十分で、祈りを込めて天燈を上げよう

台湾には多くの民族習慣がありますが、

その一つに願いを空高く上げる「天燈上げ」があります。

天燈(てんとう)とはチャイニーズ・ランタンのことで、

紙で出来た熱気球のようなもの。

台北から電車で1時間ほどの場所にある十分が発祥の地だと

言われています。

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その昔、十分では盗賊に襲われることが多く、

避難した住民に、盗賊が去り安全だということを知らせるため

天燈を飛ばしたとのこと。

それが時を経て、無病息災など祈りを込めて天燈を飛ばすという

民族習慣に形を変えたのです。

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毎年、旧暦1月15日の元宵節には平渓天燈祭が開催されますが、

平日でも十分駅の線路脇で天燈を上げることができます。

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十分は山里にある小さな街。

大自然に囲まれた街で、台湾のナイアガラと呼ばれる十分瀑布もここにあります。

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十分駅を降りると、線路沿いに天燈上げの店が軒を並べており驚かされます。

天燈一つ上げる値段は100元~と、良心的な値段となっています。

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ランタンといえば赤のイメージが強いですが、願いごとにより色が異なるとのこと。

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赤い天燈は健康・安全運を願うもの、黄色の天燈は金銭運アップ、

青の天燈は仕事運を得るもの、紫色の天燈は勉強運・合格祈願。

恋愛運や良縁祈願はピンク色の天燈を使うことになっています。

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墨で願いごとを書き終えると、お店の人が油をしみこませた紙に火をつけ

合図と共に天燈を空高く上げてくれます。

自分の願いごとが天高く上がるのを見ていると、神さまが叶えてくれるような、

神秘的な気持ちに陥ります。

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美しい民族習慣である天燈上げですが

火災の原因になるとされ、厳しい制限のもと飛ばしています。

しかし、安全面を考慮して廃止すべきではないかという議論が行われており

近いうちに平日飛ばせる場所がなくなってしまう可能性も出ているのです。

台湾人が愛する天燈上げ。気軽に出来なくなってしまう前に、ぜひ体験してみてください。



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Julie H

台湾・台北市在住。海外在住歴23年目。フリーライターとして活動する傍ら、現地校でのボランティアを通して、台湾文化についての理解を深めている。

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