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【新型コロナウイルス】アルゼンチンの首都ブエノスアイレスのロックダウン状況(2020年4月末現在)

記事投稿日:2020/05/13最終更新日:2020/05/13

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日本の裏側では、秋の深まりを感じる季節となりました。

3月20日から外出禁止となったアルゼンチンの首都、ブエノスアイレスの様子をご紹介します。

目次

対策の早かったアルゼンチン

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アルゼンチンでは、3月20日から全国的な自宅からの外出禁止、自宅隔離(Cuarentena クアレンテナ)が続いています。

開始した3月20日の時点ではアルゼンチン全土で感染者は158人、死亡者は3人という状況でしたが、スペインやイタリアの状況を参照に早い段階で開始しました。

「基本、外出は禁止。ただし食料品等の生活必需品の購入のため必要最小限の外出は可能。治安当局による路上取り締まりが強化されて、その目的等について質問される可能性があり、また同措置を守らなかった場合には、刑事罰の対象となる可能性もある。」という厳しいものです。

当初、3月31日までの期限で始まりましたが、3度の延長を繰り返し、現段階で5月10日までとなっており今後も延長の見込み。

「経済よりも国民の命が大事」というアルベルト・フェルナンデス大統領の名言を残し始まったアルゼンチンの外出禁止ですが、その言葉通り経済的にもインフレは拍車がかかり、もともと値を下げ続けていたアルゼンチンペソは、ますます値を下げて1ヶ月以上続くこの外出禁止期間の影響により、デフォルト間近という切迫した状況です。

規制による状況

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この外出禁止が始まる前、3月15日にアルゼンチンは国境を封鎖しました。アルゼンチン国内居住者の帰国は一部許可しましたが、それ以外非居住者の入国は許可されておらず、現段階では9月までの一般航空便の発着を許可しない予定です。(例外あり)

国民の外出禁止は、食料品、日用品を販売するスーパーや商店、病院や薬局などの医療、銀行などへの外出は市民にも許可されていますが、道路で巡回する警察官から職務質問を受ける場合があります。
企業の多くはリモートワークに切り替えか、もしくは休業中です。

許可された食料品、日用品を販売するスーパーや商店、病院や薬局などの医療、銀行、マスメディア関係へ従事する場合は、特別な許可書を政府に発行してもらい外出が可能です。

開始当初は多くのレストランが休業していましたが、4月からデリバリーサービスを利用して細々と営業している店舗もあります。

また、アルゼンチンのAmazonとも呼ばれるmercado libre(メルカドリブレ)は商品によっては対応してくれるという状況です。

街の現在の様子と課題

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外出禁止が始まった当初、まだ夏の日差しが残る日々だったブエノスアイレスもすっかり秋が深まり、木々は黄色く街を染めています。

人々の往来は少なく、まるでゴーストタウンのような雰囲気を見せていた街角も、外出禁止が緩和されたスペインにならってか、アルゼンチンも少しずつ経済改善も含め緩和していく可能性を示唆しています。ただ現段階では、外出禁止が続いておりそれに影響される問題も山積みです。

5月4日から買い物などの外出の際にはマスクの着用が義務付けられており、違反した場合は,10,700ペソから79,180ペソの罰金が科せられる可能性があります。

アルゼンチンではマスクを使う習慣が無いに等しいため、販売数も少なく代用品が目立っています。代用品の中には、鼻を覆えないアイマスクや女性のブラジャーのカップにゴムをつけた人などマスクの概念を覆すものもばかり。それでも平気で街を歩く人々には、マスクに親しみのある日本人としては驚かされます。

4月24日にブエノスアイレス市内のデボト刑務所で、刑務所職員がコロナウィルスに感染したことから受刑者達が自宅拘禁を要求し、刑務所の天井を破壊して屋根に登ったり、放火をするなど暴力的デモが行われました。

これを受け政府は、受刑者達の環境がコロナに感染しやすい、と一部の受刑者を自宅拘禁することを承認する、と述べて一時市民は騒然。

30日、承認に反論するためカセロラという抗議のデモが市民によって行われました。

カセロラは、決まった時間に家の鍋を持ち出し自宅のベランダから市民が一斉に力一杯鍋を叩き続ける抗議デモです。

デモに慣れていない日本人が初めて体験するとびっくりするかもしれませんね。

このまま受刑者の自宅拘禁が実施された場合、街の治安についてはやはり不安が残ります。

生活の変化

30日以上の一般市民の外出禁止を受け、多くの人が仕事を無くしている状態です。

もちろん、企業勤務でリモートワークへシフトした人もいますが、ブエノス・アイレスの大きな収入源であった観光業は、レストランやBAR、航空関係、私の周りだとタンゴダンサー、ミロンガの主催者やダンス講師、ミュージシャンなど仕事を失った人も多くいます。

その中でもタンゴダンサーの多くは、オンラインへとレッスン形態を変化させています。

一般的な職種も失業した人は多く、企業側もいつまで続くかわからない外出禁止令に新しい採用は見合わせており、再就職の目処も立たない状態で、家賃や今後の日々の生活に不安を抱いている人も多くいることでしょう。

また、食料品を販売するスーパーでは、密室の人口密度が上がらないように入場制限をしています。待っている人は2メートル以上の感覚を開けて列をつくっているため、食料品・医療品などの買い物をするだけでも時間のかかる大仕事です。

また自宅へ帰宅すると、ドアノブの消毒や手洗いうがい、そしてシャワーを浴びてという徹底したウィルスの除去をして、自宅へ持ち込まないよう努力しています。

毎日21時の拍手

毎日21時になると、どこからともなくベランダや窓から顔を出した市民が医療従事者に向けて拍手をします。

暗くなった街に部屋の明かりがポツポツと灯る中、少しずつそして盛大に巻き起こるこの拍手は、部屋の中で一日過ごし社会と関わることのなかった市民の心を一つにします。

私たちも外出禁止によって家で窮屈な思いをしているとはいえ、リスクを承知で感染者と共に、最前線でコロナと戦う医療従事者の方には本当に頭が下がります。

外出禁止が始まって1ヶ月以上経った今でも、毎日21時には多くの拍手が医療従事者に贈られる光景は、アルゼンチンらしい心温まる光景です。

全人類が未知のウィルスと戦う今、どのような方法がこの戦いにとって一番最善なのかは、問題が収束してからでしか誰にもわかりません。

政府の対応に、右往左往する部分は多く有りますが、国民にとっての最善は何かを毎日、頭を悩ませて話し合っている政府にも感謝しながらBARでビールが再び飲める日を待ちたいと思います。

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