらいで、仲間と木陰で休憩しながら飲みます。コップを回収しなきゃいけないコーヒー屋さんもお喋りに加わるか、加わらなくてもみんなが飲み終わるまでのんびり待ってくれます。
<みんなが飲み終わるまで待ってくれます>
各家庭で楽しむ場合には、インスタントコーヒーが主になります。統計によると国内消費のうち、80%がインスタントなんだそうです。確かにスーパーでも、何種類かのインスタントコーヒーを良く見かけます。ポップで可愛いパッケージのもあるので、お土産として買ってもいいかもしれません。
<どこでも手に入るインスタントコーヒー>
終わりに
今回はタンザニアのコーヒー豆についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?タンザニア国内でもこんなに産地があるとは、筆者は知りませんでした。日本でも色んなタンザニアコーヒーを扱っているようなので、興味のある方はぜひチェックしてみてください!
ストレスの溜まりやすい世の中ですが、美味しいコーヒーの一服が、皆さまの癒しとなりますように...。
関連記事
Rankingタンザニア記事ランキング
-
Miyuki Meta
- タンザニアの生きた魅力を、新鮮なまま皆様の元へ直送いたします!
2012年に引っ越したヒヨッコライターが、現地に密着した面白オカシイ情報をお伝えしています☆