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実は派手好き!?エキゾチックでゴージャスなアルジェリアンファッション
皆さん、アルジェリア人のファッションは知っていますか?
黒いヒジャーブをまとうだけじゃないの?そもそもアルジェリア人を見る機会なんてない、そんな風に思う方が多いかもしれません。
実は、日本人以上にアルジェリア人は派手好き!家にいるときもアクセサリーは欠かさず身につけているほど。さらに広い国土ゆえ、地域の伝統衣装や何種もの部族の民族衣装がありますが、どれも豪華な装いのものばかり。今回は未だ見ぬアルジェリアンファッションの世界をご紹介します。
目次
本物志向多し!ゴールドを愛する者たち
日本で人気のあるアクセサリーといえば真珠やプラチナといった、爽やかでどちらかというと控えめな印象を持つジュエリーが人気です。
さて、ここアルジェリア国民の愛用ジュエリーといえば、ずばりゴールドです!
通りすがりの人々を見ても、アクセサリーはほとんどゴールド(シルバーゴールドを含む)。実はアルジェリアでは、街の至る所でゴールドアクセサリーのお店があります。資源が豊富なアルジェリアではゴールドも採掘ができるため、純金というのはそんなに遠い存在ではありません。
アルジェリア人はアクセサリーに関して本物志向の人が多く、特にゴールドは年齢に関係なく愛されているジュエリーです。女の子には幼い頃にピアスホールを空ける伝統があるため、小さな女の子でも耳にゴールドのピアスしている子がよくいます。
結婚するためには、新郎が新婦に指輪を贈るのは日本と同じですが、ゴールドのジュエリーもプレゼントすることがしばしば。
そんなゴールドアクセサリー好きなアルジェリア人、アクセサリーの重ね付けもすごく上手で参考になりますよ。
青い海が生み出した赤い秘宝
アルジェリアを旅すると、お土産屋さんなどでよく見かけるアクセサリーがあります。
それは珊瑚。アルジェリアの青い海や空とのコントラストが綺麗に映える珊瑚のピアスやネックレスがとても素敵なのです!ちなみに珊瑚の発祥地はここアルジェリアなど、地中海沿岸地域とされています。
日本ではなかなか馴染みのない珊瑚のアクセサリー。色や形など自然のままデザインされているものが多く、いわば一点物の世界。
この珊瑚のアクセサリーと組み合わせているのはパーツは、ほとんどが銀です。深みのあるシルバーに紅の珊瑚の色がとてもマッチしています。
アルジェリアにご旅行の際には、ぜひご自身のお気に入りの珊瑚アクセサリーを見つけてみてはいかがでしょうか。
魅惑のアルジェリアンメイク
それぞれの国にはその国民の顔立ちを引き立たせる異なったメイクがあります。
アルジェリア人女性はメイクするのが大好き!
日本人の最近のメイクは「抜け感」というワードがしっくりくるような、どこか自然でやりすぎないメイクが主流になっています。
アルジェリア人の主なメイクはというと、まったく反対で、アイシャドウからアイライン、長い自まつ毛に付けまつ毛をプラスした、ばっちりアイメイク。そしてアイシャドウのカラーグラデーションはアルジェリアンメイクの肝になります。
口紅はマットな質感がほとんどです。
ヨーロッパ人などは肌にファンデーションを塗らない人が多く、化粧品屋さんでもあまりファンデーションが置いてないことがありますが、アルジェリアではファンデーションもしっかりするのが定番ですので、化粧品屋さんにもちゃんと置いてあります。
元々の堀の深さにプラスした完璧なメイクは、アルジェリア人をさらに際立て、魅力的にさせています。
リアルアラジン!?一度は着たい伝統衣装
アクセサリーも煌びやかなものがたくさんあるアルジェリアですが、伝統衣装はというとアクセサリーに負けないほどの存在感があります。
いくつもの民族があり、広大な土地をもつアルジェリアには、それぞれの地域に伝統衣装があります。たとえば同じ民族衣装であっても地域が離れているとテイストが変わったりもします。
ほとんどの衣装にゴールドの刺繍や布が使われており、とても華やかな装いです。そのため、現地の結婚式などには自分の出身地域の伝統衣装を着て出席する招待客がたくさんいます。
これらの衣装は、人それぞれ好みの生地の色を選択し、オートクチュールのようにオーダーして作ってもらう文化が今もあります。もちろん街にはたくさんの衣装屋さんがあり、すでに仕上がっているものを購入することもできます。アラジンの世界のような、美しい衣装が手軽に手に入ってしまう国なのです。
ここでは伝統衣装の一部を紹介しましょう。
Karakou カラク(アルジェ)
こちらの衣装は首都アルジェ地域の伝統衣装です。
金の刺繍が入ったベストにサルエルパンツ(スカート)のスタイル。
実は日本でも知られているサルエルパンツとはこの衣装由来のもの。少し親近感が湧いてきますよね。
もちろん色は豊富にあり、帽子があったり、ベストの襟や袖のシルエットが異なるタイプもあります。
高貴な印象で、とてもエレガントですよね。
Boulasa ouahrania ブーラサ ウアハラニア(オラン)
続いてアルジェより西に位置する街、オランの伝統衣装。
まるでお姫様のような装飾が施された、縦のシルエットが綺麗なドレスです。
Robe naïli ナイリドレス(ブー・サアーダ)
アルジェから約200km南東にあるブー・サアーダという街の衣装です。
流れるようなレースが魅力的なこちらの衣装。フェミニンで上品な印象です。
Robe Constantinoise コンスタンチィーヌドレス(コンスタンティーヌ)
アルジェより東に位置する街、コンスタンティーヌの衣装です。
Aラインのゴージャスなドレスで、裾に縦長の刺繍があるのが目印です。
ベルベル族の衣装
ベルベル族とはアルジェリアの先住民です。広い国土ゆえ、同じ民族でも地域が違うと雰囲気が変わります。
melhfa chaoui メルフファ シャウウィ(シャウウィ)
アルジェリアの東に位置するシャウウィという地域のベルベル族の衣装です。
肩のデザインが印象的で、トップが少し長めなゆったりとした衣装です。
主に、小さな黒い石やビーズを通して作った長いネックレスと合わせて着ることが多いです。落ち着いた雰囲気のある衣装です。
robe Kabyle カビルドレス(ティージーウズー)
アルジェの隣町ティージーウズーを中心としたベルベル族の代表的なドレスです。
刺繍は赤や黄色、白など、カラフルな色使いで、ベースのカラーは黒、白、黄色の生地が多いです。
独特な色の組み合わせでアクティブで活発な印象を受ける、いかにも民族衣装な雰囲気がある可愛らしいドレスです。
robe bèrbère ベルベルドレス(ティージーウズー)
こちらもティージーウズーを中心としたベルベル族の衣装です。
控えめな刺繍を施した、シンプルめなドレスです。こちらの刺繍はベルベル族の象徴です。リラックス感のある、上品な雰囲気です。
男性用伝統衣装(アルジェ)
男性にも伝統衣装があり、やはり地域によってテイストは変わってきます。
こちらはアルジェの伝統衣装。帽子にベスト、サルエルスタイルです。
しかし街にある衣装屋さんに行くと、置いてある衣装はほぼすべて女性用のドレス。やはり男性より女性の方が伝統衣装を着る機会が多いようです。
まとめ
アルジェリアのファッションは想像以上に華やかなものだったのではないでしょうか。
特に伝統衣装に関しては、アルジェリア人女性ならば一張羅のように自分の出身地の衣装を1枚は持っています。
それぞれの出身地域を誇りに思いながらも認め合う、これがアルジェリアンファッションのモットーなのです。
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川面 朝美
- 神奈川県出身。旅行好きな両親のおかげで幼い頃から外国に行く機会があり、自然と海外に興味を示す。大学ではフランス文学科を専攻、アメリカとフランスでの語学留学を得て、異文化コミュニケーションの大切さを学ぶ。その後ファッション業界に就職したのち、日本で出会ったアルジェリア人と意気投合。2018年11月に結婚し、現在はアルジェリアの首都アルジェにて刺激的な毎日を送っている。趣味: ダンス、テニス、ジム、旅行