アマルフィの光と影

AMALFI-1.JPG

AMALFI -2.JPG

アマルフィ、その名前はアマルフィターナ(ソレントからサレルノまでの約30キロメートルにおよぶ海岸線)が世界遺産登録とともに日本に知られてきました。この街の起源は古代ローマまで遡ります。複雑な海岸線に囲まれ、敵の侵入を拒む。それは現在では、この街へのアクセスを難しくしています。

目次

ドライバー泣かせの道

AMALFI-3.JPG

AMALFI -4.JPG
ソレントからもサレルノからも、アマルフィターナと呼ばれる海岸線を走る道路は、くねくねと曲がり、道路も狭く、助手席の人間にはこの上ない素晴らしい景色を見せてくれますが、運転する者には一瞬たりとも気が抜けない緊張を強いることになります。因みに、私の車の同乗者は車酔いになり、それも本人曰く、2日酔いの重傷だったそうな。(あくる日も車酔いがしたらしい。)このアマルフィターナ30キロを山側の崖や海側のガードにこすりもせずに運転できたら、あなたはとっても優秀なドライバーです。この道路は地元のドライバーがチンクエチェントやプントなどのフィアットの小型車でぶっ飛ばしていく。しかも、のろのろ運転していたら、後ろからパッシングされる。そういったプレッシャーもあり、この道路の運転は至極大変なのです。ある日、免許取り立ての日本の外科医の先生が、私が止めるのも聞かずにレンタカーで奥様を助手席にこの道路を走破、しかし、車は無残にも擦った場所10数カ所、両方のバックミラーは完璧に消えて無くなっていました。

AMALFI -5.JPG

AMALFI -6.JPG

この映画で日本でも有名に

2009年に封切られた日本映画『アマルフィ 女神の報酬』をご覧になった方も多いと思いますが、冒頭の空撮でのアマルフィ海岸は正に絶景の連続でした。この映画の影響もあって、日本でアマルフィの知名度がぐーんと上がり、この海岸美を求めて南イタリアのツアーといえば、アマルフィが定番になりました。

AMALFI-7.JPG

AMALFI-8.JPG

アマルフィの歴史


この街は839年にナポリ公国から独立し、この地方に割拠していたイスラームの勢力を駆逐することで勢力を拡大してきました。872年、この付近にいたイスラーム艦隊をアマルフィの艦隊が撃破、カプリ島も併合。当時の中東のイスラーム世界は先進国で、イスラーム勢力との抗争を通じて、ちゃっかり商業上の契約も結ぶようになり、地中海世界に強力な海洋王国として脚光を浴びるようになっていきます。現在のウクライナのセヴァストポリにまで勢力をのばし、アマルフィが建設した港の跡が今も残されています。
アマルフィの優れていたところは、アマルフィ海法を制定し、航海の基本法をつくった事。これが、今でも様々な公海法の基礎になっています。羅針盤を開発し、航海術を大幅に発展させたフラビオジョイアという人物が出た。この人の銅像が街の入口にあります。当時の航海における最新技術をアマルフィはもっていたことになります。最新の造船技術、最新の航海術、先進イスラーム諸国との交易により、莫大な富がアマルフィにもたらされました。また、中国から製紙技術がシシリア経由でもたらされ、製紙業がこの地に富をもたらしました。今でも、当時の製紙技術を残した紙の博物館が、街のはずれにあります。

AMALFI-9.JPG

AMALFI-10.JPG
良い時が長く続かないのは世の常。12世紀に入り、ノルマン人やピサによる侵略と破壊。1343年には冬に大型の嵐によって、港が破壊されてしまい、それ以後、衰退の一途をたどります。しかし、アラブの影響を受けた 歴史的建築物が海のブルーに映えてエキゾチックな雰囲気を醸し出し、外敵からの防御のため白く塗られた路地が迷路のようになっていて、訪れる観光客を楽しませています。

AMALFI-11.JPG

AMALFI-12.JPG

AMALFI-13.jpg
この街の周辺は、イギリスからの観光客を多く受け入れていたため、商店の店員は綺麗な英語を喋ります。

AMALFI -14.JPG

AMALFI-15.JPG

アマルフィに泊まるならこのホテルがオススメ

この街にお泊りなら、街はずれのLUNA CONVENTOというホテルをお奨めします。その名前も月の修道院、ちょっとロマンチック。部屋は昔の修道院を改装したため、大きさも調度品もバラバラですが、嬉しいのはどの部屋からも海が見えること。ホテルのレセプションの前には、イスラーム風のパティオ(中庭)があり、レモンやオレンジの木が植えてあります。勿論、このホテルのレストランからも海が眺められ、そのレストランでの蒼い海を眺めながらの朝食が嬉しいのです。

◆ホテル ルナ コンヴェント

AMALFI -16.jpg

AMALFI -17.jpg

(文:ドルチェビータ)

イタリア」に興味わいてきた?あなたにおすすめの『イタリア』旅行はこちら

※外部サイトに遷移します

Related postこの記事に関連する記事

Rankingイタリア記事ランキング

ランキングをもっと見る

この記事に関連するエリア

この記事に関連するタグ

プロフィール画像

ドルチェビータ

2003年より2011年までイタリア、2014年から2017年まで英国にいました。

Pick upピックアップ特集

全国の動物園&水族館 徹底取材レポート特集!デートや家族のおでかけなど是非参考にしてみてください♪

特集をもっと見る

たびこふれメールマガジン「たびとどけ」
たびこふれサロン

たびこふれ公式アカウント
旬な情報を更新中!