【京のパワースポット】コロナ禍で古代伝承の厄&疫病除け祈願

八坂神社

日本で新型コロナウィルスの存在が発表されてから半年以上経ち、私もアメリカのNY市&日本の京都でパンデミック経験。日本では緊急事態宣言で都道府県をまたぐ移動を控えるように言われ、6月19日には全国的に自粛が解除されたが、観光地である京都の経済状況はシビア。私も英語という特技を活かし外国人観光客相手に仕事をしていたので外資系旅行会社は所属していた2社とも経営困難に陥っています。私は執筆や写真・動画編集の仕事では忙しくしていますが、コロナ禍で職種差別は明らか。芸術家やミュージシャンらも発表の場が限られ、友達らはオンラインによるライブストリーム(配信)で寄付を募ってなんとかしのいでいる現状。京都の知り合いのライブハウスのオーナーから数度連絡が入った「火の車、助けてくれ」!

今回はパワースポットの多い京都のあちこちで疫病除けや厄除けのお札やお守りが見られたので、その一部をご紹介します。

目次

大改修後の観音パワー「清水寺」&縄文パワーの「地主神社」

Japan2007-04.jpg 清水寺と舞台.JPG

5月後半は京都市民のみ動物園や美術館や寺社仏閣などの観光地への訪問が許されました。

ユネスコ世界遺産『清水寺』、修学旅行で訪問した方も多いのでは。

東山区にあり山号は音羽山。清水寺では行叡を「元祖」、夢のお告げに従い登山した山で白衣の修行者に出会い後継を託されこの山を「開山」したのが延鎮(778年)とし、薬になる鹿の生き血を求めてこの山に来た際に修行中の賢心(延鎮)に出会い殺生の罪を説かれ自邸を本堂として寄進した坂上田村麻呂を「本願」と位置づけています。

清水寺を訪問する時にいつも自転車を預ける「産寧坂」付近の一時預かりは閉鎖しており、入口で微笑みながら「ここは閉まってるから停められへんわ」と。清水寺まで自転車を押していくと、おっちゃんの言ってた意味がわかった。200円の預かり賃を払わなくても清水寺の自転車置き場に昔みたいに停められました。

外のチケット売り場は閉館され清水寺の門でお金を払い入場するという形式で、私がまだ子供だった頃の遥か昔のシステム。「全然人が来はりませんし、ここだけで間に合いますわ」と係りの人。

まずは私が大好きな真っ黒な満面の笑みで迎えて下さる『必ず仕事運や金運が上がる霊験高き大黒様』に挨拶。満面の笑みに安堵を感じる。靴を脱いで最大のパワースポットである御本尊『十一面千手観世音菩薩』の近くまで上がり参拝しました。

Japan2007-03.jpg 清水寺 大黒様.JPG

2017年から屋根と清水の舞台が改修工事の為、絶景とは言えない風景を観光客は見ていたが清水寺の関係者曰く、「50年に一度の大改修なんでテント姿の清水さんを観られるのはある意味価値がありますえ」と。

2020年2月下旬には本堂の屋根の檜皮葺き替え工事が全て終わり、綺麗な屋根がお披露目され、5月より舞台板交換の工事に入り、一部閉鎖されているが場所によっては拝観可能。「清水の舞台」から下に見える「京都タワー」を望みほっこりしました。京都をお守り下さりありがとう、と観音様に心より合掌。

Japan2007-06.jpg 清水寺 京都タワー.JPG

清水寺を過ぎると縁結びの『地主神社』があります。明治以降は神仏分離により独立しましたが、もとは鎮守社として清水寺の一部で、大国主命を主祭神とし奇稲田姫命の父母神を正殿に祭祀されています。

Japan2007-07.jpg 地主神社 杉.JPG

創建年代は神代(日本の建国以前)で「恋占いの石」が縄文時代の遺物(祈祷石)だと聞き縄文パワーを頂戴しによく訪れました。恋占いの石とは本殿前に10メートルほど離れたひざの高さほどの2つのご神石で、片方の石から反対側の石に目を閉じて歩き、無事たどりつければ願いがかなうと伝承の"願掛け"石。

奥へ進むと、いのり杉 =通称 「のろい杉」があり江戸時代に「丑の刻参り」に使われ、生生しく五寸釘を打ち込んだ痕跡が見られます。

「縄文パワー」を注入した地主神社から「音羽の滝」へと向かうが、水を汲む柄杓も観光客も見当たらない。お不動様や役行者が見守る中、3本に別れた音羽の滝の水がただただ規則的に流れていました。

Japan2007-05.jpg 音羽の滝 本堂.JPG

三猿の霊力がパワースポット&病気平癒のこんにゃく封じ「八坂庚申堂」

Japan2007-09.jpg 庚申 くくり猿.JPG

『八坂の塔』周辺も、インスタ映え写真を撮る女子で賑わう『八坂庚申堂』(大黒山金剛寺延命院)も珍しく静かでした。

960年浄蔵貴所により創建された『八坂庚申堂』は日本最古の庚申信仰の発祥の地とされ、小さな境内に「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿像があちこちに見られます。

Japan2007-08.jpg 庚申 三猿.JPG

欲に走らないように手足が縛られた猿を吊るす「くくり猿」という名のカラフルな布地の猿が願を叶えてくれ、「パワースポット」としても有名。本尊の青面金剛は、飛鳥時代に渡来系秦氏の族長・秦河勝が帰化した際に持参した仏像で、秦氏の守り本尊として祀られたもの。

「八坂の庚申さん」と言われ日本三庚申の一つであり、天狗やその祖といわれる猿田彦を信仰している私は個人的にここをよく参り表情が豊かなお猿さんを見てはパワースポットの霊力を感じていました。病気平癒の「こんにゃく封じ」や下の世話をさせない「タレコ封じ」の祈祷でも知られます。

「祇園祭」の「厄除けちまき」&「八坂神社」

八坂の庚申さんから高台寺さん前の『ねねの道』を通り過ぎ円山公園をこえ、八坂神社へと参ると人力車を引くお兄ちゃんが自転車に乗っている私に声をかけてきた。「良かったら人力車で回りませんか?」

京都では夏に行われる日本三大祭りの一つである『祇園祭』で頂く「厄除けちまき」を軒先などに厄除けとして飾ります。今年はメイン行事33基の「山鉾巡行」などが中止になり「厄除けちまき」は『八坂神社』もしくはオンラインなどで購入。

『祇園祭』の由来は、八坂神社が神仏混合で比叡山に属し『祇園社』と呼ばれていたことから祭神の「牛頭天王」が仏教の聖地である祇園精舎の守護神とされ、明治までは祭礼の名も『祇園御霊会』でした。

疫病の流行により朝廷は863年、平安京の広大な庭園であった『神泉苑』に、当時の国数66ヶ国にちなみ66本の鉾を立て、祇園の神を祀り、さらに神輿を送り無病息災を祈念することから始まった『祇園祭』は今でも一ヶ月続き「蘇民将来子孫也」の護符を身につけ参加します。

Japan2007-13.jpg 神泉苑 赤橋&本殿.JPG

ちまきにもこの護符はあり、八坂神社御祭神スサノヲノミコト(素戔嗚尊)が疫病流行の際『「蘇民将来子孫也」と記した護符を持つ者は疫病より免れしめる』と約束されたことに由来。また「茅の輪くぐり」と「御千度詣り」がこの時期だけ開催されます。「蘇民将来子孫也」と唱えながら『茅の輪』を八の字にくぐります。

Japan2007-12.jpg 八坂神社 茅の輪くぐり 近.JPG

社務所で「御千度札」を頂いて本殿で参拝してから本殿の回りを3周します。「茅之輪守」と「粟餅」を八坂神社境内『疫神社』前で頂いて祇園祭は終わり。

我が家の毎年の恒例行事で『八坂神社』へ参り、疫病除けに茅の輪くぐりを両親の分2回ずつ周り、御千度詣りも済ませ「厄除けちまき」もゲットして一年の安泰を祈願しほっとしました。また今年は四条通に面した門前に特別な垂れ幕があり『疫病退散 がんばろう日本』というのを見て涙が出てきました。

Japan2007-10.jpg 八坂神社 お守りお札.JPG

Japan2007-11.jpg 八坂神社 祇園祭 ちまき.JPG

パワフルな縁切り神社「安井金毘羅宮」&鬼(角大師)が疫病封じ「廬山寺」

Japan2007-14.jpg 安井金毘羅宮 門.jpg

京都は疫病で悩まされた過去から疫病封じ祈願できるところが数カ所あります。

縁切り神社として知られる『安井金毘羅宮』はここ最近とても人気。

その昔、花街『祇園』に隣接していることから夜に誰かと縁を切りたい人がこっそり祈願に来ていましたが、今は日夜問わず賑わっています。第38代天智天皇の御代に藤原鎌足が創建、藤を植え藤寺と称し家門の隆昌と子孫の長久祈願に始まり、第75代『崇徳天皇』は特にこの藤を好まれ寵妃を住まわせ『大物主神』『源頼政公』と共に主祭神の御一体になります。

崇徳天皇が崩御された讃岐の金刀比羅宮で一切の欲を断ち切って参籠されたことにちなみ、断ち物の祈願所とされました。

最近は「厄病」と縁を切りたい人で賑わい、高さ1.5メートル、幅3メートルの絵馬の形をした巨石で中央の亀裂を通して神力が円形の穴に注がれている「縁切り縁結び碑」の穴をくぐる人が並んで順番を待っていました。ここのパワーも強烈で私も過去に3度ほどお世話になった経験があり、恋愛だけでなく仕事や家族関係、あらゆる決別祈願ができます。

Japan2007-15.jpg 安井金毘羅宮 祈願.jpg

京都御所の近辺にある『廬山寺』でも疫病封じのお守りを頂けます。平安時代中期の比叡山の高僧である良源(慈恵大師)別名『元三大師』により創建され、鬼に姿を変えて厄神を払ってくれる大師様(角大師)として広く信仰されており、『角大師の護符』はとにかくパワフルで京都の軒先に貼られているのをやたら見かけます。

購入する際に注意を受けたのが「鬼門である北に向けて貼ったらあきませんねん。北以外やったらどちらに向けてもらってもええけど、鬼門である北に向けて貼ってしまったら北から来る厄しか退治してくれませんやろ」と。

Honeyview_Japan2007-16.jpg 廬山寺 朱印.jpg

新型コロナウィルスはいつまで我々の社会生活を脅威に陥れるのか、不安は尽きないですね。しかし古来から信仰されてきた慣習に従い、夏の風物詩としての伝承を実践しながら、パワースポットらを訪れ、古のパワーを頂くことで何とか乗り越えていきたいものですね。

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RICA NAKAJIMA

京都生まれ&育ち。世界各地をバックパッカー周遊しながらロンドンに6年、ニューヨークに10年以上滞在。日本のコアな伝統文化や神社仏閣、世界の文化芸術、史実関連を中心に新聞・雑誌などで執筆。また経験に基づく“陰謀説”系の電子書籍出版もあり。ジャーナリストのほか、写真映像家、YouTuber、NY州不動産ブローカー、音楽プロデューサー&イベンター、ヒーラー、日本庭園師などマルチに活躍中。

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