真言密教の聖地高野山へ。巡礼の道を駆け上がる南海電鉄のお話

車掌かんちゃんです。今回は1200年前に弘法大師空海が歩いて登った巡礼の道を駆け上がる西日本随一の登山鉄道である南海電鉄のお話です。

目次

多くの鉄道が寺社参詣鉄道として開業

関東初の電車を走らせた京急急行が川崎大師参詣、参宮急行(今の近鉄の前身)がお伊勢参りの足として開業、発展しました。
今回、お話の南海電鉄高野線も高野山参詣の足として昭和4年2月21日に全線開業しました。

聖地への巡礼の道を駆け上がる

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難波駅を出発した「特急こうや」は橋本駅を過ぎるとローカル線の雰囲気が漂ってきます。弘法大師空海の母公が晩年を過ごした「慈尊院」がある九度山駅を通過します。
ここ「慈尊院」から高野山への表参道「高野山町石道」が続いています。かつて弘法大師空海が通った巡礼の道を列車は駆け上がります。九度山駅は駅舎やホームには真田家の六文銭が描かれいます。関ヶ原戦い後、真田昌幸、真田幸村が隠棲生活を送っていたからです。

西日本随一の登山鉄道

渓谷を駆け上がって行く列車は高野下駅(標高108m)を通過後、終点の極楽橋駅(標高535m)までを約10kmで登る急勾配となります。建設当時、鉄道省から走行する電車には当初からブレーキなどに配慮が求められ、特別に認可を得ました。
この急勾配はケーブルカーやアプト式以外では、箱根登山鉄道には及ばないですが、西日本では神戸電鉄や叡山電鉄と並んで随一の登山鉄道なのです。

聖地を目指す観光列車

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列車は鉄橋とトンネルを交互に通過し、渓谷を見ながら急勾配を上がって行きます。渓谷の景色を楽しんでもらうために、車両の窓を大きくし、席も渓谷側に向けて製造された観光列車が「天空」です。かつて標高800mの高野山には2,000の寺院があった天空都市だったとから命名されました。車内の展望デッキからは「高野山町石道」もはるか西側尾根に見ることができます。

まさに黒部立山アルペンルート

難波駅から極楽橋駅までは南海電鉄の電車。その先、高野山駅まではケーブルカーに乗ります。

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3代目の車両で昭和39年に製造され、平成30年11月25日に引退しました。
開業したのは昭和5年6月29日。極楽橋(標高538m)から高野山駅(標高867m)までを5分で結んでいます。途中、標高634m地点には「スカイツリーと同じ高さです」の看板が立っています。

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平成31年3月1日にデビューした4代目の新型車両です。レトロの雰囲気充分の3代目車両から一転、4代目車両は斬新なデザインです。

高野山駅から、真言密教の聖地、約1200年前に弘法大師空海が最初に堂を結んだとされる壇上伽藍や御廟がある奥の院へは路線バスに乗ります。
電車、ケーブルカー、路線バスを乗り継ぐ。まさに戦前に開業したアルペンルートです。

初代社長の供養塔

高野山内の東側、一の橋から弘法大師空海が祀られている御廟までの約2kmの奥の院参道には約40万基の墓石があり、その中には有名な大名や戦国武将の供養塔も多く、また、有名企業の創業者の供養塔もあります。

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南海鉄道(現在の南海電鉄)の初代社長の松本重太郎の供養塔です。この人がいなかったら高野山への参詣鉄道は建設されなかったかもしれません。今では、土日は満席になる、南海電鉄の特急こうや。国内有数の鉄道会社に発展した現況をしっかり報告してきました。

美味しくて、ヘルシーな料理

高野山には117の寺院があり、そのうち52の寺院に宿坊があります。

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高野山の宿坊や飲食店で食べられるのか精進料理です。名物のごま豆腐など、盛り付けが綺麗で、とても美味しいです。母に高野山の宿坊に泊まって精進料理を食べた話をしたら、「あんたは、小さい時から、お盆や親戚の葬式や法事の時に精進料理を美味しい、美味しいと全部食べていたもんね。従兄弟達はほとんど食べなかったから、叔父さん、叔母さん達も感心してた」と言われました。幼少の頃から「大好きな特急電車に乗って、早く会いに来なさい」と弘法大師空海から教えられていたのかな。

高野山真言宗 総本山金剛峯寺

最後に

真言密教の聖地、1200年の歴史がある世界遺産高野山。
高野山の気温は年間通じて、麓の平野部より5~10度低いです。これからの季節は避暑地として訪れる人もいます。
かつて弘法大師空海が一歩ずつ歩いて登った巡礼の道を特急列車に乗って登山鉄道を駆け上がり訪ねてみてはいかがですか。

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親からの最初の本は時刻表。いろんな列車に乗れて、給料ももらえるからと添乗員になりました。日本の鉄道路線、全て完全乗車の乗り鉄。住んでいる家も電車がよく見える線路沿い。鉄道が人生そのものです。

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