京のパワースポット!"表鬼門"を守る陰陽道の祖神『赤山禅院』と神々

紅葉の時期の京都はどこの名所も人、人、人、人でいっぱい。

今回紹介する『赤山禅院』さんは京都市内から少し離れた修学院に位置するからか、はたまた平日だったからか、古来から「もみじ寺」と呼ばれてきた紅葉の名所にしてはそれほど人は多くなく素敵な紅葉を独り占めできました。まさにオススメしたい『穴場』です!

目次

京の紅葉を独り占めできる「穴場」

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平安京の東北にあり"表鬼門"に当たることから、本尊『赤山大明神』は京都御所の表鬼門の鎮守として祀られてます。平安時代の仁和4年(888年)に建立された天台宗総本山延暦寺の塔頭のひとつで比叡山の峰々を毎日数十km、7年間かけて巡礼する天台宗随一の荒行「千日回峰行」の拠点としても知られます

社殿から少し奥まったところに出世祈願をする「弁財天」さまが祀られてます。

出世弁財天さまの前には「赤山禅院の十六羅漢と三十三観音」が鎮座されて様々な色の落葉を綺麗にまとってらっしゃいました。様々なお顔の羅漢さんと観音さまをお一人お一人拝見していると、石仏マニアの私はとにかくテンション・マックスで一人ほくそ笑んでおりました。とにかくお一人お一人素敵なご立派なお顔をされておりました。

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弁財天さまを過ぎ、順路通りに歩いていくと『寒桜』が満開で紅葉と桜の今しか見れない素敵なコラボレーションを経験できました。

赤山大明神と表鬼門除けの猿

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『赤山大明神』は、唐の赤山にあった中国五名山の中でも筆頭の泰山府君を勧請したもので、日本では、陰陽道の祖神(おやがみ)となり古来より信仰を集めてきました。

また泰山府君とは、仏さまの守護神である十二天のひとり焔魔天の眷属であり、地獄を統べる10人の裁判官(十王)のひとりでもあることから地蔵菩薩信仰がここでも行われていたそう。

陰陽道では北&西は陰、東&南は陽とされその境目である東北と西南は、それぞれ表鬼門(東北)、裏鬼門(西南)と呼ばれるそうです。「表鬼門」を守護する赤山禅院の大門をくぐり山道を上がってすぐの総社殿の屋根には、本来ならば鬼門除けの神猿が檻に入っておられるのですが私がお参りした日は屋根から降ろされ檻から放たれた状態で、なんと間近で拝見でき御幣とかぐら鈴を持ち社殿の隅に鎮座されてました。京都御所の東北の角にある猿ヶ辻や、滋賀県大津市の日吉大社にも鎮座されている鬼門除けの神猿(まさる)同様に御所の北東から入ろうとする鬼から京都御所を守ってくださっているお猿さんです。

全国の『七福神めぐりの発祥』とされる『都七福神』のひとつ、福禄寿の寺

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七福神信仰は、室町時代に京都から次第に各地へ拡がっていったと言われています。日本最古の『都七福神』は、ゑびす神―ゑびす神社、大黒天―松ヶ崎大黒天、毘沙門天―東寺、弁財天―六波羅蜜寺、福禄寿神―赤山禅院、寿老神―革堂、布袋尊―萬福寺。御朱印を戴いた時に聞いた話によると、ゑびす神社以外は全て神仏習合だということです。

その中でも福禄寿の寺である『赤山禅院』は万物の命運を司ると言われており幸福・高禄・長寿の三徳を願えるそうです。

『五十(ごと)払い』『ごとび』風習の発祥で商売繁盛の寺、福みくじ

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『五十(ごと)払い』の風習の始まりとなった寺で商売繁盛の御利益があると言われてます。

「申の日」の5日に赤山禅院を参拝すると吉運に恵まれ商売繁盛になると評判になり江戸時代には「赤山さんは掛け寄せ(集金)の神さんやなぁ」と言われるようになったらしいです。

そういや、幼い頃から「五十日」は関西では「ごとび」と呼ばれ、一般に毎月5日、10日のことをこう呼んでました。昔から商売ではこれらの日に決済を行うことが多く「五十払い(ごとばらい)」といわれる商習慣となり、現在の「五十日」につながっています。一般車両が混んでいる時によく「今日は『ごとび』やったかいなぁ」と集金に忙しい人達の車の渋滞を見て言ったもんです。

ここのおみくじは一つ、一つ手書きの顔をされた福禄寿の形をしたもので35年程前に先代のご住職が考案し、長野県松本市のこけし職人さんが手がけているとのこと。これ!と思った顔をお持ちの方をお選びくださいとのことでした。

縁結びの『相生社』と鬼門方除の神を祀っている『金神社』

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福禄寿の社殿を後に少し進むとその奥には『金神社』の文字が!

「お金」に関する神社かと思いきや、なんとなんとそこは鬼門方除の神様である「金神」さまを祀っており、北斗七星信仰や聖天信仰と関係していると教えてもらいました。

「艮の金神さま」がいらっしゃる方角へは最強の祟り神がいるとされているだけでなく、かなりのパワースポットだと教えてもらった通りでした。そこに立っているだけで少し息苦しく感じながらもしばらくパワーをチャージしていると何かウチから暖かいものがこみ上げてきて気分が高揚し始めました。

そこから下っていくと、夫婦和合の「歓喜天」、縁結びの「相生社」など、いくつかの末社が並んでおり、特に相生社では可愛い絵馬も!ここにある鳥居を二人で手をつないで潜ると結ばれるとかなんとか...

その他、滝行や護摩焚き供養が行われるお不動さまのいらっしゃる社殿や大きな池など、目の保養だけでなく多数の神様や仏様に触れることができる素敵な『赤山禅院』でした。

基本情報

  • 名称:皇城表鬼門 比叡山延暦寺 『赤山禅院』
  • 住所:京都府京都市左京区修学院開根坊町18
  • 電話番号:075-701-5181(赤山禅院)
  • 拝観時間:9時~16時半(無料)
  • アクセス:
    ・地下鉄烏丸線 松ヶ崎駅下車、タクシー7分
    ・叡山電車 修学院駅下車 徒歩20分またはタクシー5分
    ・市バス 5、31、65系統 修学院離宮道 下車/北8系統 修学院道 下車 徒歩15分
  • HP:http://www.sekizanzenin.com/index.html

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RICA NAKAJIMA

京都生まれ&育ち。世界各地をバックパッカー周遊しながらロンドンに6年、ニューヨークに10年以上滞在。日本のコアな伝統文化や神社仏閣、世界の文化芸術、史実関連を中心に新聞・雑誌などで執筆。また経験に基づく“陰謀説”系の電子書籍出版もあり。ジャーナリストのほか、写真映像家、YouTuber、NY州不動産ブローカー、音楽プロデューサー&イベンター、ヒーラー、日本庭園師などマルチに活躍中。

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