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飛行機内に持ち込みできない荷物、預けることができない荷物
飛行機の安全な運行のため、機内に持ち込める荷物には制限があります。その中には地上でも危険物となるような、刃物や凶器はもちろんのこと、空を飛ぶという特殊な環境のために制限されているものもあります。
これらは基本的に航空法や国際民間航空機関(ICAO)の取り決めにより、世界共通の基本ルールが定められていて、それに則って決められています。ただし、航空会社や国際線であればその行き先などによって異なることがあるので、気になる荷物があれば、事前に利用する航空会社に問い合わせをすると良いでしょう。
ここでは飛行機内に持ち込みできない荷物について6つの項目に分けて説明します。
目次
<3. わかりにくいけど要注意!実は飛行機に持ち込めない荷物>
1. 飛行機内に持ち込みできない荷物
機内に持ち込む荷物には、大きく分けて利用者が機内に直接持ち込む「機内持込み手荷物」と、搭乗前に航空会社のカウンターで預ける「お預け手荷物」の2種類があります。また、荷物にはこの両方ができないもの、どちらかならできるものがあります。
原則として以下のものは「機内持込み」できません。
- ハイジャック・テロなどで凶器として使用されるおそれのある刃物類
- 凶器になりうる物(スタンガン、ハサミ、バットなど)
事前に「お預け手荷物」にする必要があります。また、これらの危険物と見なされるものには、普段は危険物とは見なされない刃物類・趣味に使うものなど、危険物と気づきにくいものも含まれています。
<出典:写真AC>
- 折りたたみ式の果物ナイフやカッター、ハサミなど
- ゴルフクラブや野球用のバット
- スキー、スケート靴などのスポーツ用具
- 釣竿、釣り針
- 大工道具
- ダーツの矢
さらに形状や大きさによっては機内持ち込みができたり、できなかったりもするので、わからないものは事前に利用する航空会社に問い合わせましょう。
2. 機内持ち込みに注意が必要な荷物
機内への持ち込みが制限されているものには、物品名が同じでも、内容によってできるものとできないものもあるので注意が必要です。
ライター
<出典:写真AC>
喫煙用のライターやマッチは、個人で使用するときのみ、持参して「機内持込み」が可能です。
ただし、小型かつ携帯型のものいずれか1個で、液化ガスライター(いわゆる100円ライター等の使い捨てのもの)、吸収材に燃料を吸収させたオイルライターに限られていて、吸収剤がないオイルライターは持ち込むことはできません。
発火の危険性があるので、どんな種類のライターでも「お預け手荷物」にはできません。「予備をスーツケースに入れて......」ということもできないので気をつけましょう。
アルコール
<出典:写真AC>
一般的にアルコールと聞いてイメージする酒類に関しては、アルコール度や量によって持ち込むことが可能です。
まず、小売販売されている容器に収納されていることが前提で、アルコール度が24%以下のもの、またはアルコール度が24%を超え70%以下のものは一人あたり5リットルまでという制限つきで、「機内持込み」「お預け」ともに可能です。
ですが、国際線での「機内持込み手荷物」では、すべての液体は100ミリリットル以下の容器に入れ、それらの容器を1リットル以下のジッパー付き透明プラスチック袋に入れることになっているので、その範囲内に限ります。さらにアルコールの場合は、小売販売されている容器に収納されていることが条件です。サイズ的に持ち込めるものはかなり限られることになります。また酒類であっても、アルコール度が70%を超えると、「機内持込み」「お預け」の両方できなくなります。
なお、機内に持ち込めても、外部から持ち込んだものの飲酒は禁止されている航空会社もあるので注意しましょう。
アルコール消毒液、アルコールを含む化粧品、香水、医薬品などについても、指定の量、ルールに沿った形であれば持ち込みが可能です。
3. わかりにくいけど要注意!実は飛行機に持ち込めない荷物
一見すると何の危険も感じられず、持ち込みが可能そうに見えて、できないものもあります。
ソムリエナイフ
ソムリエナイフ(コルク栓を開けるための道具)は、ワイン好きだとつい「機内持込み」してしまう方もいます。しかし、ナイフがついているものについては、持ち込みは禁止です。ナイフのついていないワインオープナーにするか、「お預け手荷物」に入れるようにしましょう。
三脚
撮影に使う一脚や三脚ですが、折りたたんだ状態で60センチメートル以上になると、凶器として使用できるとみなされ、「機内持込み」にできなくなります。「お預け手荷物」に入れるようにしましょう。
4. 飛行機に預けることができない荷物
先に紹介したライターを含め、「機内持込み」はできても、「お預け手荷物」にできないものもあります。
貴重品(スマートフォンや通帳)
スマートフォンや通帳などの貴重品は「お預け手荷物」には入れられません。これらを預けてしまった場合、紛失しても航空会社側では責任を負えないので、「機内持込み」としての自己管理が必要です。
高価なもの(宝石や現金など)
宝石類、有価証券、美術骨董品などの高価品も貴重品同様、「お預け手荷物」には入れられません。これらを預けてしまった場合、紛失や破損をしても航空会社側では責任を負えないので、「機内持込み」として自己管理が必要です。
5. 飛行機に持ち込みも預けることもできない荷物
上空という特殊な環境ということもあり、「機内持込み」「お預け」ともにできない荷物もあります。
酸素ボンベ(医療用のものなら可の場合あり)
基本的に酸素ボンベは「機内持込み」「お預け」ともにできません。ただし、医療用のものに限り、事前に病院からの診断書を受け、航空会社に申請すれば可能となります。この規定については各航空会社によって基準が異なるので、必ず使用者の状況と航空会社の受け入れ体制を確認する必要があります。
6. 爆発する可能性がある荷物(クラッカーなど)
クラッカーなど火薬類を含む爆発する可能性があるものは、「機内持込み」「お預け」ともにできません。
燃えやすい荷物(ガス、炭など)
マッチ、炭などの可燃性物質、カセットコンロやガスバーナーのガス、ダイビング用ボンベなど高圧ガスを使っているものも、「機内持込み」「お預け」ともにできません。
7. 持ち込みできない荷物を持っていたらどうなる?
手荷物検査で、持ち込みできない荷物が含まれていると判明した場合、以下のような選択肢があります。
- 荷物を廃棄する
- お預け手荷物とする(可能な荷物な場合)
- 空港の一時預かりサービスを利用し、帰ってきた際に受け取る
- 飛行機に乗るのをあきらめる
廃棄は、あくまで自身の意思での廃棄であり、強制的に没収されるといったものではありません。ものによっては、捨てづらいものもあるはずです。焦らず他の選択肢も検討した上で判断しましょう。
以上ご説明してきたように、機内に持ち込める荷物には様々な制限があります。航空会社や渡航先によっても違ってきますので、対象となりそうなものはあらかじめ調べておき、空港で廃棄しないといけない事態などを避けるようにしましょう。調べてもわからないものについては、利用する航空会社に問い合わせをするようにしましょう。
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