スペインの治安って悪いの?バルセロナでは"スリ"に要注意!防犯テクも紹介します

世界中から観光客が集まる情熱の国スペイン。バルセロナにあるガウディが残した建築、パエリアやタパスなどの美味しいスペイン料理、何度も訪れたくなるほどの魅力がスペインにはたくさんあります。

海外旅行に行く際の不安点といえば、治安の問題がありますよね。治安の良い日本に住んでいると驚きますが、重度の犯罪は多くなくても、スリや置き引きなどの軽犯罪は多発している国も一部あります。治安の良し悪しは観光先を決める上で重要な基準ですが、防犯対策次第では安全に観光を楽しむこともできます。

この記事では、スペインのバルセロナとバレンシア短期移住経験者でトラブルなく暮らした筆者が、2019年10月時点におけるスペインの治安とスリや置き引きを防ぐ防犯対策についてご紹介します。

※編集部註:最新情報につきましては、外務省の海外安全Webサイト、各種公式サイトなどをご確認いただきますよう、お願いいたします。

目次

1. スペインは治安が良い?それとも悪い?実際に滞在して分かったこと

2. スペインの治安についてよく分かる物事

3. スペイン旅行で滞在するなら、ホテルはどのエリアが良い?

4. スペインで注意したい、典型的なトラブルとその対策

5. スペインでトラブルに遭ったらやるべきこと

まとめ:スペインでは防犯対策をすれば問題なし

1. スペインは治安が良い?それとも悪い?実際に滞在して分かったこと

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<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)

スペインは、治安が良い悪いとは一概には言えない国です。2019年10月時点では、外務省の海外安全ホームページの危険情報・感染症危険情報は日本と同じくレベル0でした。

※編集部註:こちらは2019年10月時点の情報です。最新情報につきましては、外務省の海外安全ホームページの危険情報・感染症危険情報などをご確認いただきますよう、お願いいたします。
参考:外務省-海外安全ホームページ-スペイン(外部サイトに遷移します)

しかし、観光客を狙ったスリや置き引きなどの軽犯罪は横行しており、日本と同じような過ごし方は難しくなっています。ポケットの中に入れたスマホや財布をいつの間にか抜き取られた、という被害も発生しています。

ここからは、実際に滞在してみた都市を例にしていきましょう。

1_1. 「バレンシア」はほとんどトラブルなく過ごせた!

パエリア発祥の地として知られるスペインの第3都市のバレンシア。街のいたるところに古くからオレンジの木がなっており、市街地を外れると近代的な複合施設「芸術科学都市」があるなど、伝統と新しさがミックスされた美しい街です。

バレンシアの治安はスペインの中でも比較的良く、トラブルなく生活できました。筆者が住んでいたエリアは、バレンシアの中心地である「旧市街」周辺でしたが、治安が良くて深夜の外出や地下鉄内でも問題なく生活できます。念のため、スリや置き引きの対策を行う程度でした。

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1_2. 「バルセロナ」は治安が良くなかった、その理由は"スリ"

未完成の建築「サグラダファミリア」や強豪サッカーチーム「FCバルセロナ」などで有名な国際都市バルセロナ。世界中から人が集まっているため、中心地のお店ではほとんど英語のみで買い物や観光ができるほどです。

しかし、バルセロナの治安は残念ながら良くないと言えます。防犯が甘くなりがちな観光客を狙ったスリや置き引きの被害が多いのです。「バルセロナ観光でスマホを盗られた」という日本人の方の話は、もはや"あるある"ネタ。

スリは、人が集まるカタルーニャ広場やグラシア通りなどに潜んでいます。またバルセロナは地下鉄が発達しており、観光や生活に便利ですが、こちらもスリが集まることで有名。毎週土曜日は地下鉄が夜通し運行しているため、オールナイトで盛り上がった酔っ払いが多い点も注意が必要です。

2. スペインの治安についてよく分かる物事

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<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)

軽犯罪が多いスペインですが、実際にはどのような国なのでしょうか。この項目では、スペインの治安に関する具体的な例をご紹介します。

2_1. ポルトガルとスペインは地理が近いけれど、治安は似ている?

ポルトガルはスペインの隣国で、文化や食事などで共通点も多い国ですが、治安面では異なります。 スペインと比べポルトガルの治安は良いと言えます。ポルトガルはヨーロッパの中でも治安は良く、比較的安全に観光ができます。

とはいえ、日本と同じような治安というわけではなく、スリや置き引き、ひったくりなどの最低限の警戒は必要です。

2_2. スペインに自販機やコインロッカーはある?

スペインには、駅を中心に自販機が各都市に置かれてあります。もちろん、日本ほど普及してあるわけではありません。バルセロナでは、地下鉄の各駅のホームに設置されています。もし自販機で飲み物やスナックを買う場合は、財布を出すときに注意が必要! ひったくりに襲われる可能性もあるほか、操作に気を取られている間にスリが寄ってくる場合もあります。

コインロッカーに関しては、大きい都市にはロッカー専門店があり、手軽に荷物を預けられます。しかし、荷物を回収したあとスマホを見るなど、荷物から目を離す行為には気をつけましょう。

2_3. ボッタクリの可能性はある?

スペインでは、ボッタクリ価格のサービスや商品は少ないです。タクシーのボッタクリも少なく、さらにFREE NOW(旧Mytaxi)やCabifyといった配車アプリを使えば、正規の料金で安全に利用することができます。

>>>FREE NOWダウンロードはこちら(Apple公式ストア)
>>>Cabifyダウンロードはこちら(Apple公式ストア)

ただし、バルセロナなどの大都市の大通りや観光地に面したレストランは、料金が高めに設定されている場合があります。これらは現地の人は行かないレストランで、ボッタクリではなく、どの国でもあること。現地の方におすすめレストランを紹介してもらうと、お得においしい料理にありつけますよ。

2_4. 公共交通機関の治安は?

スペインは電車やバスが発展しており、移動が便利な国です。都市同士を繋ぐAVEという日本の新幹線のような電車も通っています。 日常的に使う電車や地下鉄では、治安に注意が必要な場合があります。たとえば、バルセロナの地下鉄では、スリ集団が集まっているといわれています。カバンは前に抱え、ポケットには何も入れない状態を推奨します。

混雑していないのに集団に囲まれそうになった場合は、すぐにその場から離れるようにしましょう。

2_5. スペインはカード社会?現金社会?

スペインは観光大国であるためか、カード決済が普及しています。都市の中心部ならほとんどのお店でクレジットカードを使用できます。 クレジットカードが使えるということは、実は防犯の意味でもメリットがあります。現金を盗まれた場合、ほぼ返ってくることはありませんが、クレジットカードを盗まれた場合、補償があります。

クレジットカードの盗難に遭った場合は、すぐにカード会社へ連絡して、利用停止と再発行の手続きを取りましょう。カードの受け取りは帰国後になってしまうため、旅行の際は複数枚のクレジットカードを持っていくことをおすすめします。

3. スペイン旅行で滞在するなら、ホテルはどのエリアが良い?

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<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)

スペイン旅行ではホテル選びも重要です。治安のことを考えると、できるだけ安全なエリアで滞在したいですよね。この記事では、バルセロナでおすすめのエリアをご紹介します。

3_1. バルセロナのディアゴナル通りにあるホテルは安心感が高い

バルセロナの中ではDiagonal(ディアゴナル)通りは安心感がありつつ、観光地へのアクセスが便利なエリアです。周辺にはガウディ建築「カサ・ミラ」や「カサ・バトリョ」などの観光地やグラシア通りがあり、バルセロナの中心部のカタルーニャ広場へ徒歩10分圏内でアクセスできて便利です。

グラシア通りは高級ホテルが多めでホテル内は安全ですが、常に人が多いエリアであるため、治安が良いとは言えません。一方で、少し外れたエリアのランブラス通りなどはおすすめです。

ディアゴナル通り

3_2. バルセロナのゴシック地区のホテルはできれば避ける

ゴシック地区は宿泊料金がリーズナブルなホテルもあり、美しく伝統のある街並みを観光できますが、観光客狙いのスリや置き引きが多いエリアです。人影が消える込み入った小道もあるため、道に迷ってトラブルに巻き込まれる可能性もあります。

おすすめはできませんが、もしこのエリアへ宿泊する場合は警戒を怠らないようにしましょう。

ゴシック地区

4. スペインで注意したい、典型的なトラブルとその対策

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<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)

スペインには軽犯罪が多いと書いてきましたが、スリや置き引きについて、具体的な内容と対策をご紹介します。対策をすれば筆者のように問題なく過ごせる確率が上がるため、ぜひ事前の準備をしておきましょう。

4_1. スリ

観光客が最も被害に遭いやすいであろうトラブルがスリ。ポケットにスマホや財布などの貴重品を入れていると、格好の餌食になります。カバンから物を抜かれるパターンもあります。気付いた時にはなくなっていて、どうしようもないといった被害です。注意を払っていても相手はプロであり、注意を引いて警戒をそらせてくる場合もあるため、必ず対策が必要です。

日本ではほとんど遭遇しないためにスリを軽く考えがちですが、地図を広げて手元を見られないように盗んだり、物売りのふりをして近付いたりするほか、カバンをカッターやナイフで切り裂かれて盗られるケースもあるなど、その手口は多種多様。対策としては、ポケットに貴重品は入れずに重要なものはカバンの奥へ入れて、地下鉄などではカバンを体の前に持つようにします。

話しかけられたり、注意をそらすような行為をされたりしたら、まずは自分の荷物を確認して目を離さないようにしましょう。また、スリの服装はさまざまで、会社に勤めているような見た目の人や旅行者のように見える人でも、実はスリによる変装だった、ということがあります。

4_2. 置き引き

スリと並んで多いトラブルが、置いてある荷物を盗られる置き引きです。レストランやカフェなど空いている席へ先に荷物を置いたとき、または荷物を置いたまま席を離れてしまい、気付いたら荷物が丸ごと消えているというものです。食事のシーンはつい気が緩んでしまいますが、置き引き犯はちょっとした気の緩みにつけこんできます。すぐそばに置いていても、ふと目を離した隙に盗られることすらあります。

また、地下鉄での居眠りも厳禁。日本では電車で寝た経験がない人の方が珍しいぐらいですが、スペインの地下鉄で居眠りをしてしまえば、必ず荷物が盗られると思ってください。

対策としては、荷物を体に密着させて持つようにすることです。おすすめの方法は荷物を足元に置きながら、座っている椅子に肩紐などを通してロックしておくこと。座っている限り、ほぼ持って行かれることはありません。足元や隣の椅子、膝の上に置く方法もシンプルな対策となります。

4_3. ケチャップ詐欺

あまり聞きなれないトラブルですが、特にスペインのバルセロナで日本人をターゲットにした手口のひとつが「ケチャップ詐欺」です。 ターゲットにケチャップのような液体をかけて、親切に「拭き取ってあげる」と近付いて注意を引く間に、別の仲間が荷物や財布を盗んでいく手法です。

日本ではまず見かけない手法で、つい焦ってしまいますよね。対策としては話しかけられても無視をして、すぐにその場を離れます。その後、安全な場所でかけられた液体を拭き取ってください。決して口論はせずに、逃げることがベストです。

5. スペインでトラブルに遭ったらやるべきこと

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<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)

万が一に備え、トラブルに巻き込まれてしまった場合の方法も知っておきましょう。最悪を想定して準備しておくことで、「自分には対処できる」という心理的な安心に繋がります。

5_1. 警察への連絡

盗難などのトラブルにあった場合は、現地の警察へ連絡して盗難届けを出します。すぐに犯人を捕まえたり、盗品を回収したりすることは期待せず、書類だけ作ってもらいます。警察では待たされたり、たらい回しになったりすることも覚悟しましょう。

クレジットカードやスマホの場合は契約先に停止を伝え、海外保険会社に連絡をしてください。

5_2. 救急連絡

スペイン国内では警察・消防・救急を一括して「112番」が救急連絡先です。負傷した場合や強盗は速やかに救急連絡をしましょう。 電波が通じれば、SIMカードなしでも無料で通話できます。

電話をしたら、自分の居場所や状態を簡潔に伝えて早急に来てもらいましょう。 言語はスペイン語が基本ですが、エリアによっては英語・フランス語・ドイツ語に対応する場合もあります。

5_3. 在スペイン日本大使館

パスポートのトラブルには、大使館や領事館で手続きをする必要があります。盗難の場合は飛行機に乗れず帰国できないため、再発行を優先しましょう。ただし、日曜祝日と営業時間外は基本的に対応できないため、パニックにならないように。

トラブルに対処に迷った場合は、一旦大使館や領事館から助言を受ける方法もあります。スペインに限らず、観光する都市の大使館や領事館は確認しておきましょう。

参考:在スペイン日本大使館ホームページ(外部サイトへ遷移します)

5_4. 緊急時の表現(日/英/スペイン語)

緊急時の表現をメモしておくと、パニックにならずに安心です。アプリやWebサイトで日常会話と一緒に事前に学んでおくことがおすすめ。大都市では英語も通じやすいため、英語の表現も覚えておくと良いでしょう。

  • 緊急事態です。 / This is an emergency. / Tengo una emergencia.(テンゴ ウナ エメルヘンシィア)
  • 警察を呼んでください。 / Call the police. / Llama a la policia.(ジャマ ア ラ ポリシィア)
  • 救急車を呼んでください。 / Call an ambulance. / Llama una ambulancia.(ジャマ ウナ アンブランシィア)

まとめ:スペインでは防犯対策をすれば問題なし

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<写真はイメージです。Photo by M. R. on Unsplash

スペインは軽犯罪を中心にトラブルが多発していることから、近隣国と同様にしっかりと防犯対策をした上で訪れていただきたい国です。 筆者もスペインで暮らす前は治安に関する記事を読み漁り、不安になっていました。

しかし、事前の準備や対策次第で、トラブルなく観光や買い物ができたことも事実です。 ポケットには何も入れず、時にはカバンを前に持って移動する。少々面倒ですが、トラブルに巻き込まれずに旅行を楽しむために大切なことです。

せっかくのスペイン旅行ですから、トラブルへの対策を行いつつ旅を満喫してみてくださいね。

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蓮池ヒロ

水陸写真家。風景・ポートレートなど様々な被写体の自然な姿を撮影している。現在は沖縄在住で、来年よりバルセロナを活動の拠点とする。過去にバルセロナとバレンシアに短期移住経験あり。

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