【イタリア】巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作「最後の晩餐」現地レポート!

【最後の晩餐】

この作品名は美術に詳しくない方も、一度は聞き覚えがあるかと思います。

このあまりにも有名な作品、絵画の背景や描かれた人々をご存知でしょうか。
ミラノ滞在中、実際に【最後の晩餐】を鑑賞し、深掘りしてきました!

目次

「最後の晩餐」とは

レオナルド・ダ・ヴィンチが修道院に残した壁画が見られるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会は、かつてドミニコ会修道院の建物だった教会をミラノ公爵スフォルツァが改装。

その教会に向かって左側にあるドミニコ会修道院の食堂の壁に、巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの作品、「最後の晩餐」があります。

この絵は1495年から1497年にかけて、当時の常識を覆し、フレスコ画とは異なるテンペラ画手法で縦4.2m、横9.1mの大きさで描かれています。

フレスコ画ではないため、傷みが著しく修復が繰り返されていますが、芸術史に新しい時代を開いた重要な作品です。

このサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会および、修道院とレオナルド・ダ・ヴィンチによる「最後の晩餐」は1980年、世界文化遺産に登録されています

鑑賞チケットはまさにプラチナチケット!

「最後の晩餐」の鑑賞は完全予約制

拝観にあたっては完全な人数制限と入れ替え制度を取り、絵画の保存を心がけています。
よって、一回の鑑賞時間はわずか15分と決められています。

【予約方法】

拝観には予約が必要です。

滞在日数が限られた人は早めに日本から予約しておきましょう。

予約方法は電話かインターネット。英語でOKです。

世界中から予約が殺到する為、早めの予約をお勧めします

いざ、「最後の晩餐」鑑賞へ!

  • アクセス:ミラノ市内、メトロ1号線conciliaziner(コンチリアツィオーネ)駅から徒歩6分。
  • 拝観時間:08:15〜19:00(最終入場は18:45)
  • 閉館日:月曜、祝日1月1日・5月1日・12月25日
  • 拝観料:€10(€2予約料)

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事前に予約した予約日当日は指定時間前までに、教会の入り口左側のチケット売り場で、印刷した予約のバウチャーを渡しチケットを入手します。

その際に、自身のパスポートなど身分証明書が必要となりますので、お忘れなく。

有料でオーディオガイドもあり、日本語対応のものもあります。入場の時はなるべく身軽な荷物で行きましょう。

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時間になったら、入り口でチケットを見せてセキュリティゲートをくぐります。

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建物の中に入ると扉が2つ。
予約した人たちが全員部屋に入ると、もうひとつの部屋の扉が開きます。

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今回は13時の予約が取れました。

予約時間まで直前の扉の前で待機です。

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13時ぴったりに扉が開き、いざ、ご対面。

【※注意】鑑賞中の写真撮影はできますが、フラッシュや動画はNGなのでお気をつけ下さい。

薄暗い部屋の中で圧倒的な存在感を放つ「最後の晩餐」。まずは絵をじっくりと眺めましょう。
絵画は一点透視図法が用いられており、絵の奥の方まで食堂がつながっているような錯覚になります。

ぜひ左右どちらかの手で丸をつくり、片目でその中を覗いてみてください。
さらに作品に奥行きが生まれます。

キリストと12使徒

「最後の晩餐」では、「汝らのひとり、我を売らん」キリストが12人の弟子の中に自分を裏切るものがいることを告げた直後の一瞬の光景が劇的に描かれています。

全体の構図を眺めた後は、描かれた人々をじっくりと眺めてみてください。

  • 聖バルトロマイ:イエスの死後、布教を続け最期は殉教。
    イエスの言葉を聞き取ろうと立ち上がった様子が描かれています。
  • 聖小ヤコブ:イエスの磔刑時に見守った使徒。
    左手をペトロの方へと伸ばしています。
  • 聖アンデレ:ペトロの弟。イエスに出会う前はガリラヤ湖の漁師。
    両手を胸のあたりに挙げ、驚きを示しています。
  • ユダ:銀貨30枚を目当てにイエスをユダヤ総督に売ります。
    銀貨30枚の入った袋を握っていて、光景がなく、一人だけ手前に座る構図になっています。
  • 聖ペトロ:ガリラヤ湖で漁をしているときにイエスに呼ばれ最初の弟子に。
    身を乗り出し、イエスの横に座るヨハネに何か耳打ちをしているように描かれています。
  • 聖ヨハネ:イエスの遺体を受け取って埋葬したともいわれ、12使徒の中で最も年少。
  • イエス・キリスト:この晩餐のあとにユダヤ総督に捕らわれ、エルサレムで磔の刑に処されます。
    イエスの左側のこめかみには釘のあとがあり、これは一点透視図法を用いて描かれたため、中心点に釘をさしたとされ、修復中に見つかりました。
    また、洗浄作業により、口が開いていることが判明し、「裏切り者がいる」ことを告げた場面であることが確実視されるようになりました。
  • 聖トマス:イエス復活の際、自分の目で確かめるまで信じなかったほど冷静で実証的。
    大ヤコブの背後から顔を出して、体部はほとんど見えない。¥右手の指を1本突き立てているのは、「裏切り者は一人だけか」とイエスに問いかけている姿と解釈されている。
  • 聖大ヤコブ:小ヤコブと兄弟。イエスの死後、最初の殉教者。
    両手を広げて大げさな身振りをしている。
  • 聖フィリポ:最後の晩餐の席で、「主よ、私たちに創造者を見せてください」といった言葉が有名。
    両手を胸に当てて、イエスに訴えかけているような動作をしている。
  • 聖マタイ:もとは徴税人だったとされています。テーブル右端の3人は互いに顔を見合わせ、「主は何とおっしゃったのか」と問いかけている風情にみえる。
  • 聖タダイ:愛情豊かだったとされ、イエスの死後はユーフラテス地方で伝道。
  • 聖シモン:イエスの力でイスラエルを開放できると期待していました。


見れば見るほど、描かれた一瞬の光景に緊迫した空気を感じます。

そして右下に注目するとテーブルクロスに結び目があります。
これはレオナルド・ダ・ヴィンチが自身で書いた証として記されているといわれています。

また、絵の中でイエスの足の部分がなくなっています。
これはかつて描かれていましたが、この部屋と台所をつなぐ、出入口をつくる際に壊されてしまいました。

様々な角度や距離から鑑賞をしていると、アナウンスが入り、あっという間に15分の時が過ぎ、部屋を出る時間が来てしまいます。
次の予約の方が待機している為、名残惜しい気持ちもありますが、速やかに出口に向かい、退室しましょう。

退室した場所に、お土産や本が売っている売店、お手洗いがあります。

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最後に

この「最後の晩餐」は、壁画の為、本物を他の場所で鑑賞することはできません。
実際に描かれた場所でしか見ることができない貴重な絵画を、ぜひ目の前でご覧になってみてください。

絵画そのものの空気感や存在感、もちろん絵画で描かれている細部に至るまで、一生に一度、現地で鑑賞する価値がある作品でした。

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