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【ロシア】チャイコフスキーではなく、チュコフスキーの博物館へ行ってみよう
皆さんは、チュコフスキーを知っていますか?作曲家のチャイコフスキーではありません。コルネイ・チュコフスキーです。
もし、チュコフスキーを知っているというのであれば、かなりのロシア通か、児童文学通か、児童に関する職業の人か、だと思います。
目次
チュコフスキーって、誰?
チュコフスキーは、ソビエトを代表する児童文学の作家です。「アイボリット先生(翻訳者によっては、アいたた先生)」を書いた作家で、ロシアの幼稚園では誰もが暗唱するので、ロシア人でチュコフスキーを知らない人はいないと言っても過言ではないと思います。日本でもチュコフスキーの作品は多数日本語に翻訳されています。もしかしたら、子供の頃に読んだあの本がチュコフスキーだったと気づく人もいるかもしれません。また、チュコフスキーは子供の語録を集めた「2歳から5歳まで」という本も書きました。
そんなチュコフスキーも前回のパステルナークと同じように、作家村と言われる別荘地帯のペレジェルキノに住んでいました。
どうやって行くの?
モスクワ西部のキエフ駅から国鉄に乗って20分ほどで、ペレジェルキノ駅に着きます。その後、歩いて20~30分くらいです。
私の前回の記事『近郊電車の国鉄に乗ってロシアの作家村にあるパステルナークの博物館へ出かけてみよう。』をご覧ください。
チュコフスキーの博物館
前回のパステルナークの博物館の近くにチュコフスキーの博物館があります。本当に近いので、あわせて見学するといいです。
博物館の敷地に入ると、靴がぶら下がっている不思議な木があります。これは、チュコフスキーのお話に出てくる奇跡の木と言われているものです。
そして、建物の中に入ります。開館時間内でもいつも鍵が閉まっているので、インターフォンを押してから中に入ります。
子供たちも学校の見学で来たりするので、混んでいるときは、少し外で待つ場合もあります。
中に入ると、2階から見学がスタートします。ロシア語、または、英語でガイドをしてくれます。2階は、チュコフスキーの書斎になっています。
よく見ると、鯉のぼり、羽子板、日本人形と日本のものがたくさんある部屋です。
チュコフスキーは、日本へ行ったことはありませんが、日本からチュコフスキーを訪ねる児童作家や研究者が多く、その人たちが来るたびに日本からお土産を持ってきたようです。
日本語に訳された本も展示されています。
書斎の隣は、図書室になっていて、部屋の一壁が全部本棚で本がぎっしりおさまっています。
チュコフスキーの末娘のマリアに読み聞かせをしている写真も壁にあります。チュコフスキーは、自分の末娘の成長とともに、お話を書いていましたが、末娘が結核になり11歳で亡くなりました。
末娘が亡くなった後は、児童向けの作品を書くのが辛くなり、作家研究をすすめました。チェーホフを尊敬し、チェーホフについての論文も書いたので、チェーホフに関する資料なども展示されています。
1階は、台所だった部分がちょっとしたお土産売り場になっていて、本やパンフレットなどが売られています。玄関を入って右は食堂になっています。
その奥の日当たりが一番いい部屋は、ノーベル賞作家のソルジェニーツィンをかくまった部屋です。ソルジェニーツィンとの思い出の品が展示されています。
ソルジェニーツィンについては、『2018年12月にオープン、ノーベル賞作家「ソルジェニーツィンの家博物館」』をご覧ください。
このように、同時代を生きた作家同士がつながりをもっていることもよくあります。質問があれば、質問をすると博物館の人が丁寧に答えてくれます。
夏の天気のいい日には、別荘の敷地内をゆったり散歩するのもいいです。
パステルナークの時と同様に、チュコフスキーのお墓もパステルナークと同じ墓地にあります。パステルナークのお墓の裏側に行き、少し歩くと、チュコフスキーのお墓があります。2人のお墓は近いので、墓地まで行ったら、一緒に見るといいでしょう。
チュコフスキー博物館
- 住所:Ulitsa Serafimovicha, 3, Michurinets, Moscow, 142783
- 営業時間:11:00~18:00
- 休館日:月曜
- 電話番号:8 (495) 593-26-70
- 入場料:200ルーブル ※写真撮影可
- HP:https://www.goslitmuz.ru/museums/dom-muzey-k-i-chukovskogo/
- 最寄り駅:国鉄 ペレジェルキノ駅
ペレジェルキンスコエ墓地
- 住所:Zelenyy Tupik, Moscow, 119619
- 営業時間:9:00~19:00
- 最寄り駅:国鉄 ペレジェルキノ駅
国鉄の時刻表
国鉄の時刻表はこちらで調べることができます。
モスクワの地下鉄を利用する際の注意
国鉄とは別ですが、モスクワ地下鉄を利用する皆さんに気をつけて欲しいことがあります。
地下鉄駅の入り口のドアは「押す」と「引く」の両方になっている所があります。そのため、押しても、引いてもドアが開くので便利です。しかし、このことによって、ドアが手前まで勢いよく戻ってくることがあります。自分の前に人がいて、続けて通るときは、ドアが開きっぱなしになっているので、逆に戻ってくることはありませんが、前の人との間隔が微妙に開いてしまった時に注意が必要です。
日本でのドアの感覚で、閉まりかけているドアの近くに近づきすぎると、手前に戻ってくるドアの場合、顔面を強打する恐れもあります。メガネをかけている人は、メガネを破損する場合もあります。すべてのドアがということはないのですが、時々、駅によってそういうドアがあります。前の人が開けたドアが開いているうちに通過できそうにない時は、ドアの戻り具合を見て、ドアに近づくといいです。
モスクワの地下鉄は博物館のように美しいので、移動中に写真なども撮って、旅の思い出が増えること間違いなしです。ちなみに、ソビエト時代は地下鉄内の写真を撮ることは禁止されていましたが、今は自由に撮ることができます。ラッシュ時には30秒~1分間隔、通常時も2~3分間隔でホームに列車が入ってくるため、渋滞知らずの地下鉄移動は観光にも便利です。人身事故も全くありません。モスクワ地下鉄はすべての座席が優先席です。観光中に、お年寄りや、小さい子供を連れた人が乗ってきた時は、席を譲るのがマナーです。
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チェブラーシカ
- 高校3年生の時に好きになったロシア。音楽、文学、歴史、美術、バレエ、料理、ロシア人気質などに興味をもちました。でも、ロシア語を専門に学んだことはありません。ロシアが好きでいろいろ知るうちに、2016年12月にロシア人男性と結婚し、2017年4月からロシアに住むことになりました。普通のガイドブックには載っていない情報をお届けします。