たびこふれ

【メキシコ】グアナファトのミイラ博物館が私たちに教えてくれること

記事投稿日:2020/01/10最終更新日:2020/01/10

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こんにちは!元世界史教師のまえてぃーです。日本もすっかり肌寒い季節になりましたね。

さて、今回ご紹介したい場所は。。。メキシコのグアナファトという街にある世界でもとってもとっても珍しい「ミイラ博物館」です!!

メキシコというと思い浮かぶのが「死者の日」ではないでしょうか。日本でいうお盆のようなこの死者の日は、街中の人々が顔にガイコツのメイクをして死者を迎えて一緒に楽しむ!というとってもユニークで明るいイベントです。

映画、リメンバーミーのモデルとなったことでも有名で、もちろんまえてぃーも映画のロケ地となった1つ、ここグアナファトにもやってきました。

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<カラフルなグアナファトの街並み>

が、今回ご紹介したいのは「ガイコツ」についての歴史、ではなく、「ミイラ」についての歴史スポットです!!

それでは行ってみましょう!

目次

丘の上のミイラ博物館へ

ミイラ博物館は通称「MOMIAS(モミアス)」と呼ばれ、街の中心地から徒歩約30分で行くことができます。丘の上にあるので体力的にキツイ方はバスも出てるようですよ。

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<緩やかな坂を上ながら見る景色に心奪われます>

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<住宅街を通るとカラフルな世界に飛び込めます>

そんなキレイな街並みと、どこからでも挨拶をしてくれるメキシコ人たちにお世話になりながら歩いていると、あっという間に「ミイラ博物館」に到着します。

なぜメキシコにミイラ博物館が?

ミイラ、と聞くとエジプトをイメージする人が多いと思います。

まえてぃーも教師の頃、エジプトのミイラについて何度も生徒に教えました。その時に、ふと気になって「ミイラの作り方」を調べたことがあります。

まず、エジプトのミイラというのは、「死者の死後も魂が続くように」という宗教的概念のもと生み出された埋葬方法です。出来る限り今の状態のまま保存したいので、遺体が腐ることを防がなければなりません。腐りを防ぐ、つまり腐りの元となる臓器を取り出し乾燥させる必要がありました。ので、脳・臓器・血液などを取り出し遺体を乾燥させる。そして、形が崩れないように体内に詰め物をしたり、防腐剤となる薬剤をかけたりして完成させたようです。

つまり、ミイラづくりのキーワードとなるのはズバリ"乾燥"!!

そして、このメキシコのグアナファトという街はなかなかの高地にあり、とっても乾燥地帯なんです。まえてぃーもリップクリームとニベアクリームが手放せないほど顔が、身体が、パリッパリになっていました。

そんなグアナファトでの一般的な埋葬方法は「土葬」でした。

土葬とは、遺体をそのまま土の中に埋めること。土葬であることと、乾燥地帯であることにより、自然と土の中に埋葬された遺体はわざわざ乾燥させる必要もなくミイラ化するようになっていたんです!

100体以上のミイラが並ぶ!

チケット売り場もミイラ仕様。

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中はミイラが案内してくれます。

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ミイラの案内に沿って中に入ると想像以上の驚きが私たちを迎えてくれます。

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なんとも躍動感のあるミイラたちがズラッと並んでいるではありませんか!!

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その顔立ち。髪の生え際。肩のライン。手の形。靴を履く姿。

そのどれもが言葉では言い表すことができない感情。"圧倒"という言葉が一番ふさわしいのではないかと思います。

先にもお伝えしたように、ここに置かれているミイラたちは、意図的ではなく、埋葬、つまり自然発生的に生み出されたミイラたちなのですが、ではなぜ展示されているのでしょうか??

それには少々複雑な理由があります。

当時、お墓を作る場所には税金がかかりました。しかし、それを払えない人々は同じ境遇の人々を集めて埋葬する場所か、税金がかからない場所にこっそりと埋葬するしかありませんでした。

家族がいない人たちも少なくありませんでした。

そのように埋葬された人々が後に掘り起こされ、人々の注目を浴びるようになると、彼らを展示物としたミイラ博物館がスタートするようになりました。そして現在は100以上のミイラが展示されているのです。

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<掘り起こされた当時の写真>

奥に進むと赤ん坊のミイラがありました。

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可愛らしいドレスを身にまとい、両親との記念撮影をしている写真を見ると、彼らがどれだけ愛されていたのかが伝わり、悲しい気持ちにもなりました。

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こちらはまだ妊婦だった母親が亡くなり、赤ん坊も胎児のままミイラとなりました。世界で一番小さなミイラだそうです。

ミイラが私たちに教えてくれること

「興味と追悼」

どちらの言葉がふさわしいかを考えるのは意味はなく、まえてぃーはただ黙ってミイラたちを見つめていました。

しかし、たくさんのミイラたちが私たちに問いかけます。

あなたは今生きている??と

ネットでこのミイラ博物館を検索すると、「グロイ」や「閲覧注意」などの文言を見かけます。たしかにそうかもしれません。でも、このミイラたちは決して私たちを驚かせたり、怖がらせたりしません。

戦争や虐殺で、あらゆる拷問を受けたり、死ぬ間際まで苦しめられたミイラたちでもありません(中には苦しんで亡くなった方もいるかもしれませんが)。ただ、だまってその場所で眠っています。そして彼らには私たちと同じ「生命」が宿っていた。そして、今を生きる私たちは、彼らからたくさんの問いをもらうことができます。

生命の尊さや儚さ、人体の持つ不思議さと美しさ。色んな表情と感情をもつ自分自身。家族でミイラを笑いながら鑑賞するメキシコの家族。

「泣いては涙で地面が濡れて死者が滑ってしまう。だから笑うんだ。」

メキシコ人が教えてくれたメキシコ人の死生観が、博物館を出たあなたをクスッと笑顔にしてくれますよ。

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<"逃げろ~">

驚いたり感動したり考えたりする自分に、ぜひ会いに来てください。そして街に戻ったらそのカラフルな街並みを見ながら"サルー!"(スペイン語で乾杯)しましょう!!

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Museum of the Mummies of Guanajuato

  • 住所:Explanada del Panteón Municipal s/n Centro 36000 Guanajuato, GTO
  • 電話番号:473 732 0639
  • 営業時間:日~水曜9時~18時、木~土曜9時~18時30分

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