【新型コロナウイルス】ロックダウン開始から2ヶ月/イタリア・シチリア島の状況(2020年5月9日現在)

3月9日夜のコンテ首相による臨時会見で、イタリア全土がロックダウンとなってから2ヶ月が経ちました。

当初はヨーロッパの震源地とまで言われたイタリア。特に感染拡大初期は、日本では北イタリアのことばかりがニュースになっていたと聞きます。本記事では、イタリアの最南端シチリア島在住の筆者が、ロックダウン下のシチリア島での生活をレポートします。

目次

シチリア島での広がり

5月9日現在、シチリア島内(人口約500万人)の累計感染者数は3,313人、累計死亡者数256人と発表されています。

ロックダウン決定以降、町から出られなくなる前にと北イタリアから南下してきた人も大勢いたため、医療体制が十分とは言えないシチリアでは感染拡大の不安が広がりましたが、北からシチリアに入ってきた人に2週間の自己隔離をさせるなどして、感染拡大を抑えてきました。

3月中は感染者がどんどん増えていったのですが、そのような対策が功を奏して、3月終わり頃から感染者の増加率は、一時的に上がることはあっても、減少傾向にあります。

ロックダウン下での移動

どこかへ行くには必ず指定の自己宣誓書を携帯しなければなりません。「自分はどこに住んでいて、〇〇から□□へ△△の理由で行く」といったことが書いてあります。

5月4日以降、「親族に会うため」という理由は「必要がある状況」と見なされるようになりました。それまでは親族にも会いに行けませんでした。

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<自己宣誓書日本語訳、在イタリア日本国大使館ホームページより>

徹底した外出制限

理由があれば自己宣誓書を携帯のうえで外出はできますが、不要不急の外出はとても厳しく制限されており、警察も頻繁にパトロールしています。とはいえ、外出する人が続出するのでは...と思っていましたが、実際出歩く人はほとんどおらず、みんなきちんと家で過ごしていました。

近くのビーチでは、通常であれば暖かくなってくる3~4月頃、日光浴をする人が増えてきます。北ヨーロッパなど寒い地域からの観光客だったら3月から泳ぐ人もいるほど。しかし、観光客は言うまでもなく、今年は5月4日までほとんど誰もいませんでした。4日以降は、緩和を受けて外出する人が少しずつ増えてきましたが、ソーシャルディスタンスを保たなければいけないため、今でもグループで行動している人はほとんど見かけません。

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<通常なら、早ければ3月から日光浴を楽しむ人などで賑わう>

ロックダウン下での買い物

スーパーや薬局、銀行や郵便局など生活に不可欠なところはロックダウン後もずっと開いていますが、かなり厳しい入場制限が設けられています。

スーパーの入場に1時間以上待つことも多々。1人出たら1人入るという感じなので、買い物するのは基本的には一世帯1人です。おうちでケーキやパン、ピッツァなどを作る人が急増したため、一時的に小麦やイーストなどが品薄になったものの、すぐに手に入るようになりました。大きな買い占め問題は近所では聞いていません。

スーパー以外では、お肉屋さんや八百屋さんなども開いていますが、そちらも1人ずつ、マスクをして入店するように徹底されています。

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<スーパーの前で列をつくる人々。ロックダウン直後の写真のため、まだマスクをしている人は少ない>

薬局にはかなり早い段階でガラスの仕切りが取り付けられました。他の多くの国と同様、イタリアでもマスクをする習慣がないので、もともと買い占められるほどの数もなく、マスクはずっと品薄です。そのため4月上旬には、簡素な作りではありますが、マスクの配布もありました。

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<薬局のレジ、薬剤師さん達はマスクと手袋必須>

イースターもおうち時間

この2ヶ月間にあったイベントといえば、イースターです。

イタリアでは、イースターは一大イベントの一つ。イースターにくわえて4月25日の解放記念日、5月1日のメーデーと祝日が続き、お天気に恵まれることが多いので、普段は家族や親せき、親しい友人で集まってバーベキューやピクニックをする人が多いのですが、今年はもちろん禁止。

近所では、テラスやバルコニーでこぢんまりと楽しむ人を見かけました。我が家でもテラスでお肉を焼いて、おうちの中で頂きました。

この一連のバーベキューシーズンが終了してから、5月4日より一部緩和となりました。

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<ソーセージはぐるぐるに巻かれます>

最後に

5月4日から制限が一部緩和されましたが、本当にほんの一部だけで、 5月18日・6月1日からも更に緩和が追加される予定です。シチリアでも、この緩和により外出する人が増えてきているとはいえ、それでもまだ不要不急の外出は禁止なので、大半の時間を家で過ごしています。

シチリアでこれだけ広がりを抑えられたのは、やはりこの徹底した外出制限が大きいでしょう。そしてこれを可能にしたのは、1つ1つの町や地域の連帯感だと感じています。

イタリア人に対して、陽気で自由奔放なイメージがあるでしょうか。否定はしませんが、何か起こったときの、人と人との精神的なつながりや連帯感を肌で感じました。この新型コロナウイルスが終息したら、この連帯感でシチリアを訪れる人々をおもてなしすることでしょう。旅行が出来るようになったら、ぜひイタリアへ、そしてシチリアへ。

Andrà tutto bene!(イタリア語で「全部うまくいく!」)

▼イタリアの新型コロナウイルス対応の変遷はこちらから

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サエコ

シチリア島に魅せられて移住。目標は地元民に間違えられるようになること。ガイドブックに載っていないような、ローカルな情報をお伝えします。

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