標高約330ｍ、鋸（のこぎり）の歯を思わせるダイナミックな景観で名高い鋸山（のこぎりやま）。山頂から眺める海岸線や、たくさんの石仏が鎮座することからさまざまな魅力がある山として人気です。

山頂へのルートはいろいろありますが、おすすめは麓からロープウェイに乗り一気に山頂まで行くルート。山頂からは東京湾や三浦半島、天気が良ければ富士山までも一望できます。温暖な房総半島に位置するため、1年を通して楽しめるのも魅力的ですね。

山頂からの登山コースは、かつて切り出した石を運んだ「車力道コース」と東京湾を見下ろしながら登る「観月台コース」があります。

まずは、1500体以上の仏像が点在する「乾坤山日本寺」へ。約1300年前、聖武天皇の勅詔を受けて、行基菩薩によって開かれた関東最古の勅願所です。大仏（薬師瑠璃光如来）、百尺観音像、千五百羅漢石像群などがあります。なかでも必見は「東海千五百羅漢道」。

名工で知られる彫師の大野甚五郎とその弟子が21年の歳月をかけて掘り上げた1553体の仏像が並ぶ参道です。一つひとつの表情が異なり、見ているだけで心が穏やかになります。

人気のスポットが「地獄のぞき」。断崖の突端に展望台があり、そこから絶景が望めるのですが、高所恐怖症の人は近くの展望台から眺めることをおすすめします。

「大仏広場」に鎮座する高さ約31ｍの薬師瑠璃光如来は麿崖仏としては日本一の高さを誇ります。奈良東大寺の大仏の約1.8倍と巨大な仏像を目の前にすると圧倒的な存在を実感できます。

鋸山でちょっとしたトレッキングを楽しんだ後は、海鮮浜焼きの味わえる食事処でゆっくり過ごすのもおすすめです。

【鋸山までのアクセス】
JR金谷駅から徒歩10分の鋸山ロープウェイに乗り、山頂まで約4分