ブラジル2大都市!サンパウロからリオデジャネイロまで車で行ってみた!

サンパウロとリオデジャネイロは言わずと知れたブラジルにおける重要な都市です。サンパウロは商業の中心、リオは文化の中心と表現されることが多く、ブラジル人はこの2都市のライバル関係をよく冗談にしています。サンパウロ出身者に言わせると、「リオの奴らは仕事もせず怠けてばかりいるのに、リオがブラジルの中心だと思っている」、そしてリオ出身者に言わせると、「サンパウロの奴らは仕事ばかりして人生の楽しみ方を知らない」とのこと。実際はどちらもブラジル経済を牽引する存在であり、ブラジル文化と歴史の重要な拠点なのです。

この2都市間の距離は直線距離にして357キロ。ブラジルは鉄道が発達していないので二都市間を結ぶのは飛行機か車です。飛行機だと1時間弱のフライトですが、今回は陸路でサンパウロからリオデジャネイロまで向かいました。

目次

国道101号線と国道116号線

サンパウロからリオデジャネイロに向かうルートで一般的に使われているのは2つあります。一つ目は国道101号線(BR-101)。全距離4800キロに及ぶこの国道は12の州にまたがり、ブラジルで最長の国道です。二つ目は国道116号線(BR-116)。全距離4490キロで国道101号線に次いで長く、9州にまたがっています。最北はセアラ州のフォルタレザ、最南はウルグアイの国境から130キロの場所にあるリオ・グランデ・ド・スル州のペロタスを結びます。比較までに、日本最北端の宗谷岬から最南端の佐多岬までの距離が2700キロなので、この二つの国道がいかに長いか想像できます。

この二つの国道の違いは、国道101号線が海岸沿いを行くのに対し、国道116号線は内陸に伸びていること。景色の良さと途中にある観光地の多さ(リオ州の歴史都市パラチ、そしてウバトゥバ、サンセバスチャンといったサンパウロ州の有名なビーチ)を重視するなら国道101号線が勝りますが、最速で行こうと思うなら国道116号線を選びましょう。

ドゥトラ高速(国道116号線)でリオに向けて出発!

国道116号線は区間ごとに別名があり、サンパウロとリオ間は「ドゥトラ高速(Rodovia Presidente Dutra)」として知られています。この区間の距離は402キロ、高速料金は合計約60レアル(約三千円)です。ドゥトラ高速はブラジルで最も重要なルートとされており、国道116号線の最も交通量が多い区間でもあります。この区間はトラックが多く、ブラジルのトラック運転手はワイルドな運転をする人が多いこともあって事故が多い区間としても知られています。ちなみに、国道101号線だとサンパウロを出て沿岸都市のサントスに行き、そこから550キロかけてリオに向かうことになるので、国道116号線よりもだいぶ時間をかけてリオに到着することになります。

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出発の日は午後2時過ぎにサンパウロのペルジーゼス(Perdizes)地区を出発しました。12月末、ブラジルは夏です。天気も良く、運転するには好コンディション。

ドゥトラ高速のサインが見えてきました。ドゥトラ高速へはマージナル・チエテ高速(州道SP-015)からアクセスします。

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マージナル・チエテ高速はサンパウロ州を東西に横切るチエテ川に沿って伸びています。チエテ川は全長1100キロに及び、多くの川とは反対にその流れは海から内陸に向かっています。かつて内陸を目指したインディオやイエズス会の宣教師たちによって好んで使われました。60年代までは魚が泳ぎ、比較的綺麗な水質が保たれていましたが、家庭汚水と工業汚水が垂れ流され続けた結果、汚染が進み、今日ではチエテ川の汚染はサンパウロ州が抱える大きな問題の一つになってしまっています。

IMG_03.JPG川の水は黒く、下水の匂いがします。

サンパウロ市からドゥトラ高速を北上し最初に入るのはガルーリョス市です。この市はサンパウロ国際空港があります。日系の総合病院、サンパウロ日伯援護協会の建物が見えてきました。

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ブラジルの高速沿いでよく見かけるもの、その1。プールの展示販売所。大胆にプールが立てて展示されています。

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ブラジルの大西洋岸の北部から南部にかけては大西洋岸森林が広がっていました。ドゥトラ高速が伸びる地域もこの森林地帯にすっぽり入っています。開発による森林伐採で現在では原生林の7%弱しか残っていません。2009年以降、ドゥトラ高速が伸びる地域では大西洋岸森林の植林プロジェクトが進められています。

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ブラジルの高速沿いでよく見かけるもの、その2。パモーニャのお店の看板。パモーニャとはとうもろこしの粉を練って葉で包んで蒸した、ちまきに似たおやつ。とうもろこしの自然な甘さを味わうことができます。

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IMG_09.JPG前に見た看板からそう離れていない場所にまたパモーニャ屋さんの看板が。

IMG_10.jpeg山小屋風のパモーニャ屋さん。

ブラジルの高速沿いでよく見かけるもの、その3。国道の周りに放牧された牛たち。

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ブラジルの高速沿いでよく見かけるもの、その4。クッピンという羽蟻の蟻塚。地面からボコボコと隆起しているのが蟻塚。すごい数です。

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アパレシーダ大聖堂

アパレシーダ市に近づいてくると、高速沿いを歩く人の姿をちらほら見かけます。こちらの高速は道路沿いにブロック塀があることの方が少なく、高速沿いに住む人が道路を歩いて横切る姿を見ることもあります。運転している方がヒヤヒヤしてしまいます。

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さて、このアパレシーダ市はブラジルの守護聖母、ノッサ・セニョーラ・アパレシーダを祀る大聖堂があるためブラジル各地から巡礼者が多く訪れるのです。1955年に建設が開始された大聖堂は、高さ107メートルの塔と高さ70メートルのドームを備え、4万5千人を収容できるということです。

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果てしなく広がる牧草地。土地と空の広さを実感します。

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サービスエリアで一服

サービスエリアで給油を兼ねて休憩します。ビュッフェのレストラン、カフェとお土産やさんがあります。

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ブラジルのスナックの代表格、ビスコイト・デ・ポウビーリョ。キャッサバ芋の粉が原料の口当たりの軽いお菓子。棒状のものやリング型のもの、いろんな形があります。

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グアバのペーストを固めた羊羹のようなお菓子、ゴイアバダ(写真左側)。そのまま食べても美味しいですが、淡白な味のブラジルのチーズ、ケイジョ・ミナスと一緒に食べる「ホメオ・エ・ジュリエタ(ロミオとジュリエット)」は特に美味。

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サービスエリアを出て、またひたすら国道を走り続けます。長距離バスも多く走っています。ブラジル人は長距離バスで旅行をするときに枕を持参する人が多いのです。

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標識にリオデジャネイロの文字が出てきました。

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サンパウロ州からリオ州に入ると、「リオへようこそ」という看板が掲げられています。

住みたい場所があればどこにでも自分で家を作ってしまうブラジル人。生命力を感じます。こういう風に家がどんどん建てられ、その集合体がファベーラと呼ばれるスラム地区に発展していきます。

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セーハ・ダス・アララス

ドゥトラ高速の一部はセーハ・ド・マールと呼ばれるブラジル南東部の山脈の中に作られています。サンパウロ市は海抜約800メートル、そこから北上するにつれ標高も上がり、高速の通り道でもあるカンポス・ド・ジョルダン市では標高1800メートルにまで至ります。その後、山脈の中を走りながら緩やかに標高は下がりますが、リオ・デ・ジャネイロに近づくとセーハ・ダス・アララスという標高約500メートルのポイントから一気に山を下ります。ヘアピンカーブが続く上にトラックも多いので、ドゥトラ高速の中でも一番運転に神経を使う場所です。

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IMG_26.JPGあと4キロで下り坂は終わり。

セーハ・ダス・アララスを下り終えるとようやく平坦な道路を行くことができ、ホッと一安心です。さあ、リオ到着まであと少しです!

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途中、娘の車酔い事件があり休憩所で予想以上の時間を過ごすことになったことと、思いの外道が混んでいたこともあり、リオ市に入った頃にはもう夜8時を過ぎていました。年末のこの時期は市内から旅行に出かける人が多く、金曜日のこの日は夜に市内が大渋滞。私たちもすっかり渋滞に巻き込まれ、ここでさらに1時間ほどロスすることに。宿に到着したのはサンパウロから出発して7時間後のことでした。

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翌日は快晴!海でのんびり過ごす時間は最高です。7時間のドライブの甲斐がありました。

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サンパウロからリオへのロードトリップ、いかがでしたでしょうか?時間はかかりますが、車の旅はブラジルをより身近に感じる機会を与えてくれると思います。さらに時間に余裕があれば、国道116号線でいろんなビーチや歴史都市に立ち寄りながらの旅もオススメですよ。

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織田典子

パリで6年半過ごした後、結婚を機に2011年からサンパウロで暮らしています。二女の母。夫と共に立ち上げたEbisu Filmesの映像製作プロジェクトに関わりながら、10年以上続けているヨガを広める活動をしています。

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