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白川郷・五箇山の旅【その1】白川郷(岐阜)の合掌造り集落。一度は見てほしい世界遺産
最も素晴らしい日本の世界遺産はどこでしょうか?
大地や海の恵みが美しい自然遺産
歴史・文化・信仰を育んだ文化遺産
日本発展の礎(いしずえ)となった産業遺産
2018年10月現在で22件ある日本の世界遺産は、それぞれに素敵な特色があるので、簡単には決められませんね。
そんな日本の世界遺産の中にひとつ、趣(おもむき)の異なる世界遺産があります。それは、一般の人々が今も暮らす「家屋」の集まりでありながら1995年に世界遺産となった「白川郷・五箇山の合掌造り集落(しらかわごう・ごかやまのがっしょうづくりしゅうらく)」です。
どの世界遺産にもぜひ訪れてほしい魅力がありますが、その中でも「日本人なら一度は見てほしい」のが、この「白川郷・五箇山の合掌造り集落」です。お城でも、教会でも、遺跡でもない、「民家=日本人の暮らし」に価値が認められた世界遺産だからです。
そんな特別な世界遺産である「白川郷・五箇山の合掌造り集落」の旅の楽しみ方を、今回と次回の2回にわたり、紹介します。
目次
- 合掌造りとは?白川郷へのアクセスと見学の所要時間
- 白川郷の見どころ3選 撮影合図は「しらかわ・GO!(ハイ・チーズ)」
- ランチのおすすめ「お食事処 合掌」と、お洒落なお土産ショップ「豆吉本舗」
- 五箇山(ごかやま)にも足を伸ばそう
合掌造りとは?白川郷へのアクセスと見学の所要時間
「合掌造り」とは、山の形に梁(はり)を組み合わせて造る建築様式です。外から見ると、まるで掌(て)を合わせたように見えることから「合掌」造りと呼ぶようになったといわれています。白川郷周辺は冬になると積雪が多く、また雪質が重いため、積もった雪を地面に落としやすいよう、急こう配の茅葺(かやぶ)き屋根が作られました。
このように特異な自然条件にあわせた暮らしの工夫から生まれ、現在も活用されている希少な伝統集落が評価され、世界文化遺産に認定されました。
白川郷は名古屋と金沢の間にあります。名古屋からは岐阜バスで約2時間50分(運賃片道3,900円)、金沢からは北陸鉄道または濃飛バスで約1時間15分(運賃片道1,850円)です。1日がかりではありますが、朝、名古屋からバスに乗って白川郷へ行き、3時間ほど現地に滞在して夕方にはまた名古屋に戻ることも可能です。
白川郷での見学の所要時間は、有名な荻町城跡展望台から全景を見るだけならば1時間、和田家、明善寺郷土館などの見どころも回るなら2時間~3時間、お昼やお土産も楽しみたいなら4時間~5時間といったところです。可能であれば1泊2日の旅にして周辺に宿泊し、次の日に五箇山に足を延ばしてほしいです。
白川郷の見どころ3選 撮影合図は「しらかわ・GO!(ハイ・チーズ)」
白川郷には100以上の合掌造りがあり、代表的な家屋は展示館も兼ねているので、見どころが豊富です。その中でもぜひ訪れてほしいスポットを3つ紹介します。
荻町城跡展望台(おぎまちしろあとてんぼうだい)
白川郷を訪れた際に必ず立ち寄ってほしいのが、荻町城跡展望台です。眼下に広がる合掌造り集落を一望できます。
この光景を目にすると、昔話の世界観などを思い起こし、日本人ならば不思議な懐かしさを感じるのではないでしょうか。僕も1回目に白川郷を訪れたとき、はじめて見た光景のはずなのに、とても懐かしい気持ちになりました。
集落は自然につつまれており、四季折々の風景を楽しむことができます。遊歩道を歩いて約20分で着きますが、シャトルバスも出ています(約10分、片道200円)。
和田家(わだけ)
荻町合掌集落で最大規模を誇る合掌造りで、300年以上の歴史があります。国の重要文化財に指定されています。入場料大人300円で見学することができます。
2階にあがると茅葺き屋根の裏側を見ることができます。養蚕が行われていた様子や実際に使われていた生活用具、農具などが展示されています。
明善寺庫裡郷土館(みょうぜんじくりきょうどかん)
約200年前に建てられた茅葺きの合掌造りで、郷土館として公開されています。囲炉裏の間など当時の暮らしぶりを偲ばせる展示があります。入場料大人300円。
以上がぜひ訪れてほしい3つのスポットですが、このほかにも白川郷にはたくさんの見どころがあります。25棟の特色ある合掌造りを見ることができる「野外博物館 合掌造り民家園」や白川村伝統の祭りを再現した「どぶろく祭りの館」などにもぜひ足を運んでみてください。
僕は白川郷に何度か訪れていますが、行くたびに観光地化が進んでいる印象があります。今回の旅では、展望台などで写真撮影のサービスがはじまっていました。ベストスポットでカメラマンが記念写真を撮って、その場で販売してくれます。その撮影合図は「ハイ・チーズ」ではなく、「しらかわ・GO!」でした。
こういったサービスは素朴な日本の風景を求めてやってきた人には少し違和感があるかもしれません。でもきっと子どもたちの思い出には残るし、面白い掛け声は話題にもなりますよね。
昔のままの白川郷の良さと、観光地としての楽しさが、うまくバランスを取ってより良い白川郷になっていってほしいと感じます。
ランチのおすすめ「お食事処 合掌」と、お洒落なお土産ショップ「豆吉本舗」
白川郷には飲食店やお土産屋さんがたくさんあります。せっかくなら美味しい食事や素敵なお土産を買って帰りたいですよね。ランチのおすすめのお店とお洒落な土産が買えるお店を紹介します。
お食事処 合掌
ランチのおすすめのお店は「せせらぎ駐車場」からすぐのところにある「お食事処 合掌」です。「飛騨牛」や「とちもちなど」の郷土料理を楽しめます。
「飛騨牛朴葉味噌」1,500円は、特製味噌にネギなどの薬味をからめたものを朴の葉に乗せて焼き、飛騨牛と食べる郷土料理。柔らかくジューシーな飛騨牛に味わい深い味噌がからまり、大満足の美味しさでした。
お店のおすすめはすりつぶした大豆に出汁をまぜた汁を用いる「すったて定食」「すったてラーメン」だそうです。
豆吉本舗
草津、倉敷、道後、湯布院などでお店を展開する「豆吉本舗」の白川郷店です。「豆吉本舗」はたくさんの種類の豆菓子が揃った豆菓子専門店です。豆系のお菓子が好きな方にはおすすめのお店です。
本当にたくさんの豆菓子が揃っていて、白川郷店オリジナル商品もだけでも色々とありました。パッケージもお洒落でお土産に喜ばれそうですよね。
僕のいちおしは「海老ちゃん」440円です。海老の旨味と豆の美味しさがベストマッチ。サクサクの食感が最高であっという間にたくさん食べてしまいます。
五箇山(ごかやま)にも足を伸ばそう
今回紹介した世界遺産は「白川郷・五箇山の合掌造り集落」です。
合掌造りといえば「白川郷」がとても有名なのですが、世界遺産に登録されているのは、岐阜県・白川郷(大野郡白川村)の「荻町集落」と、富山県・五箇山(南砺市)の「相倉集落」「菅沼集落」の3つの「合掌造り」集落です。
白川郷まで行ったなら、ぜひ五箇山の2つの集落にも足を伸ばしてください。五箇山には白川郷とはまた違った素敵な魅力があります。
次回は五箇山の旅を紹介します。
施設情報
「白川郷」世界文化遺産
■住所:岐阜県大野郡白川村荻町1086 白川郷バスターミナル内
■電話:05769-6-1013
■ウェブサイト:https://shirakawa-go.gr.jp/
■入場料:無料
■村営駐車場営業時間:8:00~17:00(集落内に宿泊する者以外の見学時間も同じ) 無休
■1995年に世界文化遺産に登録
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将虎
- 日本旅行業協会公認の「世界遺産スペシャリスト(世界遺産検定1級と総合旅行業務取扱管理者資格)」。日本の世界遺産の専門家。