2018年の欧州文化首都。オランダ・レーワルデンのプリンセッセホフ陶器博物館

レーワルデンの最大の見所の一つ

レーワルデン(Leeuwarden)は、オランダ北部にあるフリースランド州の州都。中世の面影を残す美しい小さな町は、その昔王族が住居を構えた場であり、周辺のエリアを含めると617箇所のナショナルモニュメントがある歴史的・文化的に意義の深い町であります。今年(2018年)は欧州文化首都として、数多くの特別なイベントをホストします。さて、今回ご紹介するプリンセッセホフ国立陶器博物館は、レーワルデンの観光ハイライトの一つであり、特に陶器や工芸が好きな方は必見の見ごたえある博物館です。

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当博物館は18世紀に現在のウィレム=アレキサンダー国王の祖先であるマリー・ルイーズ王女の宮殿であったそうで、博物館の一角には当時の姿のままの煌びやかなダイニングルームが残されていました。テーブルの上、床の上には彼女が収集した数多くの優美な陶磁器が飾られています。

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古今東西の名品から陶器の歴史を学ぼう

3万5千点にものぼる博物館のコレクションの核は、この館の住人であった陶器収集家のナン・オッテマ氏によって集められたもので、地元フリースランドの陶器、中国の磁器、アール・ヌーボー、デルフトウェアなど古今東西のあらゆる陶器が一同に介されています。西洋の陶器の歴史、当時の生活背景、中国や日本から輸入された陶器からの影響など、コレクションを見ながらじっくりと学ぶことが出来ます。

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17世紀に中国や日本など東アジアから輸入された陶器のコレクションは目を見張るものばかり。

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アール・ヌーヴォーの展示室には、自然からインスピレーションを受けた繊細で美しい作品を鑑賞することが出来ます。

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こちらは、円筒のカーテンで仕切られた部屋に一つだけ置かれた汝窯青磁器。中国北宋の皇帝が書道の筆洗いに使った器だそうで、現在の値打ちは3千7百万ドルもするとのこと(!)写真では残念ながら分かりませんが、肉眼で見ると青と緑のうっすらした色合いと透明感が本当に美しく、「雨上がりの天国」と言われるほど。

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斬新な現代アートの企画展も

セラミックを使った現代アートのセクションも実験的で面白く見応えのある作品がたくさん展示されていました。こちらは、プールの中に浮かんだ器が水の動きに運ばれぶつかり合い音を奏でるインスタレーション。静かな会場にまるで禅チャイムのように「リーン」と鳴り響く音が清々しくとても印象的でした。

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こちらはなんと陶製の巨大イカ!!どのような釜にどうやって入れたのか、、すごいとしかいいようがないです。作品の下にはインクとシロップの液体がこぼされていて、ちょっと生臭い甘い匂いが漂い臨場感抜群です。

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見事な生々しさ!!

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以上、館内は予想以上に広く、それぞれの作品の説明テキストも充実しているので、じっくりまわれば半日はゆうにかかる見応えのある博物館です。ミュージアムショップにもデザインの素敵なマグカップや花瓶など色々な陶器が置かれていたので素敵なお土産も買えますよ。陶器に特に興味が無い方もいい目の保養になると思いますので、レーワルデンを訪れる際には是非お立ち寄りください。

Keramikmuseum Princessehof(プリンセッセホフ陶器博物館)
ウェブサイト:https://www.princessehof.nl/en/
住所:Grote Kerkstraat 9, Leeuwarden
開館時間:11:00 - 17:00
休館日:毎週火曜日

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親松恵子

自由の国オランダに魅せられ移住して、気がつけば18年。 現在は、フリーで執筆、翻訳、現地ガイド、各種コーディネーション等、何でもやっています。傍ら自分のアート活動も楽しんでいます。

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