地球に優しい食べ物が大集結!シカゴの「グッドフード・エキスポ」に潜入してきた

先日、アメリカ・シカゴで開催された食の展示会「グッドフード・エキスポ(Good Food Expo)」に行ってきました。体に良いだけでなく、環境に配慮してつくられた食品がたくさん展示されていました。私は環境問題に関心を持ち続けてきました。そこで今回は、会場で見つけた「地球に優しい」食べ物を紹介したいと思います。

目次

根強い人気の「オーガニック」と「ヴィーガン」

会場内を歩き回ると、日本でもおなじみの「オーガニック(Organic)」や 「ヴィーガン(Vegan)」といったワードがよく目に飛び込んできました。

アメリカでは、化学肥料や農薬による河川や湖の汚染に加え、生物の大量死が大きな問題となっています。そして牛などの家畜は、広大な土地で大量の化学肥料や農薬、水を投入して生産された作物をたくさん消費する上、温室効果の高いメタンをげっぷで放出します。一部の農場による家畜の残虐な取り扱いや、ふん尿の垂れ流しも問題視されています。

こうした中、化学肥料や農薬を使わないオーガニック農法で生産された農産物のほか、肉や卵、乳など畜産物を含まないヴィーガン食品の需要が高まっており、売り上げが伸びています。

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<オーガニック野菜のベビーフード>

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<ヴィーガンのごまミルク(上)とエナジーバー(下)>

特によく見かけたのがエナジーバーです。アメリカのスーパーでは数え切れないほどの種類が売られています。小腹が空いたときに短時間で手軽に食べられるので、仕事に子育てに忙しいアメリカ人に支持されています。ばらまき土産にも良いですよね。

地元で採れた野菜でつくったドレッシングなど「ローカル」な食品も並んでいました。長距離輸送の必要がないので、ガソリンの使用や、温室効果ガスの排出を抑えられますね。

捨てられるはずの「あるもの」が犬のおやつに

会場でひときわ面白いものを見つけました。それがこちら。

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ビールの醸造過程で大量に発生する麦芽かすを、ピーナッツバターや小麦粉と混ぜて焼き上げ、乾燥させてつくった犬用のおやつです!製造販売を手掛けるスペントグループ社は、通常は捨てるものから、価値の高いものをつくる会社で、 茶殻でつくったお菓子や、コーヒーかすを使った石けんなどの商品化も現在、検討しているそうです。

アメリカ在住者でないと利用できないのですが、大きすぎる(または小さすぎる)、表面に傷があるなどの理由でお店に並ぶことができない野菜や果物を、自宅に届けてくれるサービスも来場者の関心を引いていました。スーパーの商品よりも30〜50%安いので財布に優しく、農家に収入ももたらします。

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国連によると、世界で生産された食料の約3分の1が、食べられることなく捨てられているそうです。まだ食べられるものから新たな製品をつくったり、必要としている人に届けたりすることで、食料廃棄を減らすことができれば、食料の生産に使われる水や土地、燃料などを無駄にせずに済みますね。

脱プラスチック!水は紙パックで

会場ではペットボトルではなく、紙パックに入った水が用意されていました。白黒のパックなので、一瞬牛乳かと思いました。

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この紙パックは適切に管理された森林から生産された、再生可能な紙を使用。さらに、注水場所まで平らに折りたたんだ状態で輸送されるため、スペースを取らず、ペットボトルに比べて少ない台数のトラックで大量に運べるそうです。

生産や輸送に伴う化石燃料の使用や、温室効果ガスの排出を抑えられるとアピールしていました。プラスチックごみによる海洋汚染が問題視される中、世界的に脱プラスチックの動きが広がっています。紙パック入りの飲料は今後、ますます増えそうですね。

川や海に優しい自然素材コスメ

食べ物ではないのですが、自然素材でできたコスメも注目を集めていました。なんとすべて、10代の子どもたちによって手作り・販売されています。コンコルディア・プレイスという非営利団体の人材育成プログラムの一環だそうです。

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写真の石けんや、ボディ・リップバーム、フェイスマスクは、彼らが育てたハーブや、ホホバオイル、シアバター、ミツロウなど自然のものだけでつくられています。
化学物質を使っていないので、肌に優しい上、水に流しても河川や海を汚染する心配が少ないと教えてくれました。私はストレスや頭痛解消に効果のあるボディバームをすすめられたので買いました。つけ心地が良くてとても気に入っています。

ちなみに、ごみは会場スタッフの指導の下、写真のように徹底的に分別されます。エキスポでは試食時に、大量のお皿やカップが使われますが、ほとんどが堆肥(コンポスト)にできるので安心です。

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エキスポの詳細と人気の理由

エキスポは毎年3月、シカゴのUICフォーラムで開催されます。今年は3月22日(金)、23日(土)に行われました。金曜日は業界関係者向けのトレードショー(見本市)となっており、入場料が必要ですが、土曜日はフェスティバル(お祭り)となっていて、子どもから大人まで無料で参加できます。私は今回、フェスティバルの方に潜入してきました。

主催者によると、開催時期や場所は今後、変わる可能性があるので、ウェブサイトを常にチェックするよう勧められました。外国人観光客も「ウェルカム!」だそうですが、ウェブサイトからなるべく事前来場登録をしてくださいね!とお願いされました。

会場は老若男女問わずさまざまな人が訪れ、一時は身動きが取れないほどごった返していました。アメリカではヘルシーかつ、環境に悪影響を与えずに生産されたものを食べたいと考える人が増えています。このエキスポでは、そんな要望を満たす多くの食品が展示され、試食したり、買ったりすることができるのです。しかも大半が、まだオンラインでしか販売されていないレアものばかり。

有名シェフによる調理実演や、「食事による心の健康改善」などをテーマにしたパネルディスカッションも行われるので、知見が広がります。胃も頭も心も満たせるのが人気の理由といえますね。なかなか面白いイベントだったので、1日があっという間に過ぎました。シカゴにお越しの際は、ぜひ参加してみてください!

基本情報

  • 場所:University of Illinois at Chicago (UIC) 's Isadore and Sadie Dorin Forum
    (725 W. Roosevelt Rd., Chicago)
  • アクセス:シカゴ市営電車(CTA)ブルーライン「UIC-Halsted」駅下車徒歩15分
  • ウェブサイトURL:https://goodfoodexpo.org/
    (トレードショーのチケットもこちらで購入できます)

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アメリカ在住の某日系メディア記者。環境保護主義者。趣味は寺社巡り、温泉、グルメ探索。

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