特急「指宿のたまて箱」で向かう日本初のハーブ園と九州最南端の旅

日本本土の最南端、開聞岳(かいもんだけ)の麓にある芳樟の森(ほうしょうのもり)には、天然香料を生産する日本最古のハーブ栽培園があります。

鹿児島の中心部から観光列車とバスで巡る九州最南端の旅で立ち寄った【開聞山麓香料園】を紹介します。

目次

期待を裏切らないワクワク観光列車「いぶたま」

鹿児島を訪れるのは二度目の私。三か月前の初訪問のときは、歴史ドラマの影響でにぎわう鹿児島市内の様子と、そこから眺める桜島の雄大さに感動を覚えました。

今回も短い滞在日数でしたが、日本最古のハーブ園があるという指宿(いぶすき)まで足を延ばしてみることにしました。

鹿児島観光初心者にとって、鹿児島中央駅構内にある観光総合案内所は心強い味方です。翌日の夜には飛行機で成田に向かう私のスケジュールに合わせて、指宿の日帰り旅をコーディネートしてくれました。

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案内員さんイチオシの、特急「指宿のたまて箱」。愛称「いぶたま」。鹿児島中央駅から指宿までを運行する指宿枕崎線の観光列車は、白黒半分の斬新なデザインです。

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発車の準備が整うと、「シューッ」と車両から蒸気が噴出します。この水蒸気、浦島太郎に出てくる玉手箱に見立てているのだとか。鉄道マニアではない私でも思わずカメラを向けてしまう演出です。

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車内の様子。2人掛けの回転リクライニングシートと大型テーブルつき4人向かい合わせ席のほか、ソファー席や海側の窓側を向いたカウンター席があります。木製の車内は明るく、かわいらしい空間です。

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ファミリーやカップルは、客室乗務員さんに記念写真を撮ってもらっていました。

その風景を撮っていた私に向かって一人の客室乗務員さんが、「お客様もいかがですか?」と勧められるままに撮ってもらったのがこの写真。

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「いぶたま」は、海沿いを走ります。青い空、青い海!!

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絶景を見ながら過ごす贅沢な時間は55分。終点の指宿に到着。

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私は1日乗り降り放題の便利なバス乗車券を買い、目的地であるハーブ園に向かいます。

70年の歴史ある芳樟ガーデン

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バスで揺られること45分、ようやく【開聞山麓香料園】に到着しました。

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まず目に入ったのが、この大木。香料園のシンボル、芳樟(ほうしょう)です。

芳樟は、クスノキ科の大木でリナロールという芳香物質を多く含み、その含有量はクスノキの1.5倍といわれます。芳樟の葉から得られる精油は、ホーリーフオイル、枝から得られるものをホーウッドオイルといい、これら精油の中の30~70%がリナロールです。

リナロールは、ラベンダーやベルガモットに代表される香りで、甘く上品で華やかな印象を与えてくれることから、高級な香料に使われます。

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開聞山麓香料園は70年もの間、芳樟の天然香料を採油しており、レトロな雰囲気の店舗では、香水や香り雑貨を販売しています。

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壁には芳樟のスワッグが飾ってあります。

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芳樟に囲まれた中に、さまざまな芳香植物(ハーブ)を見つけることができました。

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大木化するティーツリーの小さな木は、ざっと数えたところ200株くらい。芳樟を隔てた奥の畑にも、さらにティーツリーの幼少苗が並んでいます。

他にはおなじみのローズマリーやレモングラス、ゼラニウムなどといった香りの強いハーブが所狭しと植わっています。これらも香料原料になるのでしょう。

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園の中央には「マグノリアの樹」があります。看板には、"『風と共に去りぬ』のヒロイン、スカーレットオハラが、この木の下で恋人と会っていた有名な木です。"と書かれています。マグノリアはモクレンの仲間。宝塚版『風と共に去りぬ』では、劇中、『君はマグノリアの花の如く』が歌われます。

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ロマンティックなマグノリアには、こんな実がなるのですね。

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これが香料を採取する工場です。採油の様子を見学できる体験講座などがあるとのこと。私もいずれまた伺いたい!!

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ひととおり散策した後はカフェで一休み。1時間に1本というバスのダイヤに合わせて少しの間、時間調整をします。

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鮮やかなハイビスカスかき氷で乾いたのどを潤し、店内に飾られたさまざまなハーブの写真や芳樟リースを眺めながら、香料園の歴史を感じることができました。

開聞岳を望む感激の大自然

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次に向かった先は、池田湖。大昔、火山活動によってできた周囲15km、水深233mの九州最大の湖です。湖水は藍色に澄み、薩摩富士と呼ばれる開聞岳が望めます。

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体長2m、胴回り50cmの大うなぎが生息していて、幻の怪獣「イッシー」の湖として有名です。

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薩摩半島最南端にある長崎鼻。奥には開聞岳が見えます。

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ここは竜宮伝説の発祥の地といわれており、浦島太郎と乙姫様の出会いにちなみ、縁結びの神様が鎮座する龍宮神社があります。

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この神社では、貝殻に願い事を書いて奉納する「貝殻祈願」が人気だそうです。こんなところに亀が...縁起もよさそうです。

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自然の雄大さに、出る言葉もありません。ただただこの景色を眺めるだけの時間をしばらく過ごし、九州最南端の地を後にしました。

開聞山麓香料園

■住所:鹿児島県指宿市開聞川尻6229
■電話番号:0993-32-3321
■営業時間:9:00~17:00
■休園日:毎週火曜日
■入園料:無料
■HP:http://www.hoshogarden.com/

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イブプリ

お茶しながらのおしゃべりが大好き。い~香り♪のハーブティーにはまってからは、その薬効にも魅了され、あちこちに植物観察へ。それでも飽き足らず、自分で栽培&活用のためのイベントもやっちゃう熱中型。楽しいことして元気になる!がモットー。

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