公開日:
最終更新日:
もう一つのサッカーW杯「ConIFA」とは?実際に観戦してきました!
サッカーが好きな人ならもちろん「FIFAワールドカップ」はご存知でしょう。4年に1度開催されるサッカーの世界選手権大会で、次の開催時は2022年に中東のカタールで予定されています。この時も日本中がサッカーで盛り上がること間違いないでしょう!
しかし、そのサッカー好きの方々のどれくらいの方が、ConIFA(コニファ)という組織によるサッカーの世界大会があるのをご存知でしょうか?
私もコーカサス地方を旅しなければ知りませんでした。サッカーが好きな方、旅が好きな方、いろんな方にConIFAを知ってもらいたいので、是非とも紹介させていただきます。
目次
ConIFAとは?
ConIFAの正式名称はThe Confederation of Independent Football Associationsです。これは、FIFA(=国際サッカー連盟)に未加盟の国や地域をカバーする独立系サッカー協会のことです。
FIFAの加盟承認の原則は「主権国家として認められており、国連に加盟している国」となっています。しかし、世界には複雑な情勢から国連に加盟できない国や独立できない国があります。そして、当然ながらそんな国にもサッカー選手は存在します。
ConIFAはFIFAに入れない国(未承認国家)の人々、あるいは自身の文化に誇りを持って生活をしている少数民族や、迫害を受けて祖国を捨て異国のコミュニティで暮らす人々が、自分たちのアイデンティティを掲げてサッカーできる場所として、2013年に設立されました。
創設者のペール=アンデルス・ブランドは、ボールの前では誰もが平等でチームは民族を超えて一つになれる、サッカーは差別を乗り越え分離されているものに橋をかける、という思いが設立の動機になり、加盟国は年々増加し、現在は46チームが加盟しています。日本からも琉球、United Koreans in Japanというチームが加盟しているんです!
そんな2019年ConIFAワールドカップの欧州選手権が未承認国家「ナゴルノ=カラバフ」で開催されたので観に行きました!
開催地のナゴルノ=カラバフについて
<ナゴルノ=カラバフを象徴するモニュメント『我らの山』>
欧州戦の開催地は未承認国家ナゴルノ=カラバフの首都ステパナケルトで行われました。
ナゴルノ=カラバフはコーカサス地方にあり、隣国アゼルバイジャンとアルメニアによる領土争いが今もなお続いており、外務省の危険レベルは3とされています。
しかし一歩踏み入れてみれば、ワールドカップが開催されるからでしょうか、活気に溢れており、現地の人たちは日本人が物珍しいのかジロジロ見てはきますが、その後笑顔で挨拶してくれます。
ナゴルノ=カラバフに入国するためにはVISAの申請が必要です。アルメニアの首都エレバンにナゴルノの大使館があるので、そこで申請可能です。
(ここで、注意しなければならないのが、この後アゼルバイジャンに行く予定がある方。パスポートにナゴルノ=カラバフVISAがある場合、アゼルバイジャンに入国できなくなるので、注意してください)
本来3,000ドラム(675円)の費用が掛かるのですが、目的を聞かれ、ConIFAを観に行くと言ったらVISA代がかかりませんでした!後で分かったのですが、今回アメリカのアルメニア系の富豪がスタジアム修復のために100万ドルを寄付したこともあり、かなり気合が入っているように見えました。
2019 ConIFA European Football Cupを観戦!
2019年6月1日~9日にかけて開催された今回の欧州戦、開催式から観てきました。スタジアムは日本に比べると小さいですが、ほぼ満席状態。8チームが戦うのでいろんな国の方々が観に来ていたと思います。どこの国の出身かは顔じゃ判断できないので、おそらくですが(笑)。
最初は大統領やConIFA関係者のお偉いさんの挨拶から始まり、ロシア語のスピーチなので内容は全く把握できませんでしたが、たまに英語で「サッカーは誰もが平等で皆が一つになれる」と言っていました。その後は選手入場と、音楽やダンスのパフォーマンスが広げられました。ConIFAのテーマソングみたいなものもありました。
そして実際観戦した試合はArtsakh(ナゴルノ=カラバフ) VS Salmi(ノルウェー人、スウェーデン人、フィンランド人、ロシア人で構成されたチーム)です。
Artsakhのチームにとっては地元で開催されたこともあり、応援する人も多かったような気がします。試合の結果は3対2でArtsakhが勝利しました!ちなみに優勝国はSouth Ossetia(南オセチア)です。
次回の開催国はアフリカのソマリアです。治安の問題で観に行くことが難しそうなので、今回ナゴルノ=カラバフで観れて、本当にラッキーでした。
最後に
貧しい国でもガムテームと布を使ってボールを見立てて遊ぶように、独立国でもそうじゃなくても、サッカーは誰でも楽しめるスポーツであり、たとえ昔敵対国だったとしても、チーム一丸となって一つになれる、素晴らしいスポーツだと改めて実感しました。なかなか観に行くことは難しいと思いますが、機会があれば是非皆さんにも観てもらいたいです。
独立国だけではなく、未承認国家やその地域の方々の熱い思いがあるConIFA、この記事を読んでいただいて、興味を持っていただけたら嬉しいです。
Rankingアゼルバイジャン記事ランキング
-
Maya.S
- スキューバダイビングのインストラクターが職業でもあり趣味です。海はもちろん自然大好き、生物大好き、写真撮るのはもっと好き:)2015年からワーホリと世界一周を繰り返して旅を続けています。