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世界一大きなバオバブの木が南アフリカに!なんと中はバーになっていて、樹齢は6,000年!!
目次
世界で一番大きいバオバブの木があるのはマダガスカルではなかった
「バオバブ」と聞いて最初に思いつくにはマダガスカルですが、実は「世界で一番大きい」バオバブの木は「南アフリカ」にあります。
バオバブには6つの種があり、4種はマダガスカル、1種はオーストラリアに生息します。アフリカに生息するのはアフリカバオバブ(学名:Adonsonia Digitata)という最も大きな種で、熱帯乾燥地域、エチオピア、モザンビークなど20の国で見かけることができます。
そのアフリカバオバブの中で最も大きいものが生息しているのが、南アフリカ・リンポポ州第2の都市「ザニーン」という街。
<自然が溢れるザニーンの街>
樹齢は6,000年!周囲は47メートル!
熱帯農業で知られるこの街に生息しているバオバブの木の平均樹齢は300~500年。しかし、最も大きなサンランドバオバブの樹齢は、なんと6,000年!(放射性炭素で年代を測定)ギザのピラミッドより1,000年以上も前に生まれたことになりますから、ものすごく長生きな木です。
<樹齢6,000年のバオバブの木>
この木を見てまず圧倒されるのがその大きさ。高さ22メートル、そして周囲がなんと47メートル!!一人の人間が手を広げるとだいたい1メートルですから、この木を囲もうとすると、47人が必要な計算になります。回りを一周するのも大変な大きさです。
バオバブの木の中に、なんとバーがある!!
そして一つこの木がおもしろいのは、木の中にバーがあること。バオバブの木は1,000年経つと中が空洞になり始めます。このサンランドの木は6,000年ですから、中はちょっとした洞窟のようになっています。
<洞窟の入り口。まるでファンタジー映画に出てくる城のよう>
この農場のオーナーがその洞窟を改装して作ったのがバー。暑い日中でも中はヒヤッとしていて、確かにビールを飲むのには良さそうです。バオバブの木の匂いがして、とても不思議なところでした。それにしても、中にバーを作ろうなんて南アフリカ人らしい考えですね。
<バオバブの中とは思えない広さ>
バオバブの木は、人間にも動物にも、とても大切な木
バオバブは、サン族(南部アフリカのカラハリ砂漠に住む狩猟採集民族)にとって神聖な木として崇められており、様々な伝説が残されています。例えばバオバブの木の形。これは昔バオバブが神に逆らい、その仕返しとして上下逆さまに植えられたというもの(確かに木の枝は根のような形です。しかもおもしろいことに花は夜に咲きます)。他にも「花を抜くとライオンに体を引き裂かれる」、「バオバブの水を飲むとワニから身を守れる」などたくさんの民話が残されており、この木がいかに神聖視されていたかが分かります。
バオバブの木はまた人間だけでなく動物にとっても大切な木です。ゾウやサルにとって、ビタミンCを豊富に含んだ実は大切な食糧です。花粉は糊(のり)として使われ、種は豊富なたんぱく質、カルシウム、オイルを含み、炒ってコーヒー豆のように使うこともできます。若葉はカルシウムを豊富に含み、幹は繊維としてマットや紙などに使われます。木の皮からはビールとお茶をつくることもできるそうです(ただし飲むためには頑丈は胃が必要だそうですが)。
人間にも動物にも様々な恵みを与えてくれるこのバオバブの木。ぜひ、いつまでも長生きしてほしいものです!
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はなだゆい
- 南アフリカ歴5年。南アフリカの学校を卒業後ロボスレイルに就職。1年半の勤務後、結婚退職。現在は南アフリカで心理学を学びながら、アフリカ流「明るく楽しく生きる方法」とアフリカ情報をブログ、メルマガなどで配信中。