マンマの料理を学ぶ!地元料理を直に体験できるイタリアの料理レッスン

イタリア料理に関心のある方必見!現地イタリアのマンマ(※)のご自宅にて開催される料理レッスンを通じ、食の国イタリアの文化と生活に深く踏み込む刺激的な体験を、ヴェネト州パドヴァ在住のライターがご紹介します。
※マンマ(mamma)=イタリア語でお母さんの意味

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お料理だけじゃない楽しさ!地域によるオリジナル性を知る

イタリア料理の真髄は、マンマの料理。どんな有名シェフでも、「自分のマンマの料理が一番!」と言うくらい、マンマの味はイタリア料理を支える基盤ともなるものです。イタリア料理と書きましたが、それはイタリア各地の地方料理からなるもの。各地方、いや、各町にそれぞれに伝わる伝統料理が存在し、それが土地の人たちの食文化として根付いています。それがさらにイタリア全土へと定番化するものもありますが、その多くは土地の文化や土壌に影響して発達するもの。今でも各地に息づいています。

地方の伝統料理には、日本人の私たちがまだ知らない料理や料理法が残っています。それらを訪ね、体験し学ぶことは、料理だけではないイタリアの文化を知ることにもつながるものでしょう。 そして、イタリアから帰国した後も、普段の食卓にメニューを取り入れることはもちろん、外食の際や食材の買い物の際などに体験した経験が生かされることは間違いありません。イタリア旅行の良き思い出となることでしょう。地元ならではの美味しい料理を体験できます。レストランとは違う、家庭の味、あたたかいイタリアのマンマの味です。

地元料理をマンマに学ぶ理由<1>イタリア人の生活を知る

私がオススメするのは、各地方に住むマンマからお料理を学ぶ、という体験型のイタリア旅。実際にその土地へ行き(有名な観光地ではない場合も多いです)、料理を教えてくれるマンマのご自宅へ伺う、非常に興味深い体験です。

イタリア人のマンマは概して働き者で綺麗好き。それは彼女たちの家に一歩入ったところですぐに感じられます。綺麗に整頓された家のなかには、ピカピカに磨き上げられた調度品に驚かされること間違いなし。そして使いやすく清潔に保たれたキッチンを見れば、マンマの料理に対する愛情も感じられるでしょう。

家の片付け方、そしてセンスよく配置されたインテリアには、イタリア人ならではのセンスが光ります。愛情をかけて家を、家族を思うイタリアマンマの生活ぶりに学ぶべきところは多いもの。観光地を歩くだけでは解らない、イタリア人の普通の生活を感じられる機会でもあります。

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若いころに作った手編みレースのテーブルクロスをお披露目してくれたマンマのお一人、「グラツィエッラさん」。他にもたくさんあり、大切に保管されていました。もちろんテーブルクロスはどれも現役で活躍しています。

地元料理をマンマに学ぶ理由<2>料理だけでなくテーブルセッティングも学べる

マンマの料理は、季節の素材を使った地元料理です。その季節の美味しい食材を、その人ならではの調理法でお皿に仕立てていきます。 その過程を見ていると、面白いことも多く発見します。

その一つは、「イタリア人マンマは概してまな板を使わずに野菜を切ること。」手のなかで上手に野菜の処理をしていき、切ったものはそのまま直接鍋へ......というパターンが一般的です。玉ねぎの細かいみじん切りまでも、上手に素早く、手の中で終えることさえできます。肉や魚、季節の地元ならではの野菜、さらに土地に伝わるパスタ......。塩やオイルを中心としたシンプルな味つけだからこそ、調味料の生産地にもこだわる考え方等、料理全体に対する細かな配慮を感じることでしょう。

ベテランマンマの使う道具にも、こだわりがあります。数十年来、結婚当初から使用しているという鍋は、その年期を感じさせないくらいピッカピカに磨き上げられたものばかり。 今まで体験したことのないくらいの、お料理に対する姿勢や情熱が感じられますね。

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素敵なテーブルセッティングで私たちを迎えてくれます。季節に合わせた計らいがとても嬉しいものです。

さあ、レッスンに参加してみよう!

お料理レッスンの例として、2人のヴェネチアマンマのケースを紹介しましょう。

1.アダさんの料理レッスン

まず一人目は、ヴェネチア本島在住の「アダさん」。ヴェネチアで非常に有名なオステリア(レストランの一種)で、40年間女性シェフとして厨房をまとめてきた頼もしいマンマです。

彼女とのレッスンはリアルト橋ふもとの魚市場でのお買い物からスタート。その日に新鮮な素材を現場で吟味し、彼女の自宅へ。途中、美味しいコーヒーを飲んで一休み、パン屋さんに寄ってパンを買い......などと寄り道しながらの帰り道でした。

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購入する店や素材の選び方なども勉強になります。

アダさんのご自宅は、小さな路地にあるごく一般的なヴェネチアのお部屋。小さいながらも快適な部屋の一角にキッチンがあります。

手際よく、買ってきたものを目の前で次から次へと調理をします。魚の処理などは彼女の手ほどきのもと、一緒に作業。あっという間にテーブルの上には美味しいヴェネチア料理でいっぱいになりました。できあがったところでワインを注いで皆で試食です。

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こちらがアダさん。シンプルな料理なのに驚くほど美味しい。そして小さなキッチンで料理する手際の良さにいつも驚かされます。

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お料理を習いにきてくださった、東京とソウルでイタリア料理教室を主宰されていらっしゃる先生とそのご家族。アダさんの一番小さな生徒さんも一生懸命メモをとっています。可愛いですね。

2.ロッサーナさんの料理レッスン

もう一人はヴェネチア郊外に住む、「ロッサーナさん」。彼女はご自宅で料理サロンを開いています。普段はプロのシェフを招いてのデモンストレーションですが、日本人の私たちに向けては、料理上手な彼女が家庭のヴェネチア料理を披露してくれます。ご主人とお母様と一緒に住む彼女のご自宅にお邪魔すると、家のなかは素敵な調度品でいっぱい。非常にセンスよく整頓されていて、ため息ものです。

玄関を入ったところが居間になっていて、季節に合わせた素敵なテーブルコーディネートで私たちを迎えて歓迎してくださいました。

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いつも優しく明るいロッサーナさん。大人気のマンマです。家のインテリアやキッチンのコーディネートなどがとてもセンスよく、学ぶべきものがたくさんあります。

ここで教えてもらうのは、伝統的なヴェネチア料理を中心としたヴェネト料理。料理好きがにじみ出るようなキッチンは使いやすいように工夫がされています。

分かりやすく丁寧に、そして料理にまつわる様々な話をしてくれるので、調理中は耳と目、そしてメモをとる手を休める暇がないほど。料理ができあがったら、食やワインにも大変詳しいご主人とともにテーブルへ。時間が経つのを忘れてしまうほどに楽しいおしゃべりと美味しい食事、そして美味しいワインでまたとない時を過ごします。

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テーブルを囲んでの食事タイムはご主人の「ダニエリさん」も加わります。

ヴェネチア談義に花が咲き、食やワインにも詳しいので話が尽きません。とても楽しい食卓です。

料理レッスン参加にあたって

イタリア各地でお料理レッスンを企画されている団体、個人の方がいらっしゃいます。気になる土地の名前やマンマのお料理レッスン、などをキーワードに、インターネットを検索してみると良いでしょう。料理を仕事とされている方はもちろんのこと、料理に興味のある方、体験をしてみたいという方、旅行中にレストランでなく美味しいものを食べたいという方、など目的は様々でも、それぞれにリクエストにお応えできるはずです。

・イタリア語が不安な方は、通訳付き企画を探してみましょう

たいていはイタリア語でレッスンが進みます。言葉に対する不安はあるかと思いますが、企画者によっては通訳及びアシスタントとして食に詳しい方がアレンジしてくれているはずですので、安心してご参加いただけると思います。

・料理レッスンに参加するときにあると良いもの

■メモ帳
■筆記用具
■エプロン

レシピが事前に用意してある場合やない場合など、条件は一様ではないですが、見たことを忘れないようにメモをとる準備はもちろん必須です。折角のチャンスですので実際に自分でも調理に参加したい!という方はエプロンも持参すると良いでしょう。

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写真は、ロッサーナさんのつくるヴェネトのパスタであるビーゴリを、鴨のラグーで和えたヴェネト料理。地元ならではの味を再現してくれ、愛情たっぷりの美味しい料理です。

キッチンで使うイタリア語

体験レッスンは、講師のマンマと一緒にキッチンに立てる楽しさがあります。自分からぜひ積極的に参加しましょう。「ポッソ・ファーレ・アンキオ?(私もお手伝いして(やっても)いいですか?)」と声をかければ、「スィ!チェルト!(もちろんよ!)」と喜んで答えてくれるはず。キッチンで利用する単語をいくつか挙げておきますので、覚えてみてくださいね。少しでも覚えておけば、マンマとの料理レッスンがさらに楽しくなることでしょう。

1.素材(調味料等)

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2.素材(肉・魚)

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3.素材(野菜)

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4.道具類

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5.食卓周り

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写真・執筆:Aki Shirahama

図表作成:Italyii(イタリィ編集部)※ライター執筆内容を元に図をアレンジしました。

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