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超高カロリー!でもクセになるスコットランドのB級グルメ「揚げマーズバー」
イギリスのB級グルメと聞いて、まず思い浮かべるのは「フィッシュ・アンド・チップス」ではないでしょうか。白身魚のフライとフライドポテトを一緒に食べる軽食ですが、イギリス全土で愛されている国民食と言っていいほどポピュラーな存在です。そして、そんな揚げ物が大好きな人々は、甘いおやつまでフライにしてしまいました。そんな、イギリスの知られざる「甘いB級グルメ」をご紹介いたします。
目次
街の小さなお店から生まれた人気B級グルメ
その「甘いB級グルメ」とは、「揚げマーズバー」(Deep Fried Mars Bar)。「マーズバー」というヌガー入りのチョコレートバーを、フィッシュ・アンド・チップスを作る際につける揚げ衣(batter)を付けて揚げてしまったお菓子なのです。ただでさえハイカロリーなチョコレートバーを、油で揚げるなんてちょっと驚きですね。
今でこそイギリス中で知られた存在の揚げマーズバーですが、元々はイギリス北部スコットランドのストーンヘイブンという街にある「ヘイブン」(The Haven)というフィッシュ・アンド・チップスのお店が1992年に売り出したのが発祥だと言われています(現在はオーナーが変わり「キャロン・フィッシュバー」(The Carron Fish Bar)という店名)。
地元の学生たちがふざけて「マーズバーを揚げて!」とオーダーしたところ、本当にその場で特別に作ってくれたのだとか。その学生たちは揚げマーズバーの美味しさが忘れられず、同級生たちにその美味しさを触れ回ったところ、揚げマーズバーの評判は地元中に広まりました。あまりの人気ぶりに揚げマーズバーはお店の定番商品になり、今では世界中からこのB級グルメ目当てに人々が訪れ、平均で週150本は販売されるのだそう。テイクアウト専門の小さなお店ですが、ここから人気B級グルメが生まれたと思うと感慨深いですね。
クセになるハイカロリーな味
お店の外にも誇らしげに「世界的に有名なマーズバーフライ発祥の地です」と書かれています。
ちなみに揚げマーズバーは、この「キャロン・フィッシュバー」では1個2ポンド(2018年8月現在約282円)。
作り方は、マーズバーにフィッシュ・アンド・チップスの揚げ衣(小麦粉とビールを練ったもの)を絡めて揚げるだけ。でもマーズバーは温まりすぎるとチョコレートが揚げ油に溶けてしまうので、調理直前まで冷蔵庫で冷やしておくのが美味しく作るコツなのだとか。こういうB級グルメにも、意外なこだわりがあるんですね。
そして肝心の味は、みなさまが想像するよりも、おそらく美味しいです。筆者も食べるまでキワモノ扱いしていたのですが、サクサクの揚げ衣とトロッとしたチョコレートの風味が意外なほどにマッチしていました。クセになりそうな、危険な味です。
ただ、カロリーは1個2000kcalくらいあるんじゃないかと言われているので、頻繁に食べるのは非常に危険です。そしてお知らせしておかないといけないのは、スコットランドにはふくよかな方が非常に多いということ。世界の先進国において、肥満と診断される成人の割合が最も多いのはアメリカで、2番目がこのスコットランドなのだとか。こんなに高カロリーなスイーツを食べていたら、確かにそうなっても不思議ではありませんね。
スコットランドの「キャロン・フィッシュバー」
スコットランドのみならずロンドンなどでも、フィッシュ・アンド・チップスのお店で揚げマーズバーを食べられることもあります。ただしすべてのお店で取り扱いがあるわけではないので、オーダーの前によくメニュー表を確認したほうがいいかもしれません。そしてせっかくなら、発祥の地であるスコットランドの「キャロン・フィッシュバー」まで足を運んでみてはいかがでしょうか。
基本情報
店名:Carron Fish Bar
住所:1 Allardice Street Stonehaven, United Kingdom
TEL:+44 1569 765377
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倉田直子
- オランダ在住ライター。2008年、北アフリカのリビアへ移住→2011年2月「アラブの春」で空港閉鎖前日にギリギリ脱出→2011年8月UKスコットランドに移住→2015年6月にオランダへ再移住。著書「日本人家族が体験した、オランダの小学校での2年間」