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ハーブ好き必見!12世紀から続くサレルノのミネルヴァ庭園で癒される
ミネルヴァ庭園は、南イタリア・カンパニア州のサレルノという町にある植物園。古くから療養の地として知られるサレルノでは、治療薬としてハーブが使われていました。それらを育て、医学研究のために造られたのがミネルヴァ庭園です。
この庭園はサレルノの町を見渡せる観光スポットでもあり、特にハーブ好きな方におすすめ!日本でも話題になった伝説のハーブ「マンドラゴラ」の伝承や庭園の見どころなど、その魅力についてご紹介します。
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ミネルヴァ庭園の歴史は12世紀から
ミネルヴァ庭園があるサレルノは、カンパニア州ではナポリに次ぐ人口を持つ大きな町。そしてこの町には、ボローニャ大学に次ぐ古い歴史を持つ「サレルノ大学」があります。
ミネルヴァ庭園は、サレルノ大学の前身であったサレルノ医学校の時代に、治療・研究の一環として12世紀に造られた施設。鑑賞用としてではなく、実際の治療や医学生の勉強ために建てられた歴史ある植物園なのです。
現在のミネルヴァ庭園は、2000年の改装をきっかけに一般開放されました。丘の斜面を活かした設計や、水道管やホースが無かった時代の排水口などがそのまま保存されており、今でも見ることができます。非常に古い建築様式が堪能できるのは、この庭園の魅力の一つと言えるでしょう。
ミネルヴァ庭園の見どころ3選
さて、ミネルヴァ庭園を訪ねたならぜひ見て頂きたいポイントが3つあります。景観と庭園設計、そして伝説のハーブです。ファンタジー作品の雰囲気がお好きな方は必見のロケーションですので、ぜひチェックしてください!
1. サレルノの町を見渡すパノラマ
ミネルヴァ庭園の大きな魅力の一つが、サレルノ湾から町を見渡すパノラマの景観。庭園が丘の中腹に位置しているため、眼下に広がる町並みを望むことができます。
実はこの"丘の上"という立地が、植物を栽培するのに適しているのです。海に近いサレルノは元々温暖で程よい湿度がある環境ですが、庭園は少し高いところに位置するため日当たりが良く、風通しもとても良いのです。実際に庭園のベンチや階段に座ってみると、暖かな日差しと心地よい風を感じることができます。
町の喧騒も届かずとても静かな庭園を歩いていると、植物がのびのびと育っているのも納得できるでしょう。この庭園で熱心にハーブを研究している医師のイメージが自然に沸いてくるような、静かで穏やかな時間が流れています。
2. 5つのパートに分けられた庭園設計
続いては庭園設計の魅力についてご紹介しましょう。ミネルヴァ庭園は、少し変わった形をしています。入り口のある1階から最上部の5階まで、段差で5つに分けられているのです。
この段差によって、水道やホースが無かった時代でも上の階から順番に庭園の隅々にまで水を届けることが可能になっています。これも丘の地形を上手く利用して設計されていることが伺えるでしょう。
床や壁を見てみると、水路のための細いくぼみが設けられそこに水が流れています。ただし、現在は見学者のために水が流されており、実際の栽培では自動で水やりができるようになっています。
水道が無かった時代の配水方法やその実物を見られるのはとても興味深いですね。土木や古い時代の建築に関心のある方は、ぜひじっくりと観察してみてください。
3. 伝説のハーブ「マンドラゴラ」
<ミネルヴァ庭園までの道なりの壁面に、他の植物と共に描かれているマンドラゴラの絵。>
小さな敷地内に約400種類ものハーブが栽培されるミネルヴァ庭園。たくさんあるハーブの中でも特に見逃せないのは、伝説やファンタジーにも登場するハーブ「マンドラゴラ」。ヨーロッパでは伝説ではなく、実際に薬草として使用されていた(※)ハーブですが、特徴的な姿から逸話が生まれ伝説や物語の中にも登場するようになりました。
マンドラゴラは「マンドレイク(Mandrake)」とも呼ばれ、ミネルヴァ庭園では実物が栽培されています。マンドラゴラは根の部分が二股に分かれ人間の足のように見えることから、人のように動くと考えられていました。そして引き抜くと悲鳴を上げ、その悲鳴を聞いた人は発狂してしまうという伝説が広まったのです。この伝説は日本でも知られており、有名ゲームや映画のキャラクターとして登場しています。
※編集部註:マンドレイクはアルカロイドを含む毒草です。現実に見かけても、決して口にしないようご注意ください。
ミネルヴァ庭園で一息つける、ハーブ専門のミニカフェ
ミネルヴァ庭園は段差があり、見どころも多いため歩き回っていると疲れてしまうこともあるでしょう。そんな見学者にとって嬉しいのが、ほっと一息つけるハーブ専門の小さなカフェ「La tisaneria del Giardino」の存在です。
このカフェは庭園内に併設されており、お天気がいい日はテラスでゆっくりハーブティーを飲みながら休憩できます。料金はハーブの種類によって若干異なりますが、ティーポットにたっぷりと入って3ユーロからとお手頃です。テーブルや床はアンティークな陶器のタイルで飾られており、たとえハーブに興味がなくてもここでお茶するだけで素敵な気分になれるはず。
サレルノ観光の際には、のんびりと庭園訪問を♪
ミネルヴァ庭園の魅力は伝わりましたでしょうか?規模はこじんまりしていて派手さはありませんが、サレルノと言う町の歴史が詰まった穴場の観光スポットです。南イタリアを旅する中でサレルノを訪ねる機会があるときは、ミネルヴァ庭園で美しい町並みを眺めつつ、ハーブティーでほっと一息休憩してみてはいかがでしょうか。
ミネルヴァ庭園の営業時間
開園時間(※祝日等で休園する場合もありますので、事前にご確認ください)
- 1月 : 9:30-16:30
- 2月 : 9:30-13:00
- 3月 : 9:30-17:00
- 4月 : 9:30-19:00
- 5月 : 9:30-19:30
- 6・7・8月 : 9:30-20:00
- 9月 : 9:30-19:00
- 10月 : 9:30-17:00
- 11・12月 : 9:30-16:30
基本情報
■名前:ミネルヴァ庭園(Giardino della Minerva)
■休園日:月曜日
■入園料:1人3ユーロ
■住所:Vicolo Ferrante Sanseverino, 1, 84121 Salerno SA
■URL:http://www.giardinodellaminerva.it/
※情報は取材時のものです。最新情報は公式サイト等でご確認ください。
<撮影:La luce del Sud>
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La luce del Sud
- 人々の生活スタイルや風景に魅せられ、イタリアへ。現在は南イタリア・アマルフィ海岸にある小さな町に住んでいます。個人旅行のアテンド・各種視察のコーディネートや通訳をしています。