公開日:
最終更新日:
おうちで作れる!超簡単!フランス家庭料理5選
世界三大料理と言われるフランス料理は、おしゃれで豪華なフレンチフルコースのイメージが強いですが、家庭での料理は非常に素朴!季節の野菜を使った煮込み料理から、フランスの名産品であるチーズを贅沢に使った料理など、シンプルな味付けながら素材の旨味を生かした料理が特徴です。
この記事では、フランスのパリで長期滞在を経験した筆者が、フランスの日常的な家庭料理を5つ紹介します。フランスの家庭料理をお家で作ってみたい方や、おうちごはんのレパートリーを増やしたい方は必見です!日本で気軽に作れるアレンジレシピを紹介していますので、気になるフランスの家庭料理を見つけたら、ぜひ作ってみてくださいね。
目次
<4. 自宅で作れるフランスの家庭料理:クロックムッシュ&クロックマダム>
- 4.1 クロックムッシュとクロックマダムはどんなフランスの家庭料理?
- 4.2 日本でも作れるクロックムッシュとクロックマダムの基本レシピ
- 4.3 クロックムッシュとクロックマダムを簡単に作るポイント!
1. フランスの家庭料理はどんな特徴がある?
<写真はイメージです。Photo by Ellena McGuinness on Unsplash>
まずは、フランス人が日常的に食べている家庭料理の特徴を押さえましょう。日本でフランスの家庭料理を再現する際に必要な調理器具なども、あわせて紹介します。
1.1 「美食の国」フランスでも、日常の料理は簡素!
フランス料理というと豪勢で敷居が高いイメージを持つかもしれませんが、フランス人も毎日コース料理を食べているわけではなく、日常的に食べる家庭料理はシンプルなものが多いです。
また日本と同様に、フランスにも地域の特色を生かしたさまざまな郷土料理があります。日本の約1.5倍の国土を持ち、農業大国として知られているフランスでは、各地域の特産品を使用した郷土料理に誇りを持つ人も多い印象です。
素朴な味が特徴のフランスの家庭料理は、日本でも再現することが可能です。ただし、フランスでなければ入手不可能な食材もあるため、この記事で紹介するレシピではその食材名を記載した上で代替する食材を挙げていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
1.2 フランスの家庭料理に必要な調理器具は?
フランスの家庭料理は、オーブンで焼き上げる料理が多いという特徴があります。オーブンを含め、フランスの家庭料理を作る上で必要な調理器具は、主に以下のとおり。日本でも使われている調理器具がほとんどなので、準備も手軽にできますね。
- 包丁
- まな板
- ボウル
- 泡立て器または菜箸
- オーブン調理可能な耐熱容器
- オーブン、またはオーブン調理可能な電子レンジ
2. 自宅で作れるフランスの家庭料理:ラタトゥイユ
<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)>
ここから先は、フランスの家庭料理レシピを紹介していきます。まずは暑い時期にぴったりのラタトゥイユ。日本でも馴染みがありシンプルな材料で簡単に作れるので、ぜひ参考にしてくださいね。
2.1 ラタトゥイユってどんなフランスの家庭料理?
ラタトゥイユ(Ratatouille)は、南フランス発祥の家庭料理。ズッキーニ、玉ねぎ、ピーマン、ナスをはじめとする夏野菜を、トマトやハーブ、にんにくとともにオリーブオイルで炒め煮にします。
本場フランスのラタトゥイユは、野菜の旨味に塩胡椒を加えたシンプルな味付けがポイント。日本には市販のラタトゥイユソースも売っていますが、実はフランスで作られているレシピのほうが基本的な調味料と野菜のみで簡単に調理できます。
筆者がフランスに滞在していたときは、夏になるとホストマザーがフランスの家庭料理として、ラタトゥイユを作ってくれました。本場フランスのラタトゥイユは、野菜本来の旨味がギュッと凝縮された濃厚な味わいが印象的でした。現在は発祥の地である南フランスだけでなく、パリをはじめフランス全土で親しまれる家庭料理とのことです。
2.2 日本でも作れるラタトゥイユの基本レシピ
この項目では、ラタトゥイユを日本でできるだけ簡単に作れるレシピを紹介します。
ラタトゥイユに使う材料(2~3人分)
- トマト......3個
- パプリカ......1個
- 玉ねぎ......1個
- ナス......3本
- ズッキーニ......2本
- にんにく......1房
- バジル......適量
- パセリ......適量
- 塩、胡椒......各少々
主に用いる調理器具......包丁、まな板、フライパン、鍋と蓋、炒めた具を移すための皿
ラタトゥイユの作り方
- パプリカ、ズッキーニ、ナスを食べやすい大きさに切り、それぞれ別々にオリーブオイルで炒める。
- 炒めた1の野菜を別の皿に移し、玉ねぎとにんにくをみじん切りにしてオリーブオイルで炒める。
- トマトは沸騰したお湯で4分茹でてから湯むきをし、食べやすい大きさに切る。
- 1〜3を鍋に入れたら塩胡椒、バジル、パセリを加え、蓋をして30分煮込む。
- 火を止め、蓋をしたまま20分蒸らしたら完成。
2.3 ラタトゥイユを簡単に作るポイント!
野菜はカットされたものをネットスーパーなどでまとめ買いしておくと、時間と手間を減らして作れるのでおすすめ。今回紹介したレシピは2〜3人分ですが、一度にたくさん作って冷蔵庫に保存したり小分けに冷凍したりすれば、作り置きおかずにもなります。 ラタトゥイユは冷たいままでも美味しく食べられるので、作り置きしたものをパンに乗せたり冷製パスタの具にしたり、さまざまな食べ方で楽しんでください!
3. 自宅で作れるフランスの家庭料理:ガレット
<フランスの定番家庭料理、ガレット。撮影:natsumi>
クレープのような見た目が特徴のガレットは、フランスの定番家庭料理として人気。フランスでガレットが親しまれるようになった歴史的背景とともに、日本でも作れるレシピを紹介します。
3.1 ガレットってどんなフランスの家庭料理?
ガレット(Galette)は、フランス北西部・ブルターニュ地方の郷土料理で、ガレットブルトンヌ(Galette Bretonne)と呼ばれることもあります。
そば粉と水・卵・塩を混ぜた生地を薄い円形に伸ばして焼き、卵やハム・チーズなどの具を乗せるのが、ガレット・コンプレット(Galette Complète)と呼ばれる最も伝統的なもの。他にもサーモンとほうれん草を乗せたものやトマトや生ハムを乗せたものなど、さまざまな種類があります。
ガレットの歴史は非常に古く、中世まで遡ります。当時のブルターニュ地方ではそば栽培が奨励され、さらに3か月ほどの短期間で収穫できることから、小麦粉よりもそば粉が広く使われていました。
ブルターニュ地方をはじめ、フランスには「クレープリー」というガレットやクレープの専門店があるほど、ガレットはポピュラーなフランス料理。お家でも少ない材料で簡単に作れることから、家庭料理としても浸透しています。
3.2 日本でも作れるガレット・コンプレットの基本レシピ
数あるガレットの中から、今回は最もシンプルかつ伝統的なガレット・コンプレットのレシピを紹介しましょう。
ガレット・コンプレットの材料(12枚分)
- そば粉......330g
- 塩...... 10g
- 水......750ml
- 卵......2つ
- ピザ用チーズ......適量
- ハム......適量
- バター......適量
- 胡椒......少々
主に用いる調理器具......ホットプレート(またはフライパン)、お玉、ボウル、包丁、まな板
ガレット・コンプレットの作り方
- ボウルにそば粉を入れ、塩を加えて混ぜる。
- 1に水を数回に分けて加え、卵を1つ割り入れてダマがなくなるまで混ぜる。
- ボウルにラップをかけ、冷蔵庫で最低1時間寝かせる。
- ホットプレートにバターを熱し、お玉1杯分の生地を流し入れたら薄く広げて焼く。
- 生地に焼き目が付いたら裏返して中央に2つ目の卵を割り入れ、周りにピザ用チーズとハムを乗せて胡椒を振る。
- チーズが溶け、生地がパリッとしてきたら、四辺を折りたたんで完成。
3.3 ガレット・コンプレットを簡単に作るポイント!
ホットプレートがない場合は、フライパンで代用可能です。ただし、裏返すのが難しいため、生地が焼けてきたら裏返さずすぐに具材を乗せ、生地がパリッとするまで待ちましょう。 フライパンで焼く場合は、中火で生地に焼き目が付くまでしっかり焼くと、より香ばしくフライパンにくっつくこともなく簡単に作れます。
4. 自宅で作れるフランスの家庭料理:クロックムッシュ&クロックマダム
<写真はイメージです。Photo by Jonathan Pielmayer on Unsplash>
クロックムッシュとクロックマダムは、日本でもよく知られる手軽なフランスの家庭料理。料理名の由来をふまえ、日本でも簡単に作れるレシピを紹介します。
4.1 クロックムッシュとクロックマダムはどんなフランスの家庭料理?
フランスで朝ごはんや軽食の定番として親しまれている、クロックムッシュ(Croque-monsieur)とクロックマダム(Croque-madame)。ホワイトソースを塗ったパンにハムとチーズを挟み、オーブンで焼いたパン料理がクロックムッシュ、さらに追加で目玉焼きを乗せたものがクロックマダムになります。
この料理は1910年代に、フランス・パリのオペラ地区にあるカフェで初めて作られました。クロックムッシュの「クロック」とは、フランス語で「カリッとした」という意味のcroquerが由来。また、「ムッシュ(フランス語で紳士)」と名付けられた理由は、手づかみで食べることから男性向けの料理とされていたという説が有力です。
一方クロックマダムは、目玉焼きが乗っているためフォークとナイフを使い上品に食べることから、「マダム(フランス語で婦人)」と名付けられたとされています。
4.2 日本でも作れるクロックムッシュとクロックマダムの基本レシピ
クロックムッシュとクロックマダムを、日本でできるだけ簡単に作るレシピを紹介します。
クロックムッシュとクロックマダムの材料(2人分)
- バター...... 50g
- 小麦粉......50g
- 牛乳......600ml
- 食パン(8枚切り)......4枚
- ハム......4枚
- ピザ用チーズ......適量
- 卵(クロックマダム用)......2個
主に用いる調理器具......オーブンまたはオーブン機能付き電子レンジ、フライパン、ホワイトソース用の鍋、へら、包丁、まな板
クロックムッシュとクロックマダムの作り方
- オーブンを200℃に予熱しておく。
- 先にホワイトソースを作る。コンロにかけた鍋にバターを中火で熱し、小麦粉を入れて混ぜながら、牛乳を2~3回に分けて加える。
- ホワイトソースの作り方続き:焦がさないように注意して、全体が滑らかになるまで混ぜて火を止める。
- 食パンにホワイトソースを塗り、ピザ用チーズ→ハム→ピザ用チーズの順で乗せる。
- 3にホワイトソースを両面に塗った食パンを重ね、さらにピザ用チーズを乗せる。
- 200℃のオーブンで10〜15分ほど焼いたら、クロックムッシュの完成。
- 4に半熟の目玉焼きを作りクロックムッシュに乗せたら、クロックマダムの完成。
4.3 クロックムッシュとクロックマダムを簡単に作るポイント!
ホワイトソースの代わりに、食パンにバターを塗るだけのシンプルなクロックムッシュもあります。時間が無い場合は、ホワイトソースをバターで代用するか、市販のホワイトソース缶詰を利用すると、より簡単に作れますよ。
また、オーブンがない場合は、フライパンで焼くことも可能です。食パンがカリッと焼け、チーズが溶けるまでしっかり焼きましょう。クロックムッシュは食パン以外のパンを使ったり、挟む具をアレンジしたりとバリエーションが広い料理。お気に入りの組み合わせを見つけてみて下さいね。
5. 自宅で作れるフランスの家庭料理:タルティフレット
<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)>
フランスの特産品であるチーズを、贅沢に使ったタルティフレット。チーズ好きにはたまらない家庭料理です。作り方もシンプルなので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
5.1 タルティフレットってどんなフランスの家庭料理?
フランス・サヴォア地方の郷土料理であるタルティフレット(Tartiflette)。ジャガイモと玉ねぎ・ベーコンにチーズを乗せた、シンプルな家庭料理です。とろとろに溶けたチーズのクリーミーな味わいがポイント。味付けは塩胡椒のみで調理過程もシンプルなので、誰でも簡単に作りやすい料理と言えるでしょう。
アルプスの麓に位置するサヴォア地方は、チーズ料理が有名な地域です。タルティフレットに使用されるルブロションチーズは、白カビに覆われ中はとろりとして滑らかなことが特徴。クセが少なく、優しい甘みが広がります。
5.2 日本でも作れるタルティフレットの基本レシピ
タルティフレットを、日本でもできるだけ簡単に作るレシピを紹介します。
タルティフレットの材料(2人分)
- ジャガイモ......2個
- 玉ねぎ......1/4個
- ルブロションチーズ......100g
- オリーブオイル......適量
- ベーコン......30g
- 塩、胡椒......各少々
- バター......適量
- 生クリーム......100ml
主に用いる調理器具......オーブンまたはオーブン機能付き電子レンジ、フライパン、へら、包丁、まな板
タルティフレットの作り方
- ジャガイモは皮を剥いて厚めにスライスし、600Wの電子レンジで2分加熱する。
- 玉ねぎとルブロションチーズは薄くスライスする。
- オリーブオイルを熱したフライパンに、玉ねぎとベーコン、塩胡椒を加えて炒める。
- 耐熱皿にバターを塗り、加熱したジャガイモを並べる。
- ジャガイモの上に3を乗せ、生クリームを加える。
- 5にルブロションチーズを並べる。
- 200度のオーブンで約20分焼いたら完成。
5.3 タルティフレットを簡単に作るポイント!
日本でルブロションチーズを購入するには、ネット通販がおすすめです。ただ、ルブロションチーズを日本で買う場合高価となるため、より簡単かつ安価に作りたい場合は、スーパーなどで手に入りやすいカマンベールチーズで代用することもできます。
また、チーズの塩分によっては塩気が強くなる可能性もあるので、味を見ながら塩胡椒の量を調節してください。タルティフレットはオーブン調理が多いフランス家庭料理の中でも、素朴な味わいが魅力的な山の料理で、白ワインとよく合います。
6. 自宅で作れるフランスの家庭料理:キッシュ
<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)>
キッシュもフランスの家庭料理で、見た目の華やかさも魅力的。日本でもおしゃれなパン屋などで売っているイメージですが、実はおうちでも簡単に作れます!
6.1 キッシュってどんなフランスの家庭料理?
フランスのアルザス=ロレーヌ地方の郷土料理として伝わるキッシュ(Quiche)。パイ生地に、ベーコンや野菜・フレッシュクリーム・チーズを合わせた卵液を入れて焼き上げる家庭料理です。外はサクサク、中のフィリングはふわふわと柔らかい食感が特徴。 キッシュの語源は、ドイツ語でケーキを意味する「クーヘン」がロレーヌ語の「キューシュ」へ変化し、最終的にフランス語の「キッシュ」になったと言われています。華やかな見た目やピザのように切り分けて食べるスタイルもできることから、ホームパーティーなどにも人気のメニューとされています。
6.2 日本でも作れるキッシュの基本レシピ
日本でキッシュをできるだけ簡単に作るレシピを紹介します。
キッシュの材料(26cmの耐熱皿分)
- パイ生地......200g
- バター......30g
- ベーコン......200g
- 卵......3個
- 生クリーム......200ml
- 牛乳......200ml
- 塩、胡椒......それぞれ少々
- ナツメグ......少々
主に用いる調理器具......オーブンまたはオーブン機能付き電子レンジ、フライパン、耐熱皿、包丁、まな板
キッシュの作り方
- オーブンを180度に予熱する。
- パイ生地を伸ばし耐熱皿の大きさに合わせて敷き、底にフォークで穴を開ける。
- パイ生地の底にスライスしたバターを並べる。
- フライパンでベーコンに焼き目が付くまで焼く。
- ボウルに卵と生クリーム、牛乳を混ぜ合わせる。
- 5に4を加えて混ぜる。
- さらに塩胡椒とナツメグで味付けをする。
- 6を3に流し込み、オーブンで45〜50分焼いたら完成。
6.3 キッシュを簡単に作るポイント!
本場フランスではフレッシュクリームと呼ばれる、サワークリームと生クリームの間のような濃厚なクリームを使用するのが一般的。ただし日本では手に入りづらいため、生クリームを代用する、より簡単に作れるレシピを紹介しました。
また、オーブン調理が難しい場合は、フライパンを代用することも可能です。その際は、底が焦げないよう弱火でじっくり焼くようにしましょう。 ハードルが高いように思われるフランス料理ですが、家庭料理なら日本でも再現しやすいのが特徴です。オーブンを使うレシピが多いものの、同じ機能を持つ電子レンジやフライパンで代用も可能です。
おうちごはんのレパートリーに「フランスの家庭料理」をプラスすれば、日々の食事がさらに充実すること間違いなし! とはいえ、やはり本場フランスで食べる家庭料理は、さらに味わい深いもの。気に入ったものがあれば、ぜひいつかその料理が発祥したフランスの地方を訪れて、本場の味も試してみてくださいね。
関連記事
Rankingフランス記事ランキング
-
natsumi@Paris
- パリ在住のフリーランスライター&ブロガー。WORK HARD, TRAVEL HARDERをモットーに、世界30カ国への旅やパリライフの経験をメディアで発信中。パリをはじめ、現地の生活に溶け込んで得たリアルな情報をお届けします!