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仏像好き必見!黄金に輝くチベット仏像を南インドの秘境で拝む
仏教が生まれた国インド。原始仏教に触れるためインドを旅する人も多いのではないのでしょうか。仏教に興味がある方にも、今まで宗教について考えたことない方にもおすすめしたいのが南インドの小さな町バイラクッペです。
バイラクッペはチベット人居住区となっており、一味違ったインドと美しいチベット仏教に触れることができます。この記事では、そんな独特の魅力があるバイラクッペを紹介します!
目次
- バイラクッペってどこ?どんな街?
- 必見!チベット人の心の拠り所「ゴールデンテンプル」
- 太陽の光が本堂にふりそそぐ「タシルンポ寺」
- ダライ・ラマ法王のバイラクッペ滞在地「セラ寺」
- インド文化大好き!バイラクッペの新しい世代たち
- まとめ
バイラクッペってどこ?どんな街?
南インドを代表するIT都市バンガロール。グーグルやアップルなどの大企業のオフィスがあり、毎日のようにスタートアップ企業が新たなサービスが生まれているところです。
そんな大都市バンガロールからマイソールへ電車で3時間、マイソールからバスで3時間走ったところにあるのが今回紹介するチベット人の町バイラクッペです。
山に囲まれて空気がきれい!昼間は一年中気温30度近くありますが、高原なので夜になると肌寒くなります。11月〜3月はジャケット必須です。チベット人とインド人の割合は7:3くらいでしょうか。人種こそ違いますが、うまく共存している様子が平和な雰囲気から伺うことができます。
アクセス
バンガロール(Bangalore City Junction Railway station駅)からマイソール駅まで特急で約3時間。バスに乗り換え、マイソールバススタンド(Mysore Rural Bus Stand)からバイラクッペまで約3時間。
必見!チベット人の心の拠り所「ゴールデンテンプル」
黄金に輝く寺の名前は「ナムドローリング・モナストリー」。通称「ゴールデンテンプル」は朝からお祈りにくるチベット人たち、インド人観光客で賑わっています。
実はバイラクッペはチベット人の難民キャンプです。中国がチベットを侵攻し、1959年ダライ・ラマ法王がインドへ亡命しました。法王に続いて約10万人がインドへ亡命した1960年、インド政府がチベット人居住区として与えた土地がバイラクッペです。
今では「難民キャンプ」の言葉から想像する光景とはほど遠く、住宅も道路もきちんと整備されています。
しかし、当時は文字通り何もなくみんなで力を合わせて土地の開墾から始めたそうです。「暖を取るための燃料もなかったので、食べた後のとうもろこしの芯を燃やしていた。」とチベット人の男性が語ってくれました。
オートリキシャーで僧侶たちと相乗りになることも多々あります。片言の英語と流暢なヒンディー語で身の上を語ってくれた彼は、9歳にも関わらずチベットから山を超えて亡命してきたそうです。そんな身の上を、まったく何でもないことかのように話してくれました。
- 施設名:"Namdroling Monastery Golden Temple"
- 営業時間:7:00〜19:00
- 定休日:年中無休
- 入場料:無料
- URL :https://www.namdroling.net/Portal/Home
太陽の光が本堂にふりそそぐ「タシルンポ寺」
バイラクッペ 3大寺院の1つ、「タシルンポ寺」。市内から離れた森の中にあるためオートリキシャー必須です。
タシルンポ寺の魅力はなんといっても、本堂の美しさ。柱が真っ赤に統一され、本堂に差し込む太陽の光がその荘厳さを倍増させます。ゴールデンテンプルよりも参拝客が少ないので、ゆっくりと見ることができます。
パンチェン・ラマというダライ・ラマに次ぐ高僧の地位に指名された後、行方不明となった少年の写真が飾られています。タシルンポ寺は彼が僧侶として勉強するはずの場所だったからです。参拝する人々は静かに少年の写真に祈りを捧げていました。
敷地では、僧侶がかわいがっている子犬たちが遊んでいます。どのお寺にも子犬がいて、僧侶たちが世話をしていました。
お寺から少しオートリキシャーで走った第二居留区で見たのは、ダライ・ラマ法王の長寿を願って放された鯉が泳ぐ池でした。僧侶が鯉に餌をあげていました。事務所では鯉用のビスケットが販売されています。近くにいた女の子たちは豪快に、20パックほど池に放り込んでいました。
- 施設名:"Tashi Lhunpo Monastery"
- 入場料:無料
- URL :https://www.tashilhunpo.org/
ダライ・ラマ法王のバイラクッペ滞在地「セラ寺」
チベット仏教は3つの宗派に分かれています。セラ寺はダライ・ラマ法王の宗派で、法王がバイラクッペを訪れた際にはこの寺に滞在します。居住区の中にあるため、バイラクッペの街並みを楽しみながら訪れてみてください。
こちらはお供え物のお菓子。各家庭で作られます。癖がなく、ほんのり甘い味です。
この色とりどりの旗には願い事や名前、お経が書いてあります。托した思いが風に乗って広がっていくと信じられているそうです。
- 施設名:"Sera Jey Tsawa Khangtsen"
- 入場料:無料
- URL :http://eng.serameymonastery.org/category/about-us/
インド文化大好き!バイラクッペの新しい世代たち
タイミングが合えば、イベントに参加できることもあります。
私が訪れた時は夜に大規模なコンサートがあり町中から人が集まっていました。アメリカやカナダなど各地に亡命したスターたちが歌ったり、地元の若者が踊ったりと大盛り上がりでした。
「バイラクッペのチベット人たちは、チベットの文化よりもボリウッド映画の方が好きだよ。」と1人の若者が語ってくれました。世代を経て、今後さらにインド文化とチベット文化が溶け合っていくのでしょうか。日々祈り、時には歌って騒ぎながら、まっすぐ前を向いて生きるバイラクッペのチベット人。たくましさを感じます。
まとめ
南インドの隠れた名所、バイラクッペではチベット仏教の美しさを満喫できます。太陽の光を反射してきらめく仏像や僧侶たちが修行に勤しむ寺からはエネルギーが溢れています。チベット人たちは日本人を尊重してくれ、特別に仏像の前まで通してくれたりしました。親切だけどちょっとシャイで、チベット人と日本人には通じるものがあるのも印象的です。
仏教に浸りたい方、今まで見たことのない世界を見てみたい方、さまざまな人生を歩んできた人に出会ってみたい方は、ぜひバイラクッペに訪れてみてください!
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やまもと
- インドのバンガロール・ムンバイの2拠点で活動している翻訳者・ライターです。インドの野良犬とヨガが大好きです!