【LA音楽散歩】アメリカの音楽歴史グラミーミュージアム

2019年2月10日、第61回グラミー賞がL.A.ステイプル・センターで開催された。

そんなこともあり、今回はダウンタウン、L.A.ステイプル・センターの側にあるグラミーミュージアムに足を運んでみました(※訪れたのはグラミー賞開催前です)。このミュージアムは、グラミーアワード50周年を記念して2008年12月にオープンされた音楽博物館です。

目次

グラミー賞とは?

グラミー賞=Grammy Awardsは、ナショナル・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ・アンド・サイエンス (NARAS) が主催する、音楽産業において優れた作品を創り上げたクリエイターの業績を讃え、音楽業界全体の振興と支援を目的とする音楽賞で1959年から授賞式がスタートした。(←この受賞内容は前年1958年の音楽業界の功績を称えたものだ)

毎年2月に授賞式が行われ、アーティストによるパフォーマンスと受賞の模様がテレビ放映される。(日本では現在WOWOWでその模様が生放送されている)

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アメリカ国内でリリースされた楽曲とアーティストを対象にNARASメンバーの投票によって選ばれる。第1回目で、ノミネート作品が選考され2回目で決定される。

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グラミー賞は、音楽業界で最も栄誉ある賞で、その後のセールスにも影響され、受賞したアーティストは格が上がると捉えてもいいだろう。映画でいうアカデミー賞と同列に扱われアメリカでは当日の放送が非常に視聴率の高い番組のひとつになっている。

また受賞者には金色の蓄音機を表現したトロフィーが贈呈される。

これまでに、坂本龍一、喜多郎、松本孝弘、内田光子、上原ひろみ、松山夕貴子、Sadaharu Yagiをはじめとした日本人も受賞している。

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建物はビルディング

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1Fの入り口では、空港並みのセキュリティーチェックが行われており、いかにもアメリカといった感じだ。セキュリティーチェックを終えたら目の前のカウンターでチケットを購入。1Fは受付とお土産ショップになっており、展示エリアはどこか?と思えば、そのままエレベーターを進んで下さいとのことで4Fへ到着。

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エレベーターを下りたら、そこには別世界は広がっていた。目の前には、年代別の蓄音機トロフィーが展示されており、過去のグラミー授賞式の模様が映像で流れている。その奥にはジョニー・キャッシュが着用した衣装が展示されていた。

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マイケル・ジャクソンの記録的受賞

これまでに19回も受賞したマイケル・ジャクソンだが、中でも記録的な受賞をしたのが、1984年第26回グラミー賞において、「スリラー」がなんと8部門受賞したのだ。(最優秀レコード、最優秀アルバム、最優秀男性ポップ歌手、最優秀男性ロック歌手、最優秀男性R&B歌手、最優秀男性R&Bソング、最優秀児童向けレコード、最優秀プロデューサー)

これは、ソロ・アーティストが一夜で獲得した数としては最も多い数となり記録的受賞となった。

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そんなスリラーで実際にマイケルが着用した赤と黒の革ジャケットが本人のサイン入りで目の前に!誰もが知っている、20世紀で最も有名な衣装だけになんとも興奮する瞬間だ。トレードマークの帽子や手袋、その他の衣装を前にしマイケルが非常にスリムだったことがうかがわれる。

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ジャズテナーサックス奏者のジョン・コルトレーン

現在長期に渡ってジョン・コルトレーン展覧会が行われている。

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ジョン・コルトレーンが第一線で活動したのは10年程度だが、チャーリー・パーカー、マイルス・デイビスと並び称されるほどジャズ界に大きな影響を与えたモダンジャズのサックスプレーヤーで1967年に永眠。死後グラミー賞を9回受賞している。

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2017年6月には、56年前に(1963年)に録音された未発表スタジオアルバム「ザ・ロスト・アルバム」が発売されビルボード入りを果たすほど現在も人気は衰えない。

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コルトレーンの功績の展示を見て行く中で、なんとコルトレーンが親日家であったドキュメンタリー映画の一部を目にする。

映像は原爆の映像から始まったので正直驚いた。それはコルトレーンがコンサートの為に来日した時の映像で1966年7月、コンサート前に自ら希望して浦上の爆心地に直行し献花したシーンだった。そしてインタビューの中では、戦争に反対する思いを語っていたのだ。当時長崎でのコンサートには被爆者もいたとのことで、音楽を通じて彼らの心を癒したのが伺える。

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展示物の中には日本でのコンサートのポスターもあり、そんな思いを感じながらジョン・コルトレーンのアルバムを聴き返すとまた違って聴こえるだろう。最初で最後の来日公演だったが、日本への想いは非常に強かったようだ。

過去のグラミーヒストリー

ミュージアムの中には、過去のグラミーヒストリーが年表として大きく展示され、歴史を学ぶことが出来る。また授賞式で実際にアーティストが着ていた衣装が展示されていたり、パフォーマンスされた映像を鑑賞するスペースが設けられている。

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さらにアーティストの手書き譜面や歌詞などの展示もあり、それぞれ時代の歴史を垣間みることが出来る。中でも過去の古い録音物を試聴出来るコーナーでは、ブルースミュージャン、マディ・ウォーターズが初めてレコーディングした「カントリー・ブルース」とインタビューが非常に興味をそそられ、温かみのあるサウンドからは古き良き時代が感じられた。

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映像、録音ブースからは、時代とともに移り変わった音楽のジャンルや歴史、制作過程も学ぶことが出来、アメリカンミュージックの歴史と移り変わりを知るのにはこのミュージアムは欠かせないだろう。

グラミー・ミュージアム(GRAMMY Museum)基本情報

・住所:800 W Olympic Blvd, Los Angeles, CA 90015
・電話:(213)765-6800
・営業時間:10時30分~18時30分(土・日曜は10時~)
・HP:https://www.grammymuseum.org/
※展示物は時期によって変更されることがあります。

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Sayaka Shiomi

ロサンゼルス在住、音楽ジャーナリスト&コーディネーター。現地ならではの情報を御届けします。

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