話題の蘭州ラーメンってどんな味?本場の味が上海で食べられる、蘭州市認定店「敦煌楼清真美食」

目次

最近日本でも人気の蘭州ラーメン。そもそも蘭州ってどこ?

今、日本では「蘭州ラーメン」が人気なんだそうですね。上海の街中でも「蘭州ラーメン」のお店をよく見かけます。レストランなどの口コミ情報が見られる「大衆点評」というサイトで「蘭州ラーメン」と入れて検索すると「蘭州ラーメン」を出す店舗として、上海市内だけで実に880件の店舗の情報が出ます。これはよく見かけるわけです。

蘭州ラーメン普通店舗.jpg

街歩きをするとこんな「兰州(蘭州の簡体字)」と大きく出ている店をあちこちで見かけます。このような店舗の場合、ラーメン1杯8~10元程度(約140~170円/2018年4月現在)と安いため、庶民の気軽な食堂として親しまれています。

日本でも蘭州ラーメンのおいしさが話題となっていますが、同じ中国と言っても蘭州へ直接食べに行くことはなかなか難しいです。蘭州ラーメンの本場である蘭州は中国の西北部・甘粛省(かんしゅく省)という省の省都です。甘粛省は新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区と接しています。私も機会があったら蘭州へ行って蘭州ラーメンをぜひ食べてみたいと思うもののなかなか・・・。そこで今回の記事では上海で食べられる、本場の味の蘭州ラーメンのお店を紹介します。

な、なんと!?実は蘭州には「蘭州ラーメン」はない

今日本で話題の「蘭州ラーメン」ですが、実は蘭州ラーメンの本場の甘粛省・蘭州では「蘭州ラーメン」はありません。びっくりですよね。実はいわゆる「蘭州ラーメン」は、蘭州では「蘭州牛肉麺」または「蘭州牛肉ラーメン」と呼ばれています。日本で「蘭州ラーメン」の呼び方が定着した、というわけではなく、中国でも「蘭州ラーメン」と呼ばれています。

ではなぜ「蘭州ラーメン」の呼び名が定着したのかと言いますと、これは最初に中国都市部に蘭州ラーメンの店舗を開いた人が実は蘭州出身の人ではなく、甘粛省のお隣の青海省の出身の人が開き、「蘭州ラーメン」という名称のメニューを出したり、店舗の名称も「蘭州ラーメン」としたりしたためです。「蘭州ラーメン」のおいしさは多くの人に受け入れられ、次々と店舗数が増加、他の都市へも進出していきました。こうして「蘭州ラーメン」の呼び名が中国国内でも定着化していったのです。 この事情を知っている中国人の中には「店名やメニュー名に『蘭州ラーメン』と書いてある店は本場の味ではない」として一種の見分ける指標として使っている人もいます。

※本場での呼び方は「蘭州牛肉麺」ではあるものの、以下、当記事ではなじみがある通称の「蘭州ラーメン」の呼び方を使います。

蘭州市が認定する本当の「蘭州ラーメン」の基準

本場の呼び方と異なる「蘭州ラーメン」の呼び名が普及していき、また蘭州で食べられる「蘭州牛肉麺」とは違うスタイルの麺が「蘭州ラーメン」として出回っていることもあり、蘭州市では認定制度を設け基準を満たしている店を認定しています。

その蘭州ラーメンの基準とは「スープが透明で、牛肉が柔らかく煮込まれており、麺は細くてコシがあること」、そして「一清二白三紅四緑五黄」です。こちらの詳しい説明はというと、

  • 一清・・・スープが澄んでいる事
  • 二白・・・ダイコンの白
  • 三紅・・・ラー油の赤
  • 四緑・・・パクチー、にんにくの芽の緑
  • 五黄・・・麺が黄色みを帯びている事

ということです。

遠い蘭州へ直接行って本場の蘭州ラーメンを食べるのは難しいですが、上海市内には本場の蘭州ラーメンを提供するお店があります。上海から飛行機でも3時間20分かかる蘭州ですが、上海市内に蘭州市の認定店があるんです。それが今回紹介するレストラン「敦煌楼清真美食」です。

上海で本場の「蘭州ラーメン」の味!「敦煌楼清真美食」

上海で最も本場に近い味の蘭州ラーメンが食べられると評判が高いお店が「敦煌楼清真美食」です。「清真」とはイスラム教徒の料理の意味です。このため、このお店では豚肉を使った料理を提供しません。

地下鉄2・11号線「江蘇路駅」から徒歩10分弱で着くお店。「敦煌楼清真美食」の店構えはお店の名前よりも看板メニュー名の「蘭州牛肉麺」の方が目立っています。

敦煌店頭写真.jpg

店の入り口上の青い看板には本場の味の証、こちらのお店が蘭州市認定の6号店であることが記されています。

敦煌蘭州認定写真.jpg

「敦煌楼清真美食」の周囲には目立ったオフィスやショッピングモールはありません。私が行った日は平日でもあったので店内はそれほど混雑はしていないだろうと思っていたのですが、店内に入って驚きました。12時少し前で1階席は満席。

1開店内.jpg
<店舗もイスラム風なのがうかがえますね>

さすが上海一本場の蘭州ラーメンを出すと言われているだけあって人気店です。幸いにして2階席にはまだ空きがあったため、すぐに席に着くことができました。

入り口すぐのレジ脇にはメニューの見本展示があります。

メニュー見本.jpg

牛肉麺の太さには7つものバリエーションがあります。注文時に麺の太さを指定できます。

麺の太さ.jpg

太い順に、大寛、寛、韮葉(韮の葉の太さ)、三棱(三角柱の形)、二細、三細、細です。

席についてメニューを受け取ります。今回注文するのは当然こちらの牛肉麺。お店の看板商品です。街中にある蘭州ラーメンのお店よりも高めの値段、15元(約260円)です。

メニュー牛肉麺.jpg

お店の方にお勧めメニューを聞くと、他に羊肉の串、自家製ヨーグルトということでそちらも合わせて注文しました。注文時に牛肉麺の麺の太さを尋ねられます。今回は細麺にしましたが、このお店で最も特色がある麺の太さは一番幅広の「大寛」です。想像を超える幅広でモッチリとした麺が出てくるんだとか。

注文して待っていると、先に羊肉串が来ました。このお店では2種類の串があり、特色がある方がこの「紅柳」の木でできた串ですが、鉄串の方が串の部分が細くて食べやすいと思います。串が運ばれてきて、見た目から肉が硬そうな印象だったのですが、弾力があってジューシーなうま味あふれる羊肉でした。色が辛そうに見えますが実は辛くなく、クミンはじめスパイスが効いていて食欲を刺激する味です。

木の羊肉串.jpg

串を食べたところで、さぁ、牛肉麺が来ましたよ!私も蘭州市認定店で蘭州ラーメンを食べるのは今回が初めてです。

蘭州ラーメン.jpg

澄んだスープ、トッピングにダイコン、パクチー、にんにくの芽、黄みを帯びた麺です。ラー油は後乗せで好みに合わせて入れます。私は辛い物が苦手なため、ラー油なしです。

牛骨ベースのスープを一口飲むと、ニッキやナツメグといったスパイスの味が入り混じった味わいがします。さらっとしつつも、日本の家庭料理ではまず味わえない複雑で深みのあるスープです。ダイコンや牛肉もよく火が通っており、牛肉は箸でつかむとほろりとほどけるほどです。細麺はコシがありスープとしっかり絡んでおいしい!上海エリアでよく食べる蘇州式の麺とはまた違った弾力があります。

あっという間に完食してしまいました。

デザートには自家製ヨーグルト。小豆を煮たものが少量トッピングされています。さわやかな口当たり。スパイスが効いたメニューを食べた後のデザートにぴったりでした。

自家製ヨーグルト.jpg

お腹もすっかり満足でお店を後にしました。私がお店を出た時は1階も2階も席が全て埋まっていました。中国人は特に食事時をずらさないのと、人気店であるため、ランチタイムに行く際は12時から13時のピーク時をずらしていくことをお勧めします。

お店に入るときは気づかなかった「中華第一麺」の看板。このお店の牛肉麺への強い自信が伺えます。

中華第一麺.jpg


2018年3月、中国は年内にも蘭州ラーメンをユネスコの世界無形登録遺産への登録申請を行うことを発表しました。中国国内でも蘭州ラーメンは市民に親しまれる定番の麺、そして日本など海外でも話題になっていることから、世界遺産の申請に動いたと見られます。これからも蘭州ラーメンの人気は続きそうですね。

遠い蘭州まで行かなくても上海で食べられる本場の蘭州ラーメン、ぜひ上海にお越しの際には本場の味を楽しんでみてください。

基本情報

店名:敦煌楼清真美食
住所:上海市长宁区长宁路436号(近江苏路)
電話番号:021-60343618
営業時間:平日8:00-14:00、16:30-22:00、土日8:00-22:00

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