たびこふれ

開発目前!上海郊外のひなびた古鎮「金澤」へ行ってきました

記事投稿日:2020/02/15最終更新日:2020/02/15

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こんにちは!上海と言うと、中国一の経済都市、街はそびえたつ摩天楼、アジア随一の大都会のイメージですよね。しかし郊外に足を延ばすと今でものどかな上海エリアならではの水郷の風景が広がっている場所があります。中国語で昔ながらの集落を「古鎮(中国語ではグージェンと読みます)」と言いますが、上海の古鎮はたゆたゆとした水路に白壁黒屋根の低い建物が並ぶ景色が楽しめます。

上海の古鎮は、地下鉄でも行ける「七宝(チーバオ)」や「朱家角(ジュージャージャオ)」が有名で、旅行サイトやガイドブックでも目にしますが、今回ご紹介するのは「金澤(ジンズー)」。この「金澤」、最寄り地下鉄駅はありません。ええっ!?ならアクセスが良くないのでは...と思いきや、上海の市内から出ている定期高速バスで行けるんです。

そして筆者が一番強調したい金澤の魅力ポイントは「まだ開発が進んでいないこと」。地下鉄で行けるようになった上海の古鎮は、観光客の増大につれ、どんどん商業化が進み、かつては最後の秘境的扱いだった「朱家角」も、地下鉄で行けるようになり、今では欧米カフェチェーンも出店、夜は川沿いにバーが並びます。それもそれで現代とマッチした古鎮の在り方ではあるものの、とことんひなびた、飾りっけない古鎮の姿も魅力的です。

ではでは、上海の古鎮・金澤の魅力をお伝えしていきます!

目次

<1. 金澤へのアクセス>

<2. 金澤名物を売るお店で「米糕」をお買い上げ>

<3. 金澤のひなびた茶楼「状元古楼」>

<4. 上塘街の南エリアには見どころ集中>

<5. 大イチョウが見事な颐浩禅寺>

<6. 水路にかかる数々の橋>

<7. 下塘街は非公開なれど希少なスポットが点在>

<8. ランチは水郷名産の蒸し魚をメインに>

<9. お土産に買った「趙家香干」>

<10. 上海戻りのバスではちょっとドキドキ>

<11. ひなびた金澤はまた行ってみたい場所>

1. 金澤へのアクセス

上海市内から金澤へは定期高速バス「沪商高速専線」で行きます。こちらがバスの乗り場です。始発の停留所名は「淡水路長楽路」。地下鉄1号線「黄陂南路」駅三番出口から徒歩3分の位置にあります。

高速バス1.jpg

バスの外見も内装も上海市内を走る通常の路線バスと変わらない趣ですが、座席にシートベルトがついているのが高速バスの証。高速道路を走る際は乗客は全員シートベルトの着用を求められます。乗ったらすぐにしめておくといいですね。

高速バス.jpg

席に着くと車掌さんが回ってきて行き先を尋ねます。「金澤(ジンズー)」を答えるか、紙に「金泽」と書いて見せればOK。運賃は11元です。運航スケジュールは午前中上海市内発ですと、6:00,7:10,8:30,9:40,11:20の便があります。1日9本出ています。

バスに乗り、小一時間ほど経つと、金澤に着きます。乗客のほとんどが始発の「淡水路長楽路」から乗り、「金澤汽車站(金澤バスターミナル)」で降ります。

1.1 金澤古鎮の位置とざっくりマップ

金澤古鎮の位置ですが、上海の西部、青浦という場所にあります。上海市内よりも江蘇省蘇州や昆山の方が近いです。羽田-上海線が就航している上海虹橋空港から西に位置し、地図で見るとかなり遠いのですが、今回小一時間ほどで到着しました。

金澤古鎮のざっくりとした配置図は以下です。

金澤地図.jpg

南北に流れる水路の東が上塘街、西が下塘街。東西を走る大通りである金渓路を境に北エリアと南エリアに分けられます。

2. 金澤名物を売るお店で「米糕」をお買い上げ

高速バスを降りると大きな通り「金渓路」があります。金渓路の道沿いは特に土産物店などはありません。立ち並ぶ商店は地元の人が普段の買い物に使うお店ばかりです。写真に写っている状元楼酒店はこの辺りで最も大きなレストラン。金澤を訪れる観光客の多くはこちらで食事をすることが多い模様です。

金渓路.jpg

金渓路を東へ歩き、古鎮へ向かいます。その際、通りががったのがこの「金澤名産趙家香干」の看板を掲げたお店。

金澤名産.jpg

「香干(シャンガン)」とは押し豆腐のことを指します。趙家豆腐店は清の時代・1894年創業の歴史ある豆腐店。店内には押し豆腐、揚げ豆腐など各種豆腐が販売されていました。

押し豆腐.jpg

ここで筆者が目をつけたのが「米糕(ミーガオ)」という、平たいみっちりとした米粉蒸しパン。中にはあんこが挟まっています。素朴な外観に、触るとほんのり温かい。押し豆腐は量も多く、午後また来ても買えそうでしたが「米糕」は売り切れてしまうかも...と感じ、お買い上げ。

ミーガオ.jpg

3. 金澤のひなびた茶楼「状元古楼」

その後筆者が金澤に行ったらぜひとも行ってみたかった茶楼へ向かう事にしました。「金渓路」を左折し、かつての金澤のメインストリート・上塘街へ入り、ひなびた街並みを抜け...。

上tang街.jpg

搭汇橋という橋を渡ると、 こちらになんともひなびた茶楼「状元古楼」があります。

茶楼.jpg

この茶楼は地元の人たちの憩いの場となっており、午前中はお茶を愉しみ、午後は麻雀を楽しむ場所です。お茶はこのエリアらしい、緑茶の龍井茶(ロンジン茶)一択。 急須などの茶器もなく、ガラスのコップにパラパラと茶葉を入れ、お湯をそのまま注ぎます。ポットいっぱいのお湯を渡され、つぎ足し無制限。一人10元でした。

お茶.jpg

素朴なお茶、窓の外に広がる水郷の景色...。

茶楼からの眺め.jpg

時間を忘れてこのままここに一日沈没したい気分でした。笑

もっと腰を下ろしていたい気持ちも存分にあったのですが、お茶も景色も堪能したので、街散策がてら次なる目的地へ向かう事に。

4. 上塘街の南エリアには見どころ集中

次に筆者は、上塘街を南北に流れる水路沿いに南下していきました。今回の筆者にとって、最初にして最大の目的地が上塘街の北エリアにある茶楼でしたが、金澤全体で見ると、実は南エリアに観光スポットが集まっています。

金澤古鎮のメインの水路は南北に流れる金澤塘。そこには歴史ある古い橋がいくつか掛かっています。

橋.jpg

近年になって修繕された橋も多いのですが、創建をさかのぼると、古いものは宋の時代から、明、元、清の時代のものまであります。実はかつて金澤の水路にかかる橋はもっと多かったそうですが、近現代になり取り壊されたそうです。この後は橋をたどりつつ、水路に沿って南に進みます。一つ一つの橋の詳しい説明はまた以下にしていきます!

5. 大イチョウが見事な頤浩禅寺

上塘街南エリアの見どころの一つが頤浩禅寺。

お寺境内.jpg

頤浩禅寺は南宋の時代の役人・呂頤浩が建てた寺の為にこの名がつきました。呂頤浩の邸宅跡に建てたという説もあります。1260年創建。以前は現在よりももっと規模が大きく、名刹として栄えましたが、明の時代の内乱や戦乱で破壊され、今残っている建造物は1990年代になって再建されたものです。

境内には頤浩禅寺の境内に残る樹齢700年の大イチョウ。伝説ではインドから来た高僧が元の時代初期にこの寺に寄った際、植樹したイチョウと言われています。私が行ったときは紅葉間近と言う時期でした。この大木が黄金色に色づく姿をいつかは見てみたいです。

大イチョウ1.jpg

また同じく境内には「不断雲青石」と呼ばれる3面に異なる雲の模様が彫られた石があります。この石は元の時代の有名画家が頤浩禅寺に泊まった際、「不断雲」と言う絵巻物を描きました。この絵巻物には様々な形の雲が見事に描かれ、この雲の絵に感嘆した寺の和尚が石細工の職人に命じ、絵巻物と同じ雲を石に彫らせ、本堂前に安置したそうです。しかし清時代の火災により本堂が焼け、「不断雲青石」は焼け落ちた本堂の瓦礫の下に埋もれました。1992年の寺の再建時にこの石が発見され、以前の半分の規模で再建されました。

石1.jpg

颐浩禅寺

住所:海市青浦区迎祥街12号

6. 水路にかかる数々の橋

寺の参拝を追え、再び水路沿いに南へ進みます。水路にかかる特徴ある古い橋も金澤の見どころです。金澤はかつては「廟あれば橋あり、橋あれば廟あり」と言われたほど、橋と、そのたもとに廟(仏教や道教などの寺院)があったそうですが、どちらも時代の流れとともに姿を消しました。しかし、今でも一部の橋とそのたもとの寺院は残っています。

6.1 普慶橋

赤い欄干が印象的な木造の橋です。

普慶橋.jpg

この橋は元々この地にあったわけではなく、1999年、アメリカのTV番組の企画で架けられたものです。上海万博の中国館の目玉展示であった北宋時代の絵巻「清明上河図」の中で描かれていた橋を再現した橋です。支柱がなく、虹のようなアーチを描いた木造橋の構造を橋梁学者が分析し、北宋時代の工法を忠実に再現し作られました。釘を用いず木を組み合わせて造られています。

6.2 普済橋

創建は宋の時代・1267年。上海エリア最古の石造りの橋です。

聖堂橋.jpg

橋のたもとに聖堂廟という廟があるため、別名聖堂橋とも言います。橋の幅が狭く、傾斜が緩やか、アーチが広めなのは宋の時代の橋の特徴なのだそう。

明や清の時代に修復がされ、近年には1982年に修復。橋のアーチ下、中間部分に建造された宋の時代の年号「咸淳三年」と刻まれた石が残されているそうです。筆者、今回その石を探したのですが見つけられず。次回探します!その前にどなたか行かれた際に探してみてはいかがでしょうか?

6.3 放生橋

創建は明代。たもとに総管廟という寺院があり、この橋から功徳を積むために魚を放流したことから放生橋の名前になりました。清の時代に再建され、2001年にも修復されています。

放生橋.jpg

6.4 如意橋

創建は元の時代、明の時代に再建されました。橋のアーチが川面に映る姿がちょうど円形になりその景色が美しい橋です。

如意橋微信图片_20200106095523.jpg

6.5 迎祥橋

創建は元代。明代に再建、清時代と2000年に修繕がされました。迎祥橋は今回筆者が最も見たかった橋です。この橋には大きな特徴があります。写真をよく見てください・・・。

迎祥橋1.jpg

この橋には欄干がありません。これが元の時代の橋の特徴で、モンゴル族の兵が馬に乗って橋を駆け抜ける為に便利ということで欄干を設けていないといわれています。若干高いところが苦手な筆者。欄干がない橋に興味しんしんなものの、渡る際はちょっと怖かったです。笑

迎祥橋2.jpg

元朝の政策は宋の時代の文物は残す方針なこともあったため、金澤の橋や廟の建設は元の時代に多く作られたそうです。 迎祥橋を渡り、対岸へ。そこから水路沿いに北上します。

7. 下塘街は非公開なれど希少なスポットが点在

迎祥橋を渡った対岸にあるスポットの多くは非公開でした。ただ、今後の成り行きでは公開されるかもしれません。ご紹介していおきます。

7.1 金澤工芸社

水路の西側・下塘街でひときわ目立つ大規模な中国風の邸宅。しかも邸宅は一軒でなく何件もあるのです。ホテル?レストラン?市民ホール?と気にしながら歩いていました。この規模ですから公開されていると思ったのですが、近寄ってみると門は固く閉ざされ、公開されていない様子。中から関係者らしい人が出てきたので尋ねると、「ここは個人宅です」との回答にびっくり!

金澤工芸社.jpg

年に一回、旧正月の時期に付近の住民向けにイベントを催す際に一般公開したり、夏休みの時期に児童教育の会社が主催するサマーキャンプが開かれるそうですが、普段はオーナーと招待を受けた者だけが入れるプライベートな場所なんだそうです。噂によると華僑が土地を購入し、10年かけて各地から歴史ある建築を移築し、所有しているとか。これには驚きました・・・。いつか通年で一般公開されるかもしれません。写真の右側一帯が「金澤工芸社」です。

7.2 ミシン工場跡

ミシン工場.jpg

ここも非公開。かつて上海のみならず、中国を席巻した上海ブランドのミシン工場跡があります。門のすき間から中を伺ってみましたが、観光スポットとして公開するにはまだ修復が必要な状態です。地域の工業遺産に指定されています。

ミシン.jpg

かつて上海ブランドのミシンは中国全土で人気の一流ブランドでした(※注意上海ブランドのミシンには工場がいくつかあり、この写真のミシンが金澤のミシン工場と関連があるかは不明なため、イメージとしてここに掲載します)。

そのほかこの付近には、民国初年築の陳家の備蓄倉庫もありました。現在民家となっている様子で非公開。この付近には陳家码头(码头は埠頭の意味)と呼ばれる埠頭があり、陳家が金澤の船の輸送で有力な勢力であったと推測されます。

7.3 番外編:裏路地を進んでいくと...地図にも載っていない城隍廟

筆者は街歩きが大好きで路地裏探検が趣味なのですが、ここ金澤でも路地裏をちょこちょこ探検。手書きで城隍廟と書かれたなんとも素朴なスポットを発見。

城huang廟.jpg

入ってみると、規模は小さいのですが、付近の住民による参拝が絶えない廟であることが感じられました。

城huang廟1.jpg

上海随一の観光スポット「豫園」を皆さんご存知かと思いますが、上海人は「豫園」エリアを豫園とは呼ばず、豫園庭園に隣接する「城隍廟」と呼んでいます。「城隍廟」は街の守り神的な存在。この城隍廟は金澤を守っている神様の場所なのですね。

8. ランチは水郷名産の蒸し魚をメインに

たくさん歩いてお腹もすきました。実はちょこちょこと最初に買った米粉蒸しパン「米糕(ミーガオ)」を食べていたので、お腹が極度に減ったという事はなかったのですが、やはり食事はしっかりしたいところ。 今回ランチを食べたのは金渓路を少し入った場所にあるレストランです。

金澤付近にある湖・淀山湖で捕れたという魚・白丝鱼を蒸した料理、野菜炒め、スープを頼みました。白丝鱼は中国内陸部で食べられている淡水魚で、泥くささがまったくなく、ふわっとしてきめ細かな身がとてもおいしかったです!細かな骨が多いのでお子さんが食べる際は気をつけてください。

ランチ2.jpg

追加で名物趙家の押し豆腐もいただきましたよ。上海エリアの料理は甘い味付けが多く、覚悟を決めて食べたのですが、しょっぱめで好みでした。

ランチ1.jpg

このお店はご飯のボリュームが多く、お腹いっぱい食べられ大満足ランチでした。

9. お土産に買った「趙家香干」

金澤到着後最初に寄ったお店で名産の趙家香干(押し豆腐)を購入。趙の文字が刻印されています。こちらは後日炒め物にして食べました。

趙家豆腐.jpg

またとてもおいしかったのが同じ店で買った「米糕(ミーガオ)」。むっちりした米粉生地、香ばしい香りと甘すぎないあんこがとても美味しかったです。苦みがあるロンジン茶のお茶請けにちょうどぴったりで、瞬く間に食べ終わりました。また金澤へ行く機会があったらぜひまた買いたい一品です。

10. 上海戻りのバスではちょっとドキドキ

上海市内への戻りのバスも同じバス停から出発します。
午後の金澤古鎮(金澤汽車站)出発時刻は13:13,14:53,16:13,17:13です。 到着時刻が迫るにつれて乗客が多くなります。

金澤バス.jpg

高速バスは安全上の理由から立ち乗りが不可です。自分が座席に座りきらなかったらまた次のバスまで待つかもしれない...とドキドキしましたが、乗車してみれば空席が数席出るほどの混み具合で済みました。 帰りも道路の流れは順調で小一時間ほどで市内中心部に到着。とても楽しい郊外散策でした。

11. ひなびた金澤はまた行ってみたい場所

金澤古鎮のひなびた風景は、上海に住んで8年以上になる私にもとても新鮮。また行ってみたい場所になりました。 一方で今回散策しながら、ツアーの団体客に遭遇したり、古い建築への修繕が進んでおり、金澤が商業化された観光スポットになるのも時間の問題のように感じました。本格的な開発が始まる前のひなびた風景を見られるのもあとわずかかもしれません。ぜひお早めに足をお運びください!

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記事投稿日:2020/02/15最終更新日:2020/02/15

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