【2019年最新版】オランダの観光パス徹底比較

オランダの観光パスの特典や価格、メリットやデメリットを徹底比較しました。観光パスを利用すれば、入場料や交通費を節約できるだけでなく、観光スポットへの入場もスムーズです。2日間のモデルプランを使ったシュミレーションもご紹介します。

目次

オランダ・パス「Holland Pass」

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オランダ・パス(Holland Pass) は、アムステルダムやデン・ハーグなど主要都市をはじめオランダ全土で利用できる観光パスです。有効期間は1ヶ月間で、美術館や観光スポットの入場料が無料になるほか、レストランやショップでの割引、無料ガイドブックの特典もついています。

パスを利用できる美術館や観光スポットは、「ゴールド」と「シルバー」のカテゴリに分類されています。無料チケットの枚数はパスの種類によって下記のように決まっています。

  • スモール 45ユーロ:ゴールド1枚 + シルバー2枚
  • ミディアム 60ユーロ:ゴールド2枚 + シルバー2枚
  • ラージ 75ユーロ:ゴールド3枚 + シルバー3枚

例えばラージのパスを購入すると、アムステルダム国立美術館、マウリッツハイス美術館、クレラー・ミュラー美術館がゴールドチケット3枚で、ゴッホ美術館と運河クルーズがシルバーチケット3枚で無料になり、パスを使用しない場合と比べて14.5ユーロ(約1,800円)お得です。アトラクションやレストランの割引特典も利用すれば、さらにお得になります。

オランダ・パスと一緒に、スキポール空港からアムステルダム市内への鉄道切符(20セント割引の4.3ユーロ)や、オランダ国内の一日乗車券(35.8ユーロ割引の19ユーロ)を割引料金で購入できます。

オランダ・パスまとめ

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オランダ・パスを効率よく利用するためには、「ゴールド」と「シルバー」の無料チケットをどこで利用するか、事前に検討する必要があります。入場料が高いスポットで無料チケットを、それ以外の場所で割引特典を利用できるように、コスパの高い組み合わせを考えてみてください。

オランダ・パスのアトラクションには、アムステルダムの赤灯地区ツアーやチーズテイスティング、隣国ベルギーへのバスツアーなど、ユニークなものが揃っています。オランダの民族衣装を着たり、レンブラントやゴッホ、フェルメールの描いた真珠の耳飾りの少女に変身して記念撮影をするアトラクションも人気です。

オランダ・パスの購入方法

オランダ・パスはオンラインで購入できます。オランダ到着後に、スキポール空港やアムステルダム中央駅など、アムステルダム市内のピックアップ・ロケーションでパスを受け取ります。アムステルダムのチケットショップで購入することもできます。

アイアムステルダム・シティカード「I amsterdam City Card」

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アイアムステルダム・シティカード(I amsterdam City Card) は、アムステルダムと周辺都市で利用できる観光パスです。観光スポットや運河クルーズの料金が、無制限で無料になります。レストランやショップの割引特典もついています。

有効期間に応じて5種類(24, 48, 72, 96, 120時間)のカードがあり、期間内はアムステルダムのトラム、バス、メトロが乗り放題です。ただし鉄道は対象外ですので、周辺都市にお出かけの際はお気をつけください。

カードを利用できる美術館や観光スポットは、オンラインのマップ(PDF)でチェックできます。

例えば48時間のカードを購入すると、アムステルダム国立美術館やゴッホ美術館をはじめ、レンブラントの家やARTIS動物園、アムステルダム近郊のマウデン城やザーンセスカンスの風車見学など、全て無料で楽しめます。2日間フルに利用した場合、およそ30~40ユーロ(約4,500円)お得になります。

アイアムステルダム・シティカードまとめ

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アイアムステルダム・シティカードは、オランダ・パスのように使用回数に制限がないので、使えば使うほどお得になるカードです。アムステルダムを中心に観光するなら、公共交通機関も乗り放題で、一番お得な観光パスです。

黄金時代の大画家フランス・ハルスが暮らしたハーレムや、17世紀の風車村ザーンセスカンス、シンガー美術館のあるラーレン、星型城砦都市ナールデンなど周辺都市への小旅行に利用できるのも魅力です。

アイアムステルダム・シティカードの購入方法

アイアムステルダム・シティカードはオンラインで購入できます。オランダに到着後、スキポール空港やアムステルダム中央駅など指定の場所でカードを受け取ります。

自宅やホテルへの郵送も可能ですが、日数とコスト(オランダ国内ホテルへの郵送料は11.92ユーロ)がかかるため、現地でのピックアップがお勧めです。アムステルダムで購入することもできます。

ミュージアムカード「Museumkaart」

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ミュージアムカード (Museumkaart)は、400以上の美術館や博物館の入場料が無料になる年間パスです。有効期間が1年間と長いため、美術館めぐりには最適のカードなのですが、2018年7月より外国人観光客向けのルールが変更されてしまいました。

ミュージアムカードを美術館の窓口で購入すると、まずは仮カードが発行され、後に1年間有効のカードがオランダ国内の住所に発送されます。オランダ国内に住所がない外国人観光客には、1ヶ月間有効の仮カードが発行されます。

かつてはこの仮カードで無制限に美術館を巡ることができたのですが、現在は5回までという制限が設けられてしまいました。

ただし、以前に比べてコスパが低くなったとはいえ、オランダ国内にあるほぼ全ての美術館で利用できるというメリットは変わりません。例えば下記の5箇所を鑑賞した場合、入場料の合計は91.9 ユーロ(約11,300円)で、カードを利用しなかった場合と比べて27ユーロ(約3,300円)お得になります。

  • アムステルダム国立美術館:19ユーロ
  • ゴッホ美術館:19ユーロ
  • アムステルダム市立美術館:18.5ユーロ
  • マウリッツハイス美術館:15.5ユーロ
  • クレラー・ミュラー美術館:19.9ユーロ

ミュージアムカードを利用できる美術館のリストはオンラインでチェックできます。

ミュージアムカードまとめ

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ミュージアムカードは、オランダ・パスやアイアムステルダム・シティカードではカバーされていない、アンネ・フランクの家やミッフィー・ミュージアムでも利用できます。

レストランの割引特典や交通パスは含まれませんが、オランダの主要美術館の入場料は15~20ユーロですので、5回利用すれば元が取れます。5つの美術館をじっくり味わいたい方や、旅の目的が美術館めぐりの方にお勧めのカードです。

ミュージアムカードの購入方法

ミュージアムカードは、オランダ国内の主要美術館で購入できます。アムステルダムでは、多くの観光客で混雑するアムステルダム国立美術館やゴッホ美術館などを避け、アムステルダム市立美術館や新教会など、比較的空いている美術館で購入するのがお勧めです。

モデルプラン①:アムステルダム2日間

オランダ・パスのラージ(75ユーロ)、アイアムステルダム・シティカード48時間(80ユーロ)、ミュージアムカード(64.9ユーロ)を利用した場合の割引料金を比較してみました。カードを利用する箇所にチェックが入っています。

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2日間ともアムステルダムを観光する場合は、無制限で入場料が無料になるアイアムステルダム・シティカードが一番お得です。アイアムステルダム・シティカードもオランダ・パスも、観光アトラクションやレストランの割引特典を利用すればさらにお得になります。

モデルプラン②:アムステルダム+周辺都市

1日目にアムステルダム、2日目に風車村ザーンセスカンスを観光するプランです。アイアムステルダム・シティカードはザーンセスカンスでも利用できるので、このプランでも48時間のカードを購入しています。

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このプランでも一番お得なのはアイアムステルダム・シティカードですが、1日目のスケジュールがかなりタイトになっているので、美術館の件数を減らした方が良いかもしれません。ミュージアムカードも、ザーンセスカンスで利用できるのはザーンス博物館のみなので、上限の5回を使い切るために、1日目に4つのスポットを集中的に巡ることになっています。 

モデルプラン③:アムステルダム+2都市

1日目にアムステルダム、2日目にエーデとデン・ハーグに行きます。アイアムステルダム・シティカードはエーデとデン・ハーグでは利用できないので、24時間(60ユーロ)のカードを購入しています。

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まとめ

これまでの3つのプランを比較してみると、オランダ・パスはコンスタントに10~15ユーロ(約1,500円)お得になるパス、アイアムステルダム・シティカードは観光スポットの数を増やすほどお得になるパス、ミュージアムカードはゆっくり美術館を鑑賞するためのパス、ということが分かります。

観光プランをシュミレーションしながら、ぜひご自分の旅のスタイルにあった観光パスを選んでみてください。

※観光施設の料金や観光パスの情報など掲載内容は2019年5月現在のものです。

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Kayo Temel

オランダ在住。アムステルダムの美術アカデミーで絵画を学び、イラストレーターとして活動中。20年の在蘭経験を活かして、オランダを満喫するためのローカルな情報をお届けします。

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