デザイン界のパリコレ!世界最高峰のインテリアデザインの展示会「メゾン・エ・オブジェ 2018」に潜入!!

Bonjour!

クリスマスも終わり、寒くて暗い気持ちになる1月のパリ。毎年この季節、パリではそんな人々の憂鬱を吹き飛ばすような華やかな大イベントがいくつか行われます。ひとつは言わずと知れた「パリ・ファッション・ウィーク(Paris Fashion Week)」いわゆる「パリコレ」です。1月のパリでは2018/2019メンズの秋冬コレクションが行われました。

もうひとつはデザイン界のパリコレとも言われているデザインとインテリア関連の展示会「メゾン・エ・オブジェ(Maison et objet)」の2018年1月展です。

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(世界中から企業やクリエイターが出展するメゾン・エ・オブジェの会場)

今回は1月19日~23日の5日間の日程で開催され、世界各国からの出展者と来場者がパリ北部の会場に集まりました。公式サイトによると、出展スタンドの総平米数は13,000平米、出展ブランドは3,000社、来場者は85,000人以上。欧州最大規模のインテリア見本市になります。

20180122_160824.jpg(雨が多い1月のパリで、会場では奇跡的に太陽が覗くシーンも)

3つのテーマでカテゴリー分けされる8ホールからなる巨大な会場

メゾン・エ・オブジェの会場はパリ北部にある「パーク・デ・ゼクスポジション(Parc des expositions)」という巨大な展示場です。パリからはシャルル・ド・ゴール空港へと向かう郊外線(RER B)で約30分ほどで到着します。

こちらでは毎年日本に関する展示会「ジャパン・エキスポ(Japan Expo)」も行なわれており、我々日本人にとってはおなじみの会場です。ジャパン・エキスポでは日本の有名な原宿系アーティストがライブを行った事もありますので、聞いた事がある方もいるのではないでしょうか。

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(「メゾン」つまり「家」がテーマのホール1~3。)

会場は8つの大ホールで構成されており、この8ホールを3つのテーマである「メゾン(Maison)」、「オブジェ(Objet)」、「アンフリュアンス(Influences)」に沿って分割し、展示が行われます。

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(パーク・デ・エクスポジションのマップ。メゾン・エ・オブジェで使われるのは赤の部分)

ホール1~5はメゾン」つまり「家」がテーマ。インテリアデザイン全般に関するスタンドが集められており、家具やライティングなどに関する企業の展示が行われます。

ホール5~6は「オブジェ」がテーマ。食器や日用品など、インテリアに関するオブジェを取り扱うスタンドの集まる展示場です。

そしてホール7〜8のテーマはアンフリュアンス」。「影響力」という意味をもつこのテーマのホールで提唱されるのは、ラグジュアリーなライフスタイルです。世界各国のハイエンドブランドや、最新のデザインやテクノロジーを誇るクリエイターが展示を行います。

今回は多くの日本企業の出展のあったホール6、ホール7、そして最新デザインの展示を見るためホール8を訪れました。

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(会場内には各所に情報収集のポイントやカフェ、インフォメーションが設置されている)

世界のギフトや日用品のデザインが楽しめるホール6

まずは「オブジェ」がテーマのホール6へ。こちらでは日用品やギフトにぴったりの小物を扱うブランドのブースが所狭しと並んでおり、カラフルでとても楽しい雰囲気のホールです。ジュエリーやカード、子供のおもちゃなどのブースは見ているだけでウキウキしてきます。

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20180122_160350.jpg(カラフルで可愛い雑貨や小物がいっぱいのホール6は見ているだけで楽しめる。)

最新デザインを誇る企業が出展するホール7には日本企業も多く出展!

続いてお隣のホール7へ。アンフリュアンス」がテーマのこちらのホールの見どころは世界最新のテクノロジーや実験的なデザインです。3Dプリンタなどのテクノロジーで作られた家具やインテリアオブジェ、水のいらない観葉植物など、最新技術を駆使したデザインが並びます。

20180122_163119.jpg("NOW!DESIGN A VIVRE"はホール7のサブテーマのひとつ。)

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(高品質とエコにとことんこだわるドイツのブランド「Labrador」)

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(イタリアのアーティスト「Paola Paronetto」のスタンド。作品には主にペーパークレイが使われている。)

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(とにかく可愛い!個人的にはナンバーワンのベルギー「AP Collection」の椅子。)

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(可愛い動物達にスマホを向ける人々で常に人垣が。ぬいぐるみの椅子は全てハンドメイドだそう!)

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(ポリマーで作られたカラフルなヴィクトリア調の家具を出展していたPOLaRT」

ホール7には日本の企業やクリエイターも多く出展しており人気を博していました。京都、鹿児島など県単位のプロジェクトで出展されているスタンドの他、個別に出展されている企業も。「水だけで磨ける歯ブラシ」を出展していたMISOKAのスタンドでは歯磨きのデモンストレーションも行われ、多くの人が参加していました。

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(岐阜県はイギリスの有名デザイナー、セバスチャン・コンランとのコラボレーションで出展)

20180122_172713.jpg(京都のブースではなく、個別に出展されていた京都の老舗竹芸品メーカー「公長齋小菅(こうちょうさいこすが)」)

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日本らしい清潔感と洗練が漂う東京の籐家具メーカー「YAMAKAWA」のスタンド)

高級ブランドの巨大スタンドがひしめくホール8

ホール8はラグジュアリーなライフスタイルを提唱する世界の高級ブランドが出展する展示場です。このエリアへの出展料は億単位と言われているだけあって、ひとつひとつのスタンドが巨大でもはやギャラリーのよう。こちらのホールのスタンドでは商談もシャンパーニュ片手に優雅に行われていました。

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エントランス前の最も目立つ場所に陣取っていたのはフランスの老舗クリスタルブランド「ラリック(Lalique)」。ラリックは今年で創立130年という長い歴史を持つブランドです。130年記念としてローンチされたツバメがモチーフとなった新コレクションや、伝統的な自然をモチーフにしたデザインがとてもエレガントでした。

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20180123_162239.jpg(130年記念コレクションのツバメをモチーフにしたスタンドのデザインが素敵)

さらに進化する「エコ」や「オーガニック」のデザイントレンドを体感できる見本市

その年のデザイントレンドが決定される場のひとつ、とされているメゾン・エ・オブジェ。近年のデザイントレンドの傾向のひとつとして「エコ」や「オーガニック」がありますが、今回のメゾン・エ・オブジェでもその概念はさらに進化しているように思いました。20世紀後半の巨大な消費活動は地球にも人類にも大きな疲れやストレスを与えてきました。今後はより環境に優しく、より心が落ち着くようなデザインが求められて行くのではないでしょうか。

日本の企業やクリエイターもその例にもれず、日本ならではの素材を活かした丁寧なものづくりと最新テクノロジーの開発力でトレンドを牽引する役目を果たしていると感じました。海外の著名なデザイナー達が日本の伝統工芸やクリエイターとのコラボレーションを買って出るのも頷けます。目の肥えたバイヤー達の間で「この洗練は日本ならでは」などと噂されているのも耳にしました。このような場での日本企業の海外への発信の積み重ねによって、デザイン界での日本の存在感はかなり印象づけられているようです。

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N.L.Paris

パリ在住約10年。美味しいものとお酒が大好き。超B級グルメから高級店まで地道に研究しています。グルメ情報メインのブログ&インスタも。→→→ nightlifeparis.hatenablog.com
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