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南アフリカのスーパーマーケットって?
スーパーマーケット「チェッカーズ」の野菜売り場
「アフリカの買い物」と聞くと、活気がある市場(いちば)を思い浮かべる人が多いと思います。でも実は南アフリカの場合はちょっと事情が違います。市場ではなくスーパーマーケットが、市民の生活を支えているのです。
ところで、南アフリカは世界一とも言われる格差大国です。そのため、一口にスーパーといっても「誰を」対象にしているのかによって品揃えは様々です。そこで今回は、主なスーパーのチェーン店をいくつかピックアップして、特徴やオススメ商品を紹介したいと思います。
富裕層向けスーパーのお惣菜コーナー
まず紹介したいのは、ウールワース(Woolworth)です。富裕層向けスーパーの代表格と言えるこのお店は他のスーパーと比べるとお値段が少しお高めですが、それは高い品質の裏返し。安心して買い物ができます。例えば食料品だと、鶏肉や卵は主に放し飼いのものを取り扱ったり、ヨーグルトは添加物不使用など、健康&安全志向を打ち出しています。パッケージがお洒落な商品が多いので、ちょっとしたお土産探しにもうってつけです。日本へのお土産に有機栽培のルイボスティーやショッピングバックを買っていったら、とても喜ばれました。
ウールワースのキッチン用品は質が高く使いやすい
チェッカーズ(Checkers)、ピッカンペイ(Pick n Pay)、スパー(Spar)の3つは、それぞれ少しずつ違うものの、普段使いにちょうどいい全国チェーン店です。食料品に加えて文房具やシャンプーや髭剃りなどの生活雑貨も取り扱っているので、旅行中にちょっと何かを買いたい時に重宝するはずです。ちなみにチェッカーズやピッカンペイの大型店舗では家電や家具も売られているので、買い物を1箇所で完結させてしまうことだって十分にできちゃいます。
日本と同様にポップが目立つチェッカーズの店内
もしも滞在中に何回かスーパーに立ち寄ることがあれば注目して欲しいのが、立地による品揃えの違いです。以前、南アフリカに4年以上滞在している日本人の友達から「南アフリカでは内蔵を売っていないのが残念だわ。夫にモツ煮を作ってあげたいんだけど」と言われて、不思議に感じたことがありました。というのは、僕が知っているいくつかのスーパーでは肉よりも内蔵のセクションが大きいくらいだからです。
このギャップの原因は、居住地域の違いにありました。友達は富裕層が多く住む地域、僕は黒人が多く住む地域の近くに住んでいます。南アフリカで富裕層の多くは白人が占めており、内蔵は白人に人気がありません。そのため、友達が通うスーパーは(僕が知っているスーパーと同じチェーン店なのに)内臓を取り扱っていなかったという訳なのです。
充実の精肉コーナー
ショップライト(Shoprite)やユーセーブ(U Save)、あるいはボクサー(Boxer)などは、主に黒人の居住地域近くで見られる安売り店です。これらのお店はミリミル(トウモロコシ粉。南アフリカの主食パップの材料として使われます。パップについてはこちら)や油、缶詰、冷凍の鶏肉など、庶民がよく購入する定番商品に商品を限ったり、店内の装飾を減らすことで低価格を実現して支持を集めています。旅行中に行く機会はあまりないと思いますが、足を運んでみると庶民の生活を垣間見ることができるかもしれません。
ところで南アフリカ人にとってスーパーは、食料品や雑貨を買うだけの場所ではありません。日本のようにコンビニが発達していない南アフリカでは、スーパーが様々な役割を果たしているのです。では一体、スーパーでどんなことができるのでしょうか?ちょっと長くなってきたので、この話はまたの機会に書きたいと思います。
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笠原由晶
- 2012年4月から南アフリカ在住のライター/リサーチャー。昨年第一子を授かりイクメンに。家庭料理人の顔も持つ。