フランス・パリの知られざる魅力に迫る旅

目次

定番の観光地以外にも、魅力的なスポットはたくさん

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海外旅行の渡航先として、常に不動の人気を誇っているのはフランスです。フランスの中でもパリを訪れるなら、人気のエッフェル塔やシャンゼリゼ通り、ルーブル美術館が定番となっていますが、パリにはもっと魅力的なスポットが多数存在します!

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<写真:「サンシュルピス教会 ドラクロワ 悪魔を撃つ大天使ミカエル」>

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<写真:「1800年代のアーケードであるパッサージュ」>

日本ではほとんど知られていない、サンシュルピス教会に、巨匠ドラクロワの巨大な絵画がひっそりと存在していたり、優美なステンドグラスがぐるりと取り囲む美しすぎる礼拝堂があったりします。また、19世紀に建造されたお洒落なアーケード街も数こそは減っていますが、現在でも残っており、当時の雰囲気が残っています。
有名な文豪や芸術家が好んで多く暮らした街としても有名です。
今回は、隠れ観光スポットに加え、そんな文豪たちが集ったお洒落なカフェ、芸術にも触れてみたいと思い、パリを訪れました。

パリへの往復はヨーロッパ最速の翼フィンエアーで

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今回の旅は関西国際空港からフィンエアーを利用してパリへ行ってきました。

フィンエアーの関西国際空港線は2019年3月31日より、週7便から週10便に3便増便して運航しています。また、ヨーロッパまで最速で、なんと9時間30分でヘルシンキに到着します。ヘルシンキ空港での乗り継ぎも非常に簡単で、誘導表示には一部日本語もあります。機内サービスも充実しており、非常に快適な旅でした。

パリ旅行で知っておきたい教会の魅力

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<写真:「輝くサントシャペルのステンドグラス」>

最も有名な大聖堂は世界的観光地でもあるノートルダム大聖堂ですね。2019年4月15日に火災が発生し、ショッキングなニュースが世界を駆け巡りましたが、パリ20区内にはノートルダム以外にも日本ではあまり知られていない魅力的な教会や大聖堂が数多く存在します。今回はそんなあまり知られていない教会や大聖堂にスポットを当ててご紹介致します。

奇跡のメダイ教会

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世界中のカトリック教徒にとって、心ひかれる名高い教会があります。その名も「奇跡のメダイ教会」です。
当時爆発的に流行っていたコレラがメダル(メダイユ)を配ったところ奇跡的に終息したそうです。

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<写真:「修道女カタリナがお告げ受けるシーン」>

1830年に修道女カタリナが聖母マリアのお告げを受けてメダル(メダイユ)を作りました。
コレラの終息以降もこのメダル(メダイユ)を手に入れた者に奇跡が起きたことから、奇跡の教会として広まり、今でも巡礼者が絶えません。現在でも、教会には修道女カタリナの遺体が安置されています。

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<写真:メダル(メダイユ)の図柄>

メダイユは誰でも持てるようにと安価で販売されております。

ドラクロワの壁画があるサン・シュルピス教会

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1646年にルイ13世の王妃の命により建築された大聖堂です。ファサードの2つの塔の大きさが異なる外観はとても印象的でした。前庭には4人の枢機卿が座る噴水があります。パリでノートルダムに次いで2番目に大きい教会です。

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<写真:サン・シュルピス教会礼拝堂>

ここには世界一を誇る大きさのパイプオルガンがあり、礼拝堂の奥を占拠するように設置されております。
パイプオルガンの音色は日曜の午前中におこなわれるミサで聴くことができますよ。

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<写真:世界最大のパイプオルガン>

この教会が素晴らしいのはロマン主義の巨匠ドラクロワの有名な壁画を鑑賞できることです。

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<写真:「民衆を導く自由の女神 ルーブル美術館所蔵」>

ドラクロワはルーブル美術館に所蔵されている、あの「民衆を導く自由の女神」を描いた方です。

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礼拝堂に入って右手の壁面にこの「神殿を追われるヘリオドロス」があります。完成に10年を要したとの事。
シリアのセレウコス4世に仕えたヘリオドロスは王の命で神殿の宝物を没収するために向かったが、
金の鎧(よろい)を纏い(まとい)馬に跨った神の御使いに追い返される聖書のシーンが描かれています。

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上の写真は、聖書にある天使と戦って勝利したヤコブの戦いを描いた絵画「天使とヤコブの戦い」です。
「神殿を追われるヘリオドロス」の向かいにあります。これだけ見ごたえのある巨匠の絵画をいくつも堪能できたり、世界最大のパイプオルガンがあったりと、皆様に是非、訪れて頂きたい教会の一つです。

サントシャペル教会

12世紀に建造され、その礼拝堂を取り囲む美しいステンドグラスから「神聖なる宝石箱」とも称されるサントシャペル教会は、パリ最古の教会でもあります。

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息を飲むほど美しい巨大なステンドグラスは礼拝堂を取り囲んでいます。時間帯によって見え方もかわり、今回は午前と夜の2回訪れました。
夜は、このパリ最古のステンドグラスに照らされながら、クラシックコンサートを楽しむことができます。
私は、高校生時代までピアノを習っていたこともあり、クラシックが好きです。今回の旅で最も期待していたのはこのサントシャペルのクラシックコンサートです!

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コンサートは事前にチケットの購入が必要ですが、昼間の入場とは違い、バラ窓のすぐ下にあるテラスから入場できる特典も付いてきます。

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今回の演奏は、最初にパッフェルベルのカノンから静かに始まり、ヴィヴァルディの四季が何曲も続きます。
観客はほぼ満席で、みなさん熱心に聴かれていました。最後は、拍手が鳴りやまないほどの大喝采でした。
この美しいステンドグラスの明かりの下で聴く名曲は大満足でした。

ノートルダム大聖堂の現在の様子

シテ島の東側にある修復の始まったノートルダム大聖堂も徒歩にて確認してきました。

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<写真:「ノートルダム大聖堂 裏側から」>

尖塔が焼失し鉄骨が組まれております。

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<写真:「ノートルダム大聖堂 セーヌ川左岸から」>

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<写真:「ノートルダム大聖堂 バラ窓」>

側面のバラ窓は健在ですが、屋根が焼け落ち一部のステンドグラスも焼失してしまっているのが分かります。
正面のファサードに関しては火災の影響は伺えませんが、修復中のため2019年5月現在、正面手前の橋より侵入禁止になっています。
マクロン大統領は修復に5年かかると宣言しておりましたが、早い修復を望みます。

圧倒的!モネの「睡蓮」8連作に感動!オランジュリー美術館を訪ねる

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<写真:オランジュリー美術館所蔵「クロード・モネ 睡蓮」>

フランス絵画の中で、特に知名度の高い「印象派」の巨匠はクロード=モネです。彼はフランス北部ジヴェルニーに住み、庭師に池を掘らせ、睡蓮などの花が咲く順番を考えて植物を植えさせていたほど、こだわりが強かったといわれています。

そのモネの代表作「睡蓮」は200点以上も描かれていますが、ここオランジュリー美術館の睡蓮8部作は圧倒的に巨大で2部屋に渡って展示されるほどです。

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<写真:オランジュリー美術館所蔵「クロード・モネ 睡蓮②」>

モネはここに「睡蓮」を所蔵するにあたり、自然光の中で見られるように展示することに拘ったといいます。
印象派は光の表現が巧みで、輪郭線を用いずに描かれます。近くで眺めると全体像がぼやけて分かりづらくなるかもしれません。その時は、部屋の真ん中に設置されているベンチに座ってゆっくり遠目から見てみてください。

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<写真:睡蓮の間にはベンチがあります>

ベンチに座ってゆっくりと「睡蓮の連作」を眺めているとモネが見せたかった世界観とその思いを感じることができます。

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<写真:ルノワールの作品>

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<写真:ルノワールの作品>

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<写真:マリー・ローランサンの作品>

モネの睡蓮以外にも地下に下りれば、印象派の巨匠ルノワールの絵画やシスレー、マリーローランサンの絵画まで展示されています。

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<写真:サン・ラザール駅構内>

機会があれば次回は、モネが暮らしたジベルニーも訪れたいと思いました。ジベルニーへはオペラ地区のサン・ラザール駅から列車が出ています。

ヘミングウェイやピカソの集ったお洒落でレトロなカフェでランチ

1885年開業のカフェ レ・ドゥ・マゴ(Les Deux Magots)です。このカフェは、ヘミングウェイやサルトル、ピカソ等文人、芸術家が多く通っていた事で有名です。また「ドゥ・マゴ文学賞」はここをモチーフにしています。

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<写真:「Les Deux Magots」>

文豪たちは自分の席を決め、毎日同じ場所で執筆活動を行っていたそうです。
当時のままの赤いレザーシートとお洒落な内装が目を引きます。

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<写真:「ヘミングウェイなど著名人の座っていた席には写真があります」>

店は人気で、いつも観光客と地元の方で賑わっています。

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<写真:シモーヌ・ド・ボーヴォワールの席>

ヘミングウェイの席には先客がいたので、私はサルトルの内縁の妻であったシモーヌ・ド・ボーヴォワールの席に座りました。ここは、彼女が執筆活動に使っていた席です。

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<写真:「クロックムッシュ」>

今回は人気のクロックムッシュを注文しました。
パンにチーズとハムを挟んでフライパンで焼いた料理です。
チーズの濃厚な味わいと香ばしいパンの組み合わせがなんとも美味しかったです。
ヘミングウェイやピカソ、カミュが通った同じカフェで昼食を取る贅沢な時間をを是非、満喫してみてください。

パリの街角・パッサージュを散策

パリには昔の街並みが多く残っていますがその中でも1800年代に建てられたパッサージュ(アーケード商店街)はとても素晴らしく、是非、訪れて頂きたいスポットのひとつです。最盛期には100以上あったパッサージュも、現在では数えるほどに減ってしまいました。レトロでおしゃれなアーケードは今でもパリ市民が多く利用しています。

ギャラリー・ヴィヴィエンヌ

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<写真:ギャラリー・ヴィヴィエンヌの門構え>

訪れたのはパリで最も美しいと言われる「Galerie Vivienneギャラリー・ヴィヴィエンヌ」です。
ポンペイ様式のモザイクや壁画、彫刻で彩られ、通りの天井にはアーチ状のガラス屋根が付いて雨の日でも観光できます。アーケードには本屋さんやお洒落なカフェが並び、さながら19世紀にタイムスリップしたかの様です。

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オペラ地区中心部からも徒歩で約25分とオペラガルニエや百貨店のラファイエットを訪れるついでに是非、立ち寄ってほしい所です。

パッサージュ・ショワズール

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ヴィヴィエンヌに比べると規模も小さく、ひっそりとした印象です。
昔の小さな商店街の雰囲気を味わえるので、お勧めです。

ギャラリー・ヴェロ・ドダ

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<写真:ギャラリー・ヴェロ・ドダ>

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<写真:ギャラリー・ヴェロ・ドダ>

ギャラリー・ヴェロ・ドダは、ジャン・ジャック・ルソー通りにあり、1826年にオープンしたパッサージュです。
非常にこじんまりしてます。今回は、残念ながら閉店しておりました。

他にもパリ中心部には見逃せない名所が多数あります!

ナポレオン勝利記念に作られたシャトレ広場

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<写真:シャトレ広場>

シャトレ広場はあまり知られていませんが、ナポレオンのエジプト遠征の勝利を記念してたてられた噴水があります。シテ島のセーヌ川右岸入口にあり、サントシャペル教会を訪れる際には是非、お立ち寄りください。

パレ通りのパリ最古の時計塔

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<写真:パリ最古の時計塔>

1371年に建造されたパリ最古の時計塔です。サントシャペル教会やコンシェルジュリーと同くパレ通りにあります。見逃さずに見学することをお勧めします。

巡礼地のスタート地点サン・ジャックの塔

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高さ約50mのサン・ジャックの塔は、以前サン・ジャック・ド・ラ・ブシュリー教会の一部でしたが、1789年のフランス革命時に民衆に破壊されました。現在では塔のみが残っています。ここはイエスの弟子であったヤコブを祭る巡礼地、スペインのサン・ティアゴ・デ・コンポステイラへ巡礼するフランスのスタート地点になっている重要な地です。また、パスカルがこの塔で気圧の研究をしたことでも有名です。先述のシャトレ広場に隣接しています。

ナポレオンの眠るアンヴァリッド

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<写真:アンヴァリッド廃兵院>

ルイ14世時代に建造されたアンヴァリッドは軍病院でした。
併設する教会にはナポレオン・ボナパルトとナポレオンの親族も一緒に眠っています。
教会は非常に美しく、巨大なナポレオンの棺に圧倒されます。

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<写真:ナポレオンの棺>

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<写真:軍事博物館>

現在は、軍事博物館も併設しており、中世の鎧や戦車なども展示されているため、みどころの多い施設となっています。

最後に

最後までお読みいただきありがとうございました。いかがでしょうか?
日本ではまだあまり知られていない魅力たっぷりなスポットを今回は巡ってみました。
ひっそりと佇む奇跡の教会や巨匠の壁画のある教会、ステンドグラスに囲まれたまるで宝石箱のような礼拝堂、文豪の通ったお洒落なカフェにモネの巨大な睡蓮が8枚も展示される美術館など感動すること間違いなしです。
機会があれば是非、皆さんも訪れてみてください。

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ヤマヨシ

人とは少し違ったところ、変わったところへ行くのが好きな旅行会社勤務のヤマヨシです。休日は仲間と瀬戸内でボートを漕いだりサイクリングを楽しんでいます。また美術館巡りも心が落ち着くのでお気に入り。四季の花や紅葉も楽しみつつ瀬戸内にある無人になったホテルで珈琲を淹れて瀬戸大橋を眺めに行くことも。ピアノを弾くのでクラシックもよく聴きます。ドビュッシー、ショパン、ベートーベン、バッハなど。海外はモンゴルやスリランカ、ドバイなど少しマイナーな国々へも渡航しておりますが、現在は長い歴史を持ち伝統あるヨーロッパに魅力を感じています。

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