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オリーブで本場のイタリアンを!イタリアのオリーブオイル徹底解説
オリーブオイルが健康や美容にとても効果的というのは一般的に知られていると思いますが、詳しく知らない方が多いのではないのでしょうか。今回は、なぜオリーブが体にいいのか簡単にご説明いたします!
目次
オリーブの効果について
オリーブオイルの原料であるオリーブの実は次のような効果が見られます。
美容:アンチエイジング効果
オリーブの実にはビタミンEの栄養がたっぷり含まれています。ビタミンEは抗酸化作用があり体内の細胞老化を防ぐ働きをしてくれます。
健康:生活習慣病の予防
オリーブの実には悪玉コレステロールを減少させる働きのあるオイレン酸が豊富に含まれています。オリーブの実の抗酸化作用とオレイン酸の相乗効果で心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果が期待されています。
またオレイン酸は血液をサラサラにしてくれるだけではなく、胃酸の分泌を整え腸の働きをスムーズにする作用があります。
オリーブとイタリアの関係
さてこのオリーブですが、6000〜7000年前に地中海東沿岸のシリアからパレスチナあたりで始まったとされ、紀元前3000年頃にはオリーブオイルを搾っていたことが分かっています。
イタリアはスペインに次ぐ世界第2位のオリーブ大産地です。夏は乾燥していて冬に少し雨が降り、一年を通して比較的温暖な地中海性気候であるうえ、縦に長い半島の中央には山脈があるため、日当たりの良い丘陸地はオリーブが育つ格好の条件となっているんです!事実、イタリアではありとあらゆる料理にオリーブオイルをかけイタリアの食卓には必要不可欠の存在となっています。
イタリアのオリーブオイルと言っても、北から南でオリーブの種類や育成環境が違うため、味も風味も大きく変わるんです!
北部で作られるオリーブオイル(リグーリア州など)
マイルドなオイルで味や香りのクセは少なく、料理の邪魔をせず食材の良さを引き立ててくれる、なじませ上手なオイルです。
【おすすめ】魚料理、サラダなど
中部で作られるオリーブオイル(トスカーナ州、ウンブリア州など)
青々しくてスパイシーなオイルで、食べてみるとピリッと辛く、少し苦みを感じるオイルが多いです。
スパイシーさと青々とした草の香りが素材の味を引き立ててくれ、スープ料理に加えるとオリーブの香りがたちのぼり、味もグッと引き締まります。
【おすすめ】肉料理、豆料理、スープ料理など
南部で作られるオリーブオイル(プーリア州、カラブリア州、シチリア州など)
パンチのあるオイルで口に含むとピリッと辛さを感じ苦味も味も濃いので、味のはっきりとした料理に合わせると、オイルそのものの味とバランス良く混ざり美味しさも格段にアップします。
【おすすめ】炭火で焼いたお肉、煮込み料理、苦味のある野菜など
またオリーブは食べるだけではありません。オリーブの実に含まれるオレイン酸は人の皮脂と似た成分でできているので、オリーブオイルは肌に馴染みやすく、肌トラブルの原因になりやすい乾燥からお肌を保護する効果があると言われています。イタリアではスキンケアなどにも広く使われているのです。
オリーブ収穫〜オリーブオイルができるまで:実体験
私が実際に体験したトスカーナ州でのオリーブの実の収穫シーズンは、だいたい10〜11月頃です。収穫方法は様々で、手が届かない所は機械を使いますが、オリーブの実をなるべく傷付けないように基本は手積みでオリーブの実を収穫します。
だいたいオリーブの実が緑色から少し紫色に色づき始めた頃に収穫しますが、オリーブ農家さんがどんなオリーブオイルを作りたいかによって、早摘みだったり色が紫〜黒色になってからだったり、タイミングはそれぞれ異なります。
緑色のオリーブの実は青々しい香りで、苦味や辛味、香りが強く、紫〜黒色のオリーブの実はまろやかな味と香りです。
オリーブの実を収穫する際は、まず最初に大きなネットを隙間なくオリーブの木の下に敷き、そこにオリーブの実を落とし最後にネットを引っ張り一気にオリーブの実を集めます。
収穫したオリーブの実は搾油所まで運んでいきますが、オリーブの実は摘んだ瞬間から酸化が始まるため、収穫したらなるべく早くに搾油が必要とされる『速さが勝負』になってきます!
この作業でオリーブオイルの味も大きく変わってくるのでとても重要な作業となります。
搾油所にはたくさんのオリーブ農家さんがたくさんのオリーブの実を搾油している為、搾油所は朝早くから夜遅くまでオリーブの強い香りで充満していて鼻がツーンとする程でした。(オリーブ生産が多い地域では地域の人が共同で使える様に搾油所が設備されています。)
まず、運ばれたオリーブの実はまだ一緒に枝や葉が入っている状態なので、余計なものを取り除かれてから水で洗浄されます。その後オリーブの実はペースト状に砕かれ、しっかり練り込まれた後は、砕かれた実のカスや水分などの取り除き作業が終わった後にやっとオイルが搾油されます。
搾りたてのオリーブオイルは白濁としたエメラルドグリーンで、香りはとても強いです。青々とした若草の様な香りで、鼻にツーンとくる独特の匂いがし、日本では見たこと・感じたことのない経験に感動したことを覚えています。
食の都イタリア、出来立てほやほやのオリーブオイルはその場ですぐ試食ができるんです!
グリルでしっかり焦げ目をつけたトスカーナのパンにたっぷりと搾りたてオイルをかけ、ワインと一緒にオイルの完成にみんなで乾杯!!!
イタリアでオリーブオイルを楽しむベストな季節は?
オリーブオイルを本場のイタリアで楽しむには9〜12月頃がおすすめです。
地域によって少しは異なりますが、だいたいはこの時期にイタリアへ行くと出来立ての美味しいオリーブオイルが楽しめるはずです!(トスカーナ州の場合は10〜11月頃になります。)
レストランはもちろん、スーパーマーケットでも新しいオイルが販売され、普段目にしているオリーブオイルとの色の違いは一目瞭然!すぐに気付くと思います。もしお土産にオリーブオイルを考えられているのなら、オリーブオイルの収穫シーズン9〜12月頃がおすすめです。
オリーブオイルの保存方法
オリーブオイルを良い状態で保存するのなら温度、空気、光、この3つが大切になります。
温度
温度の高い場所にオリーブオイルを保存すると、オイルに含まれる成分の変化が激しくなるります。かと言って温度が低過ぎるのもあまり良くないので、冷蔵庫保存は避け、温度が13〜18度くらいの場所で保存する事をおすすめします。
空気
空気中の酸素とオイルが反応して、オイルの成分が変化し、香りや味わいが変わるので、なるべく空気に触れない様にしておくことがポイントとなります。
光
直射日光はもちろん、室内の明るさにも気をつけ、なるべく光の入らない薄暗い場所に保存することがおすすめです。
まとめ
個性的なお祭りがたくさんあるイタリア、もちろんオリーブオイルのお祭りもあります!
トスカーナ州では10〜11月頃にかけてオリーブオイルを祝うお祭りが小さい規模から大きい規模まで色々な場所で開催されるので、オリーブの収穫シーズン10〜11月頃にトスカーナ州を訪れお祭りを現地のイタリア人達と、新しい美味しいオイルに美味しい食べ物飲み物で、一緒に楽しんでみるのはいかがでしょうか???
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Sachi
- 世界の自然に魅了され各国を転々としたのち、デザイン活動をしながら現在はイタリア在住です。