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幻の名車が間近で見られるミラノ郊外のアルファロメオミュージアム

記事投稿日:2020/03/20最終更新日:2020/03/20

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ミラノ近郊の町「アレーゼ」には、アルファロメオの本社と博物館があります。ミラノの中心部からおよそ40分で行けるため、ミラノ滞在中の観光スケジュールに組み込みやすいのが特徴。歴代の名車はもちろんのこと、最新のモデルを見ることができるショールーム、カフェ、ブックショップもあって、アルファロメオファンならずとも工業デザインや車が好きな方はたっぷり楽しめる施設です。

目次

1. ところでアルファロメオってどんなメーカー?

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アルファロメオが車のブランドであるということは日本でも広く知られていると思いますが、意外と知られていないかもしれないことがあるかもしれません。

まず、ミラノが本拠地であるということ、1910年に「ロンバルダ自動車製造株式会社」を前身として生まれたということ、「アルファ」は、そのロンバルダ自動車製造株式会社のイタリア語表記「Anonima Lombarda Fabbrica Automobili」の頭文字を取っている(A.L.F.A.)ということです。

そして、1930年に「アルファ ロメオ(Alfa Romeo)」という社名になりました。これは、エンジニアであり実業家でもあったニコラ・ロメオが株式を買い取り、A.L.F.A.に氏の名前を付けた形となります。1920年頃より、自動車レースに参加したアルファロメオはイタリアを代表するレーシングカーメーカー、自動車メーカーとして成長して今に至ります。

イタリアのスポーツカーというと、多くの方が思い浮かべるのはアルファロメオではなく、フェラーリかもしれませんね。実は、フェラーリの創設者エンツォ・フェラーリはアルファロメオのレーシングカー部門の責任者だったのです。

アルファロメオから独立してフェラーリとしてレースに参加し、アルファロメオに勝利した際のことを、エンツォが自著に「私は自分の母親を殺してしまった」と記しました。この言葉は、今でも自動車史の中で大きな名言として残されています。母親をとても大事な存在とするイタリアにおいて「母親を殺す」という表現がいかに重く、深くて辛いものか察することができるのではないでしょうか。

2. アルファロメオのエンブレム

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アルファロメオのエンブレムはとても特徴的です。十字と人を呑み込む蛇(ドラゴンとも)。これはミラノ市の紋章とミラノに所縁のある、名門ヴィスコンティ家の紋章を組み合わせたものです。こちらのエンブレムは、車ファンの中では「世界一美しいエンブレム」という声もあるほど凝ったデザインとなっています。

確かに、他の車ブランドでこんなデザインのエンブレムは見かけませんね。この蛇は「ビショーネ」と呼ばれています。アルファロメオのアクセサリーの中には、このビショーネをモチーフにしたデザインのものもあり、キーホルダーやステッカーだけでなく、ぬいぐるみまで存在します。

ちなみに、呑み込まれている人はアラブ系遊牧民「サラセン人」で、アルファロメオのエンブレムの説明をする際には「赤い十字とサラセン人を呑み込む蛇の紋章」という言い方をすることが多いです。

3. アルファロメオミュージアムがあるアレーゼへの行き方

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アレーゼへ向かうには、ミラノ中心部から地下鉄M1線に乗って「RHO FIERA(ロー・フィエラ)」駅(終点)まで行きます。その後、駅からバスでArese(アレーゼ)行き561番のバスに乗ります。乗るときに「ミュゼオ アルファロメオ」と、バスの運転手さんに一声かけておきましょう。なぜかというと、イタリアのバスはハッキリしたバス停留前のアナウンスがないのです。

しっかり外の様子を見ていれば降りるタイミングはなんとなくわかると思いますが、念のため運転手さんの近くに座っていると安心です。

4. エントランスからミュージアムを目指す

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バスを降り、歩いて進んでいくと標識が見えてきます。結構な距離を歩かないとミュージアムまで行けません。赤いオブジェのような渡り廊下が目印です。

受付では、入場料12ユーロ(2020年1月現在)を払います。その時にパンフレットをもらえるのですが、日本語のものもありました。私が行った時にはイタリア人しか見かけませんでしたが、日本からの来場者も多いのかもしれないですね。

5. 出迎えてくれるのは「1965 2600 SZ Special by Zagato」

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「1965 2600 SZ Special by Zagato」は、現在でもヴィンテージ車市場で3,000万円近い金額で取引があるという名車です。現存しているものは世界に60台程度といわれていて、いきなり現れる幻の名車にテンションが上がることでしょう。

ボンネットを止める部分がレザーベルトなところやポッテリしたルックス、華やかなレモンイエローが可愛いですね。イタリアの街にさぞ映えたことでしょう。どの辺りを走っていたのか、考えただけでもウットリしてきます。やはりイタリアの街にアルファロメオはよく似合います。

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こんな風に模型を作り込んでいくのですね。塗装のイメージやバランスを見るためだそうですが、この状態を見ることができるのもミュージアムならではの楽しみです。現行モデルのショールームでは、こういったものは見られません。アルファロメオのデザイン力、技術力を誰もが納得することができる展示が盛りだくさんです。

6. 夢と憧れが詰まったクラシックカー・レーシングカー

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「ミッレミリア 」というイタリアの自動車レースをご存知でしょうか。1927年から1957年にかけて開催されたイタリア公道を走るレースで、1,000マイル(mille miglia / ミッレミリア =1,600キロメートル)を走ることから名付けられた歴史あるものです。

イタリアのみならず、イギリス、ドイツ、アメリカなどの名だたる自動車メーカーが参戦し、華やかで輝かしい歴史を背負って名勝負を繰り広げてきました。1957年にフェラーリが観客を巻き込む大事故を起こし、残念ながら翌年以降レースは開催中止を命じられてしまいましたが、20年後にはタイムトライアル式のクラシックカーレースとして復活します。

戦争などの理由により開催されなかった年もありましたが、元祖のミッレミリアレースは24回開催され、その中でアルファロメオは11回優勝しています。他のどのメーカーよりも優勝回数が多いのが、アルファロメオなのです(ちなみに2番目は8回優勝のフェラーリ)。このことからも、イタリア車はアルファロメオの存在なくして語ることはできません。

7. イタリア工業デザインの父、ジウジアーロのデザイン

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映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場する時空を駆ける車「デロリアン」。そのデザインをしたジウジアーロ率いるデザイン集団が「Italdesign(イタルデザイン)」です。イタリア工業デザインの父と呼ばれるジウジアーロのデザインは多岐にわたり、カメラ(ニコン)や、はかり(大和製衡)など日本のメーカー品にも優れたデザインを提供しています。

現在イタリアを走る電車にもジウジアーロのロゴが入っていますが、ジウジアーロがもっとも得意とするのは、やはり車のデザインと言えるのではないでしょうか。それを証明するような優れたデザインの名車が揃っていますが、アルファロメオの中だと「ジュリアスプリントGT」や最近の「アルファロメオ159」が有名で、上の写真の「イグアナ」は、ロゴデザインにまでこだわりが詰まったスペシャルな一台です。

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「イグアナ」ロゴのデザインはあえて載せていませんので、ぜひどんなデザインか楽しみに予想しながら、アルファロメオミュージアムを訪れてみてはいかがでしょうか!?

8. 子供も大人も楽しめるミュージアムの各施設

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エレベーターホールの部分に設置された、アルファロメオ歴代ミニカーコレクションは圧巻です。私がここを通った時には、先にエレベーターのボタンを押していたであろう家族連れの小さな男の子が、ミニカーコレクションの鑑賞に夢中になっていました。なかなかエレベーターに乗ろうとしないので、結局私だけがエレベーターに乗って移動するという場面も。

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この不思議な丸い物体は、ムービー鑑賞ルームです。静かに集中してビデオを観ることができそうですね。

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4Dシアターでのショートムービー鑑賞も、忘れずに楽しんでいってくださいね。実は4D初体験だった私ですが、ちょっと席が動くぐらいかなと思っていたのが大間違いで、激しく揺れ動く座席にびっくりしすぎて半笑いが止まりませんでした。

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シートも本格的なのがさすが!レーシングカーのシートに使われるsparco社製のシートです。高いものだと100万円を超えるというシート......。一度は座ってみたい、と思ってしまいますよね!

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このメガネをかけてムービーを鑑賞します。凝ったデザインなので、お土産に持って帰る人もいました。

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4Dなので時々演出で水がかかったり風が吹いたりするのですが、結構な量の水がかかっていたということが、上演終了後に分かりました。ムービーを見ることによって、レースに参加したかのような感覚を味わえることと、車の楽しさを感じることができます。家族みんなで楽しみたいコーナーですね。

食事を楽しめるコーナーも

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たっぷり車の鑑賞を楽しんだあとは、ランチタイムです。軽食もありますが、ガッツリ食べたい人にも満足できそうな食堂メニューもありました。カフェに入ってすぐの側のカウンターが軽食や飲み物、裏側は食堂メニューのコーナーです。

私はハムとチーズのパニーニを食べたのですが、素朴な味で美味しかったです。お値段はパニーニが6ユーロでカプチーノは1.7ユーロ(いずれも2019年1月取材時点)なので、ちょっと高めかもしれませんね。

徒歩圏内にはヨーロッパ最大のショッピングモール「IL CENTRO(イル・チェントロ)」があり、200の店舗と25のレストランが入っていますので、ミュージアムではお茶だけ楽しんで、そちらでランチをしてもいいですね。色々選択肢が広がります。

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お楽しみはブックショップ。お土産に最適なボールペンやステッカー、マグネットをはじめ、純正パーカーやTシャツ、コレクターズアイテムまで揃うラインナップは見ているだけでも楽しい!ですが、確実に欲しくなります。

私も自分へのお土産用とアルファロメオに乗っている友達へあげるお土産を探した結果、トートバッグとボールペン、マグネット、ステッカーなどを買いました。

アルファロメオミュージアムは、名車を間近に見られるだけでなく、各種コーナーにお土産と、ついつい長居してしまう空間でした。アルファロメオファンはもちろん、車が好きな方、デザインが好きな方であればぜひ訪ねてみてください。

基本情報

  • 名前:アルファロメオ ミュージアム(Museo Alfa Romeo)
  • 住所:Viale Alfa Romeo, 20020 Arese MI
  • 公式サイト:https://www.museoalfaromeo.com/

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