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海の幸だけじゃない!シチリアの山の食文化の魅力をご紹介
「シチリアは海に囲まれているからシーフードが美味しい」...確かにそうです。ですが、シチリア島の大自然、そしてエトナ山の恩恵を受けた肥沃な大地のおかげで、実は山の幸もとっても充実しています。今回は旅行本や雑誌などではあまりスポットライトが当たらない、山の食文化の魅力をご紹介します。
目次
山の食文化
地域差はあると思いますが、大まかに言うと、お肉やチーズ、きのこや様々な野菜、オリーブ、豆類などです。
新鮮な野菜やきのこで作ったアンティパストはどれも絶品。グリルやフリットなど、調理法はさまざまですが、どれも優しい味付けで素材本来の味を楽しめます。
シチリアのチーズといえば、代表的なのはリコッタチーズやペコリーノチーズ、カチョカヴァッロチーズなどです。熟成度や調理法などの違いにより、1種類で何度も美味しいチーズたちです。
お肉では特に、シチリアの土着種「ネブロディの黒豚」が非常に有名。エトナ山の北側に広がる、ネブロディ山脈地域で主に飼育されている黒豚で、Suino nero dei Nebrodi(スイーノ・ネーロ・ディ・ネブロディ/ネブロディの黒豚)と呼ばれます。広い敷地内でほぼ放し飼い状態で飼育される黒豚は、一般的な豚肉に比べて赤身の色が濃く、良質で甘みのある脂身が特徴です。
一時絶滅の危機に瀕したこちらの品種は、管理の上で飼育されている現在でもわずか2,000頭ほど。かなり希少な黒豚で、シチリア島内でもあまり出回りません。生ハムやサラミはもちろん、炭火で豪快に焼いたお肉も、機会を見つけて是非とも味わって頂きたいブランド豚です。
さて、このような山の幸を使った料理を、順番に見ていきましょう。
前菜(アンティパスト)
前菜の例をいくつかご紹介します。言うまでもなく、数多くある料理のごくごく一部です。
チーズとプロシュットの盛り合わせ。これとワインだけでも幸せですね。
自家製リコッタチーズ。この写真のリコッタは、その日の朝に作ったフレッシュなものです。あっさりしていて、なめらかな舌触り。いくらでも食べられそうです。そのまま食べるほか、オーブンで焼いたものもまた違って美味。
きのこのソテー、ひよこ豆の煮込み。素材の味を大事にするとはこのこと。シンプルで優しい味付けです。
忘れてはならない、自家製のオリーブ。
カチョカヴァッロチーズをのせたブルスケッタ。ワインとよく合い、ついつい手が伸びてしまいます。
プリモピアット
よく出されるプリモの例を2つご紹介します。
1つ目は、シンプルなトマトソースのマッケローニ。全国的に、マッケローニは穴のあいた筒状のものが主流ですが、シチリアの特に内陸の方では、穴が開いていない棒状のマッケローニも食べられています。穴が開いていない分、もちもちとした食感です。
2つ目は、シチリアのピスタチオを贅沢に使ったラビオリ。クリーミーなソースとピスタチオのほのかな甘みが絶妙なバランスです。
セコンドピアット
セコンドには豪快にお肉を頂きます。
上の写真は、前述したSuino Nero dei Nebrodi(ネブロディの黒豚)とサルシッチャ(ソーセージ)の炭火焼。
こちらは瓦で焼いたサルシッチャ。焼き方も様々です。
どんなところで体験できる?
山の食文化を体験するには「アグリツーリズモ(Agriturismo)」が便利です。農業(Agri-)と観光(turismo)がセットになった施設で、気軽にイタリアの田舎体験ができると大人気。シチリア島内にも本当にたくさんのアグリツーリズモが存在します。その他、ワイナリー併設のレストランでもよいでしょう。
アグリツーリズムにもよりますが、決まったメニューはなく、席につくと前菜からどんどんテーブルに運ばれてくる形式のレストランも多いです。前菜だけでもお腹いっぱいになるぐらいの量なので、ランチの場合、朝ごはんは軽く済ますようにしましょう(むしろ抜いてもいいです)。
さいごに
シチリアの山の食文化、いかがでしたか。観光に加えて、シチリアの海の幸と山の幸の両方のグルメを堪能しようと思うと、できれば1週間は欲しいところ。また、内陸に行けばいくほど交通の便が悪いところが多いので、時間に余裕をもったスケジューリングが大切です。
シチリアグルメを満喫する旅の計画を、今から立ててみませんか?
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サエコ
- シチリア島に魅せられて移住。目標は地元民に間違えられるようになること。ガイドブックに載っていないような、ローカルな情報をお伝えします。