東京から富士山を見る&撮る、とっておきの場所へ

都会の灯りの向こうに浮かび上がる富士山のシルエット。劇的で美しい、東京ならではの眺望スポットを、都内の隠れた花の名所を知り尽くす松山忠徳さんに教えてもらいました。

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新宿区・都庁北展望室からの、丹沢山塊と富士山の眺望。地上202m、9:30~23:00に無料開放。北展望室は第2・第4月曜日が休室日。三脚は使用禁止。詳細は都庁展望室Twitterを参照。https://twitter.com/tocho_tenbou

夕方から現れる

東京から富士山を眺める。そんな体験は真冬の空気が澄んだ、よほど条件がよくないとできないと思いこんでいる人は少なくないかもしれません。確かに昼間では東京の街越しに富士山が顔を出す日はごく限られているようです。しかし、松山さんによれば、この記事で紹介するスポットからは、夕方以降、富士山とその手前の丹沢山塊がシルエットになって浮かび上がって見えることが多いそうです。もちろん、これらのスポットからも冬の方が見られる確率が高まるのは事実ですが、春以降に暖かくなる季節でも、チャンスが多いそうです。ちなみに、松山さんは夏にも撮影をおこなっています。訪ねるべきは都内の展望フロア。高いところから眺めると、富士山がより見やすくなります。

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都庁北展望室より。日没直後の太陽光を浴びる「赤富士」。マイクロフォーサーズ規格のカメラ、200mmの望遠レンズ(焦点距離400mm相当)で撮影。富士山は昼間には現れなくても、日没寸前から影がはっきりと出てくることもあります

望遠レンズで撮る

松山さんは現在78歳。小学生のときから写真に打ちこんできたベテラン写真家ですが、このごろは体力的に重くて大きな機材はしんどいと、カメラもレンズもコンパクトで軽量なマイクロフォーサイズ規格の製品で取材しているそうです。この規格のカメラはセンサーサイズが小さいため、フルサイズのカメラに換算すると、レンズの焦点距離は2倍相当になります。小さくて軽い望遠レンズで被写体を驚くほど大きく撮ることができるのです。都内から富士山の山頂付近にグッと迫ったアップの写真を撮るならば、焦点距離200mmレンズ(フルサイズで400mm相当)を持参した方がよいでしょう。写真を撮らない人は、双眼鏡の携行をお勧めします。

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文京区・文京シビックセンター25階(地上約105m)・展望ラウンジの西側からは都庁など新宿副都心の高層ビルを前景にして富士山を撮影できます。9:00~20:30に無料開放。5月第3日曜、12月29日~1月3日は休館日、三脚使用禁止。南側には「シビックスカイレストラン椿山荘」があり、抜群の眺望を前においしいランチとディナーを楽しめます

カメラまかせのオートに設定

夕陽に浮かび上がる富士山を上手に撮るコツは?と松山さんに尋ねると、露出もISO感度もオートに設定することと答えが返ってきました。富士山は日没の直前・直後に色とシルエットのコントラストが極まり、美しさが際立ちます。しかし、太陽が沈むスピードは思いのほか速く、露出の調整をしたり、カメラのアングルを変えるなど、肝心なときにもたついていると最高の瞬間を見逃してしまいます。カメラまかせのオート設定にして、そのぶん富士山まわりの光を注視し、限られたチャンスを逃がさないよう集中しましょう。

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船堀タワー展望室の西、南西方向から見える東京タワー、東京スカイツリーと富士山。川に映る空の深い青色も美しい

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東京タワーと富士山をアップに。船堀タワー展望室は地上115m、入室無料。展望室に上がるための展望エレベーターは9:00~21:30運行(暴風など、天候により運行を停止する場合があります)

東京らしい富士山美景

東京タワーと東京スカイツリーと一緒に富士山を眺められる、夢のようなスポットがあります。それが江戸川区のタワーホール船堀内にある船堀タワー展望室。近くには中川と荒川が流れ、川の間には首都高速中央環状線が走っています。これらの前景と2つの日本を代表するタワーや高層ビル群の中景、その向こうに浮かぶ富士山のシルエット。都内から見える富士山を象徴するシーンを目のあたりにできます。タワーホール船堀には7階に洋食レストラン「サロン・ド・サロン」があるのですが、食堂然とした気取らぬ雰囲気のなか、驚くほど本格派のビーフシチューを堪能できますよと松山さんが教えてくれました。

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江戸川区・葛西臨海公園内「ダイヤと花の大観覧車」に乗ると、いちばん高い位置から荒川越しに富士山を眺望できます。公園の地上からは富士山は見えません。大観覧車は10:00~20:00(土曜・日曜・祝日・春&夏休みは~21:00)、1月の第4・5水曜日、2月の全水曜日は休業、一般700円

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世田谷区・キャロットタワー26階「スカイキャロット展望ロビー」から見る富士山。日没の直前・直後に富士は劇的な赤色に染まります。丹沢山塊の稜線にさしかかるあたりから、太陽はスピードを増すかのように、あっという間に沈んでしまうので注意を。この展望ロビーも利用無料。9:30~23:00開放、第2水曜日・年末年始は休館

飛行機と富士山

夕陽と富士山がとびきりきれいに見えると松山さんが称賛するスポットが羽田空港国内線第1旅客ターミナルの展望デッキ。誘導灯も幻想的。松山さんは思わず青江美奈の名曲『国際線待合室』の「青いランプの誘導路なぜか今夜は身にしみる~」を口ずさんだとか。

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飛行機の向こうに見えるのが国際線待合室。国内線第1旅客ターミナルの展望デッキは6階と屋上にあり、6:30~22:00に開場(天候により変更になる場合も)、入場無料

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Facebookにアップしたら、「赤富士ならぬ、パープル富士ですね」とコメントが寄せられたそう。「日没後、黒色の影富士になるまで一瞬、紫色に変わるようです。肉眼では認識していませんでしたが、写真には写っていました」

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花の隠れた名所、夕陽、富士山など美しく詩情に満ちた風景写真を500万コマ以上保管し、現在も週に2~3日のペースで取材に出かけ、撮影を重ねている松山さん。活動の近況は下記のHPやSNSを参照

情報提供&撮影/花の写真館(平成・万葉集の館)館長 松山忠徳さん

HP : http://blog.goo.ne.jp/kasiopea0102

Facebook : https://www.facebook.com/profile.php?id=100006904590875

Twitter : https://twitter.com/kashiopea01

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