オランダのアムステルダム中央駅から電車に乗ってみよう

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アムステルダム中央駅

アムステルダム中央駅は、オランダの首都アムステルダムにあるオランダ鉄道の主要駅です。

各都市への列車、メトロ、トラム、バスなどの交通機関が乗り入れ、1日の利用者数は16万人に上ります。

スキポール空港からのアクセスも良く、多くの観光客が到着するオランダの陸の玄関口です。ドイツやスイス行きのICE、フランスやベルギーに向かうタリスなど国際列車も発着するため、インターナショナルな雰囲気です。

駅構内のレストランやカフェ、ショップなども充実し、快適な時間を過ごせる複合施設でもあります。19世紀に建てられた駅舎は、文化遺産としての見どころも満載です。

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<アムステルダム中央駅の線路とプラットホームを覆うトレイン・シェッド>

基本情報

アムステルダム中央駅は、外国人観光客にとっても分かりやすいシンプルな構造です。地上階の南側には中心街に向かうステーションホール (Stationhal)、北側にはバスターミナルに隣接するアイホール (IJ hal)があり、それぞれがコンコースでつながっています。

自動改札機を通ると、各ホームへの階段が一列に並んでいるので迷うこともありません。1番線を除くホームは西側が「a」、東側が「b」に分かれているので、乗り場を間違えないように注意してください。

列車の時刻表には30分、1時間間隔など統一性があります。発着時間やホーム、遅延情報は電光掲示板でタイムリーに更新されます。インフォメーションで行き先を伝えると、発車時刻やホームをすぐに教えてもらえます。

アムステルダム中央駅の自動改札機は乗車券がなくても通り抜け可能なので、ショッピングや食事のために駅を利用することもできます。

列車の種類

アムステルダム中央駅には、タリスやICEなどの国際列車と、オランダ各都市を結ぶ国内列車が乗り入れています。

パリやブリュッセル行きのタリスは予約が必須です。ドイツのケルンやフランクフルト、スイスのバーゼル行きのICEは、一部のICE-Sprinterを除いて任意予約制です。確実に座りたい方は座席指定をしてください。

国内列車には、特急列車のインターシティ (intercity) とシュネルトレイン (sneltrein)、普通列車のスプリンター (sprinter) とストップトレイン (stoptrein) があります。アムステルダムを中心に約2800kmの鉄道網が敷かれ、中小都市へのアクセスも便利です。

乗車券の購入方法

乗車券は駅の窓口または自動券売機で購入します。窓口は手数料がかかるため割高です。オランダ鉄道のHPで事前に購入することも可能です。列車内での購入や清算は、無賃乗車の扱いを受け罰金を科されることがあるのでご注意ください。

自動券売機では画面左下で英語に切り替え「チケットを購入する」を選択し、以下の手順で購入します。

① 片道・往復を選択
② 行き先の駅名のアルファベットを入力し駅を選択
③ 割引カードがある場合は割引価格を選択
④ ファーストクラス・セカンドクラスを選択
⑤ 当日・後日使用を選択
⑥ 購入枚数を選択
⑦ 支払い方法(硬貨、クレジットカード、デビットカード)を選択
⑧ 領収書が必要な場合は「領収書」を選択

支払いが終ると乗車券と領収証が出てきます。

OVチップカードの利用

OVチップカード(OV-chipkaart) はオランダの公共交通機関で使用できるICカードです。観光客が使用する、無記名式OVチップカード(Anonieme OV-chipkaart) は7.5ユーロで、駅の窓口や一部スーパーマーケット、タバコ販売店で購入できます。使いきりの乗車券よりも経済的です。

OVチップカードで電車に乗るには、カードを有効化 (activeren) する必要があります。また、最低20ユーロのチャージ残高が必要です。上限額は150ユーロですが、紛失や盗難の際に停止できないので、高額の入金は控えてください。

チャージ残高が30ユーロ未満であれば、帰国時に現金で払い戻しを受けられます。5年間有効なので、次のオランダ旅行のためにキープすることもできます。

OVチップカードはカードリーダーにタッチし、乗車駅でチェックイン、下車駅でチェックアウトを行います。アムステルダム中央駅にはゲート式の自動改札機もあります。

精算方法は日本のSuicaのようなICカードとは異なり、チェックイン時に定額のデポジット(10ユーロ) が引き落とされ、チェックアウト時に運賃との差額が返金されるシステムです。チェックアウトを忘れると差額が返金されません。

オランダでは改札のない駅もあるので、下車の際には自らカードリーダーを探し、チェックアウトを忘れないように注意してください。チェックアウトを忘れた場合は、払い戻し手続きが必要になります。

また、乗車前のチェックインを忘れてしまうと、列車内での検札で罰金を科されることがあるのでご注意ください。

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OVチップカードでチェックアウトする際はディスプレイに表示される運賃とカード残高を確認しましょう。

電車の乗り方

オランダの鉄道は手動でボタンを押して乗車・下車します。車両外側にはファーストクラスなら「1」、セカンドクラスなら「2」の表示があります。ファーストクラスの方が空いていますが、設備やサービスはセカンドクラスと同じです。

自転車のマークが表示された車両にはラッシュアワー(6:30~9:00と16:30~18:00) を除いて、6.2ユーロの一日券で自転車を持ち込めます。折りたたみ式の自転車は無料です。

ペットは、ケージに入れたり膝に乗せたりできる小型犬は無料ですが、大型犬は3.1ユーロの一日券を購入する必要があります。ペットは電車の座席を使用することはできません。

19世紀の駅舎を見学

1889年にオランダ人建築家ピエール・カイパースによって設計されたアムステルダム中央駅は、オランダの国家遺産に指定されています。赤レンガ造りの駅舎はゴシックとルネサンスを融合させた様式で、細微な装飾が目を引きます。

線路とプラットホームを覆うトレイン・シェッドも圧巻です。19世紀のヨーロッパでは、近代都市を象徴する大型のトレイン・シェッドが流行し、アムステルダム中央駅にも径間45mの巨大なトレイン・シェッドが建設されました。

駅舎東側には、王室のための貴賓室と車寄せがあります。2番ホームでは、貴賓室に続く煌びやかな扉が見られます。Artifexの企画する見学ツアーもあります。貴賓室はアムステルダム、デン・ハーグ、ユトレヒトのバールン駅にのみ設けられています。

貴賓室のすぐ隣にある『グランカフェ・ファーストクラス』は、かつての一等車の待合室を改装したレストランです。19世紀にカイパースがデザインした豪華なラウンジで、良心的なお値段の美味しい食事を楽しめます。

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<2番ホームにある貴賓室の扉>

近代的な北口アイホール

ノスタルジックな雰囲気のプラットホームや南口とは対照的に、北口のアイホールは近代的にリニューアルされています。明るく開放的な空間に、各国料理やシーフードレストラン、カフェやビアバーが並びます。

アムステルダムの都市プロモーション「I amsterdam」の公式ショップ 『I amsterdam Store』 も人気です。ロゴ入りグッズやオランダ関連の書籍、ダッチデザインの雑貨など、見ているだけでも楽しいスポットです。観光案内所としても利用できます。

駅構内を思う存分楽しんだら、北口から発着する無料フェリーでアイ湾クルーズを楽しむもよし、レンタサイクルで街へ繰り出すもよし。ぜひ一度、アムステルダム中央駅に足を運んでみてください。

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<『I amsterdam Store』では美術館やイベントのチケットも購入できます。>

Information

◆アムステルダム中央駅
Station Amsterdam Centraal
Stationsplein 15, 1012 AB Amsterdam

◆オランダ鉄道
Nederlandse Spoorwegen (NS)
https://www.ns.nl
乗換案内・乗車券購入

◆Artifexが企画する貴賓室の見学ツアー
https://www.artifex.nu/aanbod/bezoek-de-koninklijke-wachtkamers

◆グランカフェ・ファーストクラス
Grand Cafe-Restaurant 1e klas
https://www.restaurant1eklas.nl/
8:30-23:00 定休無

◆I amstserdam store
https://www.iamsterdam.com/en/i-amsterdam-store
月-水8:00-19:00/ 木-土8:00-20:00/ 日10:00-18:00

※記事中の情報は2018年5月現在のものです。

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Kayo Temel

オランダ在住。アムステルダムの美術アカデミーで絵画を学び、イラストレーターとして活動中。20年の在蘭経験を活かして、オランダを満喫するためのローカルな情報をお届けします。

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