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ひがし北海道の名所を行くローカル線のお話
こんにちは!車掌かんちゃんです。
今回は北の大地北海道の鉄路、花咲線(根室本線)と釧網本線の名所のお話です。
目次
- 花咲線終着駅の一つ手前の駅「東根室駅」が重要
- 第二の人生は少し違った生き方をしている「車両」
- 昔は転車台がありSLが常駐した「厚床駅」
- 釧網本線は、森と湖と湿原の国を蛇行して走る
- 6ヶ月だけ営業する臨時乗降場「原生花園駅」
- 乗って残そう「花咲線と釧網本線」鉄道地図から消されないように
花咲線終着駅の一つ手前の駅「東根室駅」が重要
花咲線の愛称を持つのは根室本線滝川駅~根室駅、全長443・8キロのうち、釧路駅~根室駅の135・4キロ。大正10年8月5日に開通しました。
花咲線 東根室駅。
花咲線の終着駅は根室駅ですが、到着前に線路は西に向きを変えるため、一つ手前の東根室駅が日本最東端の駅になりました。木製ホームだけ、駅舎もなく、最果ての旅情漂います。駅の開業は昭和36年9月1日。この日までは根室駅が日本最東端の駅でした。
第二の人生は少し違った生き方をしている「車両」
花咲線 西和田駅。
貨物列車の車掌車の車両を駅舎(待合室)に転用した貨車駅です。車輪が外されているので、ダルマ駅とも呼ばれています。国鉄時代末期(昭和60年頃)、駅の無人化が急速に進み、維持管理費用の点から駅舎は積極的に解体されました。しかし、北海道の冬の厳しい気象条件から待合室だけは必要であり、この頃、貨物列車の削減で余剰になった車掌車を駅舎に転用したのです。西和田駅は日本最東端の貨車駅でもあります。
昔は転車台がありSLが常駐した駅「厚床駅」
花咲線 厚床駅。
平成元年4月30年まで、この駅から標津線が分岐していて、ホームも3番線までありました。もっと昔は転車台(SLの向きを変える)も使用する鉄道拠点でした。ローカル線の旅情たっぷり。何本もの列車が発着していた頃で時間が止まったようです。
森と湖と湿原の国を蛇行して走る釧網本線
東釧路駅~網走駅、全長166・2キロ、昭和6年9月20日に全線開通したのが、釧網本線です。
総面積18290ヘクタール、最大幅は東西25キロ、南北36キロの釧路湿原の中を遠回りしたり、蛇行したりして、地盤の固いところに線路は建設されましたが、工事中に湿原の中の築堤が1・5メートルも沈んでしまい、大量の土砂を補充した区間もありました。
釧網本線 釧路湿原駅。昭和63年7月23日に設置されました。
細岡展望台。
釧路湿原駅から108段の急な階段と坂道を乗って約10分程で到着。蛇行する釧路川やハンノキ林、背景にひろがる雄阿寒岳、雌阿寒岳など、釧路湿原の雄大な景色を眺めることができます。
SL冬の湿原号。
こんな場所によくぞ線路を敷いたなぁと感心してしまうように、釧路湿原の真っただ中を走ります。運が良ければ車窓からエゾシカやタンチョウ(丹頂鶴)を見ることができ、車内ではダルマストーブでスルメを炙って食べることができます。
6ヶ月だけ営業する臨時乗降場「原生花園駅」
原生花園駅。
昭和62年7月1日に設置されました。5月1日~10月31日に営業する臨時乗降場です。エゾキスゲ、エゾスカシユリ、ハマナスなど40種類の草花が咲き乱れる小清水原生花園の入口にある駅舎から丘を登ると花畑と一緒に雄大なオホーツク海も見渡せる展望台に行けます。
みんなで乗って残そう「花咲線と釧網本線」鉄道地図から消されないように
荒涼たる原野や湿原の中を走り、貨車駅や臨時乗降場に停車。車窓からオホーツク海を眺め、牧草地には牛や馬、時にはエゾシカが飛び出して来て緊急停止。北海道ならではの魅力いっぱいのローカル線。しかし経営が厳しいJR北海道が平成28年11月に発表した当社単独では維持することが困難な路線(将来廃止するかもしれない路線)に花咲線、釧網本線も含まれています。鉄道地図から消されないように路線が存続する為には1人でも多く利用することが重要です。
皆さんも、北海道のローカル線の旅に出かけてみてはいかがですか?
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車掌かんちゃん
- 親からの最初の本は時刻表。いろんな列車に乗れて、給料ももらえるからと添乗員になりました。日本の鉄道路線、全て完全乗車の乗り鉄。住んでいる家も電車がよく見える線路沿い。鉄道が人生そのものです。