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映画「あまのがわ」に映画作りの原点を見たような気がした

記事投稿日:2019/01/23最終更新日:2019/01/24

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(©映画「あまのがわ」製作委員会)

こんにちは!たびこふれ編集部のシンジーノです。

映画「あまのがわ」の完成披露試写会に行ってきました。

観終わった後にとても清々しい気持ちになる映画でした。過剰な脚色も演出もなく、この作品を作りたいという古新舜監督の思いがストレートにシンプルに表現されていました。

この気持ちをぜひ皆さんとも共有したく、ご紹介したいと思います。

目次

映画「あまのがわ」のストーリーとテーマ

(映画「あまのがわ」公式WEBサイトより引用)

心を無くした彼女は、身体を無くした彼と、旅に出る

主人公の史織は、東京生まれの高校生で祭りの太鼓奏者であったが、教育に厳しい母親との葛藤から自分自身のやりたいことを見失ってしまう。故郷にいる祖母の入院をきっかけに鹿児島を訪れ、その道中で分身ロボットと出会う。史織は、神秘の島・屋久島で困難やトラブルに見舞われながら、自分自身の心を探す旅に出かける。

「踏み出す勇気が、自分を変える」をテーマに、親との葛藤に悩み不登校となる女子高生が、全身が不自由な青年の操るロボットと旅に出るという物語。舞台となるのは、来年、明治維新150周年を迎える鹿児島、そして世界遺産の屋久島。お互いに異なる境遇の二人が如何にして困難を乗り越えるのか、欠けている部分を助け合っていくのか、誰かのために自分が行動するという「志」の大切さを描きます。

テクノロジーの進化により、世の中は益々便利になっています。人工知能など、人間にはできない役割を担う技術が浸透する中で「人間らしさとは何か?」を本作では問いかけます。古来の大自然が残る屋久島、技術の島種子島を舞台に、生きていく上で大切な、人との出会いと協働の精神の大切さを伝えていきます。

監督・脚本・原作を手掛けた古新舜さんのコメント

(映画「あまのがわ」公式WEBサイトより引用)

本作品は、2014年に企画し、以来3年間の取材・構想を重ね、『明治維新150周年』を迎える鹿児島を舞台に撮影しました。
西郷隆盛さんが大切にした《社会を変える志》《一人ひとりの踏み出す勇気の大切さ》を、時代を越えて日本全国へ伝えていきたい。その想いを本作に込めて発信して参ります。自分は学生時代、対人関係がとても苦手で、自分はなんてダメな人間なんだと思い込んでいました。大学卒業後、映画制作と出会い、仲間の大切さ、他者との協働のあり方を体感し、自分だからこそできることは何か? と考えるようになりました。
東日本大震災の際、福島県南相馬市、相馬市でボランティア活動を行ったことをきっかけに、私たちの幸せとは、自分たちが囲まれている環境や自然、仲間を如何にみんなで愛せるか、だと感じました。

私が映画を観終わった感想

とてもまっすぐな映画です。
そして「映画を作る」とは「誰かに伝えたいことがある」から作るんだ、ということを改めて感じさせてくれた映画でした。

映画完成披露試写会では上演前にキャスト(福地 桃子さん、柳 喬之さん、生田 智子さん、水野 久美さん)と古新監督が舞台で挨拶されました。

試写会場の舞台でもロビーでも、この作品を作りたいと思った監督の思いに共感し、賛同して集まったキャスト、スタッフの、和やかで優しく温かく、そして熱いムードに包まれていてとても心地よかったです。ひとつの作品を、同じ方向を向いてひたむきに作っていくとこういう雰囲気を醸し出すんだなあと感じました。

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一緒に試写を見た知人がこう言っていました。
「これまで何度も、映画完成披露会で、出演した俳優さん達が舞台で挨拶をしているのを聞いたけど、今日ほど俳優さん達が自然に自分の言葉でお話しされているのを聞いたことがない」と。

この映画のキーワードのひとつでもある分身ロボット"OriHime"。

ぱっと見、宇宙人のような、痩せたウルトラマン(?)のような、いわゆる人間的な体温が伝わってこないロボットです。よく人工知能(AI)と間違えられるそうですが、この分身ロボットは中身が全く違うものでした。

そんな、無機質で人間っぽくない分身ロボット"OriHime"が、映画を観ているうちにどんどん血の通った人間のように見えてくるのが不思議でした。特にうつむいている姿など、思わず抱きしめたくなるような気持ちにかられました。仮に本物の人間のように精巧に造られたアンドロイドのような風貌のロボットだったとしたら、逆に嘘くさく見えたかもしれません。

完成披露試写会でも分身ロボットOriHimeが並んでお出迎えしてくれました。こんな試写会も初めての試みではないでしょうか?

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そしてこの日はOriHimeくんも一緒に「あまのがわ」を観ました。

また、映画全体を通して流れるBGMのストリングスがとても心地いいんです。出しゃばらず、優しくて繊細な調べ。登場人物のナイーブな心情が伝わってくるようでした。

特に印象に残った2つのシーン

私が映画「あまのがわ」で特に印象に残ったシーンは2つあります。

ひとつはOriHimeが映画に初めて登場する場面。おお~っ、この後の展開はどうなるんだろうとドキドキワクワクを予感させました。

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(©映画「あまのがわ」製作委員会)

もうひとつは屋久島で史織の面倒を見る天野さんがOriHimeを初めて見て驚くシーン。この時の天野さんの動きがなんともこっけいです。思わず吹き出してしまいました。

俳優さんは皆さんいい味を出されていましたが、中でも私は天野一彦さん役の吉満寛人さんが好きでしたね。すごく自然体なんです。本当に優しい人とは、べたべたした自分本位の優しさを押しつけるのではなく、こういう見守り方ができる人なんだなって思いました。よかった、とってもよかったです。

映画「あまのがわ」の完成披露試写会の進行役は映画評論家でもある襟川クロさんでした。そのクロさんが最後にこうおっしゃっていました。

「この映画は、広告費をバンバンかけて宣伝した映画ではありません。大作秀作でもないかもしれません。でもとってもいい映画です。できるだけ多くの人に観てほしい映画です。」と。

私もこのクロさんのコメントに大いに同意します。

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(©映画「あまのがわ」製作委員会)

映画を観られた方の中には、ひたむきな前向きさが鼻につくという向きもあるかもしれません。ただ私はこういうまっすぐな気持ちに触れることで、自分の中の純粋な部分が刺激を受け、これから生きていく勇気と元気をもらえました。

私たちは自分にとっての不都合、不便、不愉快を周りの人や環境のせいにしてしまいがちです。でも大切なのはその事象を自分がどう受け止めるか、そして自分がどう動いていくかということであり、自分の思考や行動によって、自分を取り巻く環境や未来は変えていくことができる可能性があるということを映画「あまのがわ」は気づかせてくれるのだと思います。とってもいい映画でしたよ。

映画「あまのがわ」

2018年 第31回 東京国際映画祭 特別招待作品
2019年2月9日(土)より有楽町スバル座ほか全国順次公開。

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