世界中からセレブがバカンスに来るポジターノ

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冬にイタリアのソレントから半島の峠を越えると、半島の南側には別世界が広がってきます。冬にはソレント側は半島の長い山脈の影になって、冬の低い太陽のせいで陽光は少ない。峠を越えて南側にでると、晴れた日には春を思わせる日差しが差し込み、一気に『太陽がいっぱい』の世界が広がるのです。

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イタリアには、世界中のセレブがバカンスにやってくる場所が3か所あります。北はリビエラ海岸のポルトフィーノ、サルデニア島のコスタ・エスメラルダ、そして、このアマルフィ海岸のポジターノ。もともと、どこも漁師の村で、小さな入り江だったところを、ここまでのリゾート地とするには、その美しい自然と断崖に広がる街、それが織り成す絶妙のハーモニーが大きな要因ですが、バックや靴だけではい、イタリアのリゾート地に対するブランド戦略の勝利のような気がします。

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街全体がリゾートになっている、まるごとリゾートなのです。ホテル・レストランだけではなく、海に面した瀟洒なカフェ、ブティック、高級ブランド店、画商、陶器の店。陳腐な単なる土産物店は存在しません。

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5つ星のホテルも、隠れ家的になっていて、常連客はチェックアウトの時に、次の年の予約をしていく。そんな生活、死ぬまでに一度で良いからしてみたいものです。

そのセレブ達に最も人気のあるホテルが「イル・サン・ピエトロ・ディ・ポジターノ」というホテルです。町からアマルフィ方向に5.2km行った、小さな入り江に面して建っているホテル。5つ星ホテルですが、L(Luxury)が付いています。ご興味のある方はHPでご覧ください。

http://www.ilsanpietro.it/en/index.php

「不倫は文化だ!」でお馴染みのタレントさんもお泊りになることで有名なホテルです。このホテルを愛して、2週間~1か月滞在するセレブ達です。このホテルの部屋からの絶景とイタリアデザインのタイルをふんだんに使った芸術的なな部屋と、何よりもこのホテルの従業員が醸し出す優しさあふれるホスピタリティを愛した人たち。ちなみにこのホテルのレストランは2002年にミシュランの星を獲得していて、絶景を眺めながらの食事は格別です。

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1953年、アメリカの小説家で劇作家のジョン・スタインベックがこの地を訪れ、雑誌に紹介しました。これをきっかけに、アメリカやヨーロッパの有名人らが休暇を過ごすために訪問するようになります。
ローリング・ストーンズの「ミッドナイト・ランブラー」(Midnight Rambler)という曲をごぞんじでしょうか。曲はミック・ジャガーとキース・リチャーズが休暇で訪れたポジターノに滞在していた時にカフェにて二人で作ったもので、歌詞は1962年から1964年にかけて起こったボストン絞殺魔事件の犯人であるザ・ボストン・ストラングラー(本名:アルバート・デサルヴォ)をヒントにしたものであるそうです。ジャガーは「何であんなきれいな天気のいい所に来て、こんな暗い曲を書いたのか俺にもわからない」と回想しています。

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冬には花は無いものと思っていましたが、意外と花がたくさん咲いていました。これなら、夏の大混雑のときにくるのではなく、道路も空いている冬にきてもいいのかな、と思った次第です。

(文:ドルチェビータ)

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ドルチェビータ

2003年より2011年までイタリア、2014年から2017年まで英国にいました。

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