(大人のニュージーランド その1)鷲のように優雅に飛ぶ。グライダーに乗る。

ニュージーランドの観光案内を見ると、大人の年齢の私たちには、正直に言って、ちょっと遠慮したいようなものもよく目につきます。

アクティビティとしてよく紹介されているのが、バンジージャンプやスカイダイビング、それにカヤック....。でも、どれも私には厳しそう。また、美しい山々の景観も素晴らしいようだけれど、山に登る自分の体力が心配... などと思って尻込み。私でなくとも、同じように感じられた向きがいらっしゃるのではないでしょうか。ニュージーランドに住んでこの国のピュアな美しい自然をとても愛しているけれど、実はアウトドア派とは言い難い私。

でも、その素晴らしい景観とニュージーランドならではのアクティビティを同時に叶えられる、大人むきの優雅な選択がありました。グライダーです。

目次

グライダーってどんな乗り物でしょう?

グライダーって、あのパラシュートの変形のようなハンググライダーではありませんよ。凧のようなパラグライダーでもありません。

いわゆる遊覧飛行、と言う、パイロットの操縦する小型飛行機に乗って景色を眺めるあれでもありません!小さい頃、紙飛行機を飛ばして遊んだのと同じように、ただ、風だけに乗って、エンジンもなく、プロペラもなく飛ぶ軽快な飛行機、それがグライダーです。

グライダー体験おすすめの場所 Omarama(オマラマ)

ここは Omarama(オマラマ)という小さな街です。もし、あなたがレンタカーを借りて旅行できるならば、観光地で有名なクィーンズタウンからは約2時間、バスに乗って行くなら3時間の場所です。(ちなみに、ニュージーランドの交通ルールは日本とほとんど一緒で、ほんの少しの違いに注意を払えば、後は日本で運転する感覚で車を走らせることができます。)

町には小さなスーパーマーケットがたった一軒、カフェやレストランが中心地に数軒あるだけの町ですが、宿泊施設もいくつかちゃんとあります。

そのオマラマに、グライダーには最適と言われる世界でも有数の地理的条件が整った、グライダー飛行の会社があります。ここでは体験飛行(30分からなんと5時間まで!)のみならず、グライダーのスクールもあります。初めて乗るところから、グライダーを乗りこなせるようになる基本テクニックまで、たった10日程度(!)のコースです。(なら私にも操縦できるようになるかな、とつい思ってしまったり...)さらに、ライセンスの取れている人なら、グライダーだけを借りて、自由気ままに自分だけで飛行を楽しむこともできます。

グライダー飛行会社 Glide Omarama(グライド オマラマ)

そういうわけで、早速その会社へ行ってみました。敷地の中へ入って行くと...

わぁ、グライダーが一杯並んで置いてあります! でも、初めて知りましたけれど、グライダーって分解して保管するんですね。翼と胴体がバラバラ...

nzl2004-03.jpeg

車を駐車場(らしき場所?)に留めて、さらに奥へ歩いて行くと...

飛んでます、飛んでます!向こうに見える広い場所で次々に空に昇って行く飛行機が見えます。でも、よく見ると形の違う二つの飛行機が一緒に飛んでいきます。そう、グライダーは最初はプロペラ機にロープで引っ張ってもらって空に上がるしかないのですね。(なんといってもエンジンがないのですから。)しばらく、ぼうっと見とれて空を見上げてしまいます。(いえ、口は開けていません!)

nzl2004-04.jpeg

我に返り(?)さぁ、いよいよ事務所に入って行って、乗ってみます!(ドキドキ)

nzl2004-05.jpeg

受付の女性から、住所氏名などの通常の連絡先の他、緊急時の連絡先や健康問題を抱えているか、などのいくつかの質問事項に答えるように iPad を渡されて、チェックを入れていきます。 

で、準備はこれだけ!他のアクティビティのような特別な装備も何も身につけず、普通の服装でOKです。(日焼けが嫌な人は帽子だって被って居ていいのです。)ただし、もちろん、緊急時のためにパラシュートは着用しますよ。(乗る前にね)

グライダー体験はこんな感じ

「時間までしばらく待っててね」と言われて待っていると、「順番がきたよ」と呼ばれました。飛行場の方へ歩いて行きます。

まず初めはグライダーの説明。その後緊急時の説明を聞いて、早速乗り込みます。グライダーは二人乗りになっていて、後部座席にはベテランパイロットさんが乗り込んで操縦してくれます。前の座席でもどちらでも操縦できるので、「このレバーを動かして君も操縦していいよ!」なんて冗談を言われますが、まさか!(汗)

さあ、飛びますよ~!

nzl2004-06.jpeg

飛び立つときはこんな感じです。ものすごくワクワク!開放感100%!何故なら私の周り、上も含めて全部、透明のカバーがあるだけなので、まるで鳥になったようです。それなのに、しっかりした機体に体をのせているので、恐怖感は全くありません。

ある程度の高さまで行くと、先導の飛行機と繋がって居たロープがパチン!とはずされて、そこからは上昇気流に乗ってゆっくりと、でもどんどんと、高く高く昇っていきます。乗る前にパイロットさんに「気分悪くなると嫌だから、静か〜に飛んでね」と頼んでおいたせいか、(時々、アクロバットな飛び方をしてくれる人もいるみたいなので、念のため...)非常に安定した乗り心地で、全く不愉快な揺れがありません。パイロットさんは時々、地上と無線で交信して居ます。(何を言っているのか、全然分からなかったのですけど。)

カフェでゆっくり空のグライダーを眺めるだけもOK

敷地内にはカフェもあります。私はグライダーから降りた後、そこでお茶を飲んでゆっくりしました。すぐに立ち去るにはもったいない、素晴らしい体験だったので、ここでまだ余韻を楽しみたかったのです。

でも、このカフェには子供づれの家族や、犬連れの人などもいて、どうやらただお茶を飲みにきただけのような人たちもたくさん居ました。広い芝生で犬も子供も転げ回って遊び、大人はグライダーを眺めて楽しんでいる様子。そうですね、乗る前にまずはカフェでじっくりグライダーを偵察(?)するのも良いかもしれません。

nzl2004-08.jpeg

まとめ

感激し続けるうちにあっという間に終わりましたが、30分の飛行は体験としては十分。費用は一人386ドルです。それにしても、私はラッキーでした。急に思いついて立ち寄って、予約もなしに乗れたからですが、普通は事前予約が必要です。また、例え予約をして居たとしても、会社側は非常に慎重に風の状態を見ながら運行するかどうかを常に検討しているので、風の状態によっては予約したけれども乗ることができなかった、ということはあり得ます。この日は午後から気象条件が悪化することがわかって居たので、午前中で飛行をやめることになって居たところ、ギリギリ最後にのせてもらえたのでした。

一つ、怖いと思ったことがあったとしたら、それはパラシュートを開かないといけなくなった時のことを想像したことでした。乗る前の説明で、「ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!」と3回言われたら、シートベルトを自分で外し(そんな怖い時に『自分で』...?!)、そうしたら(透明カバーはパイロットさんが後ろから開けてくれるので)すぐ飛び降りて、すぐパラシュートのレバーを引け、と言われました。 えぇっ...できるかなぁ、なんてちらりと思いましたが、透明の覆いが開いちゃったら、もう、目をつぶって飛び降りるしかないですよね...。そうなったら、ちょっとしたスカイダイビングの経験も一緒にできるか!とか、変な覚悟を一応飛ぶ前にしました。(笑)でも、普通にジャンボ飛行機に乗る時だって、実は相当怖い、緊急時の説明をされて居ますよね。それを考えたら当たり前。逆に、しっかり指導者がそばについていてくれて、かつ十分事前説明してくれるからこそ、安心と言えるのでしょう。

私は、いつかライセンスを取りにもう一度来ようかなと、今夢見ています。グライダーは私たち人間が唯一、鳥と同じように風に乗って飛べる手段。気流を読み、感じ、そこに翼を預けて、ずっと見上げてばかりだった、大空の鷲の視線と、あなたの視線が重なるひと時です。

基本情報

  • 施設名 : "GLIDE OMARAMA"
  • 住所 : The Terminal Building, Omarama Airfield, Omarama 9448 New Zealand
  • 体験料 : 386ドル/30分 525ドル/60分 834ドル/2.5時間 1,735ドル/5時間(いずれも一人当たり)
  • URL : https://www.glideomarama.com/
  • ※2020年は9月まで(冬季の間)休業のため、詳細は要問合せ

ニュージーランド」に興味わいてきた?あなたにおすすめの『ニュージーランド』旅行はこちら

※外部サイトに遷移します

Related postこの記事に関連する記事

Rankingニュージーランド記事ランキング

ランキングをもっと見る

この記事に関連するエリア

この記事に関連するタグ

プロフィール画像

久米能加

本業は建築家。世界各国を旅して落ち着いたのが、ニュージーランド。現在、当地にて建築設計事務所運営。建築に関する記事を現地雑誌へ連載中のライターでもあり、秋田犬をこよなく愛す、Dog people でもある。

Pick upピックアップ特集

全国の動物園&水族館 徹底取材レポート特集!デートや家族のおでかけなど是非参考にしてみてください♪

特集をもっと見る

たびこふれメールマガジン「たびとどけ」
たびこふれサロン

たびこふれ公式アカウント
旬な情報を更新中!