「列車内で食事をする」。食を楽しむ観光列車のお話

車掌かんちゃんです。今回は「列車で食べる」ということが旅の目的となっており、地場の食材を中心とした料理が提供されるグルメ列車のお話です。

目次

信州の魅力(風景と食事)をいっぱい乗せて走る

2014年7月11日より軽井沢~長野で運行されているのが、しなの鉄道の「ろくもん」です。車窓からは標高2,568mの浅間山の雄大な姿や、小さくですが、真田家の居城、上田城が望めます。また、並走する千曲川の流れを眺めることができます。軽井沢駅を発車すると、料理の提供が始まります。

>しなの鉄道「ろくもん」の詳細はこちら(しなの鉄道公式HPへ)

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軽井沢のジャム専門店「沢屋」が経営するレストラン「こどう」が提供しています。

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東御市の「アトリエ・ド・フロマージュ」が提供しています。
食材は「地産地消」の考え方のもと、蓼科牛、信州リンゴ、佐久五郎兵衛米など、沿線地域の味覚を積極的に取り入れています。同じ食材でも、地上の建物内で食べるのと列車内と食べるのでは味が違うことを実感しました。心地よい列車の揺れ、車窓に流れる景色も料理を美味しくしています。

沢屋(軽井沢バイパス店)

こどう 森の中のレストラン

アトリエ・ド・フロマージュ本店(ショップ・カフェ)

真田一族を一緒に乗せて走る

2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」のモデルとなったのが真田一族です。列車名「ろくもん」は真田一族の家紋「六文銭」から命名されました。列車をデザインしたのは、JR九州の「ななつ星in九州」をはじめ各地の観光列車のデザインで知られる水戸岡鋭治氏です。

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列車には六文銭がしっかり書いてあり、車両の色も、真田幸村が大阪の陣で赤い甲冑に身を包んだ「赤備え」と呼ばれる部隊を率いて戦ったことをイメージした濃い赤色になっています。
「ろくもん」では車内で頂ける飲み物も真田一族をイメージしており、真田信行の正室「小松姫」はウイスキーベース、真田幸村の長女「阿菊」は赤ワインベース、真田幸村の三女「阿梅」はブランデー梅酒のカクテルで、客室乗務員が考案しました。

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いざ合戦となると、すぐに討ち死にしそうな2人ですが、本職は「ろくもん」停車駅の上田駅の駅長さんと添乗員の私です。地域をアピールする演出で乗客も楽しめます。

都心の駅から、すぐ乗車

2016年4月17日より池袋~西武秩父、西武新宿~西武秩父で運行されているのが、西武鉄道の「西武旅するレストラン52席の至福」です。観光列車の多くが地方路線で運行されていますが「52席の至福」は東京のターミナル駅池袋、新宿から発車するのが、大きな特色です。

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列車をデザインしたのは、国立競技場や高輪ゲートウェイ駅をデザインした隈研吾氏です。
4両編成の車両には、行先である観光地秩父の四季を表現しており、1号車は長瀞の桜と芝桜の「春」、2号車は秩父の山の「夏」、3号車は秩父連山の紅葉の「秋」、4号車はあじがくぼの氷柱の「冬」を描いています。

>西武 旅するレストラン52席の至福の詳細はこちら(西武鉄道HPへ)
Facebook:https://www.facebook.com/seibu52.shifuku

52人分の料理が並ぶのは圧巻

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3号車はキッチン車両で大部分がオープンキッチンとなっており、料理の仕上げをする様子を目の前で見ることができます。揺れる車内で52皿に手際よく料理を盛付けていくのは本当にプロの技です。列車名にも「旅するレストラン」をかかげているように、季節ごとに有名店のシェフが監修した豪華なコース料理が提供されます。私が乗車した時は、ホテルインターコンチネンタル東京ベイ「イタリアンダイニングジリオン」の料理長阿部洋平氏の監修でした。

「食堂車」~贅沢な気分になれる憧れの場所~

撮り鉄だった私は、中学生の頃からブルートレインや東北線・上越線の特急列車を撮影するために新幹線やブルートレインに乗って東京に行っていました。その時、必ず利用したのが食堂車です。帝国ホテルには泊まれないけど、料理は食べたいとの思いから帝国ホテル列車食堂が運営する「ひかり号」を選んで乗ったり、ブルートレインに乗った時はお金を奮発して夕食と朝食を食べたのを覚えています。添乗員になって「北斗星」「カシオペア」「トワイライトエクスプレス」の食堂車を利用しましたが、いつも贅沢な気分になりました。

列車に乗り、心地よい揺れを感じ、景色を眺めながら食べる料理は格別です。
人間が生きていくうえでの基本「食べること」を日本各地を走るグルメ列車に乗って楽しんでみてはいかがですか。

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車掌かんちゃん

親からの最初の本は時刻表。いろんな列車に乗れて、給料ももらえるからと添乗員になりました。日本の鉄道路線、全て完全乗車の乗り鉄。住んでいる家も電車がよく見える線路沿い。鉄道が人生そのものです。

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