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ストーンウォールの反乱から50年。LGBTQの聖地「ストーンウォール・イン」を訪ねよう
目次
「ストーンウォールの反乱」って?
ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーなど、性的少数派(LGBTQ)の人々の聖地と言われているグリニッジビレッジのゲイバー「ストーンウォール・イン(Stonewall inn)」で、ストーンウォールの反乱が起きてから、今年で50年目を迎えました。
事件が起きた当時、性的少数派の人々は迫害を受け、肩身の狭い思いをして暮らしていました。1969年6月28日の午前1時20分頃、ニューヨーク市警(NYPD)の警官がストーンウォール・インに踏み込み捜査に現れ、異性の服装をしていた客や身分証明書を所持していなかった客、また従業員などが逮捕されました。
いつもならこういった様子を遠巻きにながめていた、店にいた客や店の前にたむろしていた性的少数派の人々が、この日、初めて警官に立ち向かったことで暴動が起きました。警察との小競り合いは数日間にわたり続き、多数の負傷者を出した後、沈静しましたが、この事件が性的少数派による権利獲得運動を活発化させるきっかけとなりました。
ストーンウォール・インに行ってみよう
ストーンウォール・インは、地下鉄1線に乗りクリストファー・ストリート(Christopher Street)駅で降りて、クリストファー・ストリートを東に歩けばすぐ。LGBTQのシンボルであるレインボーフラッグが、たくさん飾られています。この辺りには当時から、ゲイのコミュニティーができていて、以前はたくさんのゲイバーがありました。
これは店の正面に設置された記念碑。事件のあらましが記されています。店の前には記念写真を撮る観光客が次々とやってきます。店はちゃんと営業しており、性的少数派でなくても勿論、入店は可能ですが、昼間のせいか写真だけ撮って帰る人が多いようです。
月日が流れ、時代は変わりました
2016年6月24日、ストーンウォール・インとその周辺は、米国初となるLGBTQ国定文化遺産保護地域に指定されました。店の向かいにあるクリストファー・パークの一角は、ストーンウォール・ナショナル・モニュメントとなっています。
事件発生50周年を目前に控えた2019年6月6日、NYPDのジェームズ・オニール本部長は、当時行われた取締りが不当であったことを認め、市警として初めて謝罪しました。
ストーンウォールの反乱以来、6月はLGBTQの人々にとって記念すべき月となりました。6月最終日曜日は毎年、ニューヨークだけでなく、全米の各地でプライドパレードが開催されます。
LGBTQの"Q"って何でしょう?
ところで皆さんは、LGBTQのQの意味をご存知でしょうか?Lは女性の同性愛者"レズビアン"でGは男性の同性愛者"ゲイ"、Bは男性も女性も愛することができる両性愛の"バイセクシュアル"、Tは生まれた時の性別と自分で認識している性別が異なる"トランスジェンダー"と、この4つはわかりやすいですね。最近になってから、LGBTの後ろに付け足されるようになったQは、まだどちらの性別なのか自分でもはっきりしていない「Questioning」の状態にある人のこと、又は同性愛者を侮辱した言葉「Queer(クウィア)」を意味するそうです。
The Stonewall inn
- 住所:53 Christopher St, New York, NY 10014
- 電話:212-488-2705
- 営業時間:月~水:14時~翌4時/木~日:12時~翌4時
- 定休日:無
- HP:https://thestonewallinnnyc.com/
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ナツコ・H
- 世界で活躍するジャズ奏者の夫のマネージメント、CD収録曲の作曲を手がける。NYの日系新聞でニュース記事執筆中。法律翻訳家。93年よりNY在住。