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【おすすめ】首都圏から近いお散歩コース<荒川河川敷編>

記事投稿日:2018/01/10最終更新日:2021/04/16

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こんにちは!たびこふれ編集部のシンジーノです。

私は広島県出身なのですが東京に出てきて、川(河川敷)が整備されてとっても美しいことに驚きました。「江戸川と言えば寅さん」「荒川と言えば金八先生」「多摩川といえばジャイアンツの練習場」など絵になる風景がありますね。中でも私は特に荒川が好きで休日にはサイクリングやウォーキングでよく訪れます。都心からこんな近い所に広々と清々しく気持ちいい空間があるんです。今回は荒川に絞ってその魅力をお伝えしたいと思います。

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まず、荒川とは・・・

荒川の水源は甲武信ヶ岳(こぶしがたけ/山梨県/埼玉県/長野県の県境にある標高2,475mの山)で全長約170kmを越える大きな川です。私が好きなウーキングルートは、赤羽の岩淵水門辺りから北区の浮間舟渡(うきまふなど)辺りまでの間、およそ2kmの土手ルートです。

JR赤羽駅から荒川河川敷までは徒歩で20分くらいかかります。赤羽は言わずと知れた「呑兵衛天国」。朝7時から飲める嬉しい居酒屋がありますが今回はがまんがまん。

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サイクリングやウーキングにぴったりのコース

土手を登ると広ーい空と向こう岸までのふんわりした空間が広がります。向こう岸は埼玉県の川口市や戸田市辺りですね。1月でもサイクリングやジョギングをやっている人たちで適度に賑わっています。(この"適度に"というとこ、大事です)

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遥か向こうには武甲山(ぶこうさん)など奥武蔵、奥秩父の山々が連なっているのを見晴るかします。

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桜並木も出迎えます。春にはさぞかし綺麗でしょうねえ。

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その他に土手から見えるものは・・・

南側に目を向けると東京スカイツリーが見えます。

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冬の晴れた日には富士山も見えますよ。(この「霞んで見える富士山」ってとこがまたいいんです)

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おむすびを食べるのに絶好の場所

浮間舟渡寄りに来ると土手の道もぐっと狭くなり、人もまばらで静かに落ち着いています。

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私はこの辺りに座って持ってきたおむすびをほおばるのが好きです。河川敷にはゴルフコースもあり、プレイを見物しながら食べるのも楽しいものです。ゴルファーものんびりしてて心がなごみます。風も気持ちよく絶好の眺望ポイントですよ。

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川口市の高層ビル群です。都心に比べて高層ビルの数が適度(?)で、こういうところもちょうどいい感じです。

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荒川河川敷の観光ハイライト登場!

そんな荒川河川敷ですが「ただ自転車漕いだり、歩いたりするのもいいが、何か観光の目玉になるものはないのか?」とご不満のあなた!ありますよ、ちゃんと!それがこちらです。

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赤羽の岩淵水門です。この赤いのが赤水門と言われる旧水門で、、、

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こちらが青水門と言われる新水門です。荒川は河口から22km(赤羽~海)は人口で作られた川(荒川放水路)だったということをご存じでしたか?荒川とは名前の通り「荒ぶる川」として昔から台風や大雨でたびたび氾濫し、人々に大きな被害を与えていました。もともと荒川は今の隅田川に流れていたのですが、隅田川沿いの町は約10年に一度くらいのペースで氾濫し、特に明治43年の大水では周辺に壊滅的な打撃を与えました。そこで赤羽の岩淵に水門を造り、本流の東側に放水路(現在の荒川)を堀り、増水した際には水門を閉めて隅田川に水が流れないようにしたのです。このおかげで隅田川は水門建設以降、一度も氾濫することなく住民の生活を守っているのです。

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(出展:国土交通省関東地方整備局荒川下流河川事務所)

この放水路掘削と水門建設には約20年という月日を費やし、水門は大正13年に完成しましたが、今ほど機械化が進んでいない当時、多くを人力で行いそれはそれは大変な事業だったそうです。その後、赤水門は老朽化により役目を終え、昭和57年に新しい青水門が造られました。

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こちらが空撮写真です。(出展:国土交通省関東地方整備局荒川下流河川事務所)

この水門のそばに「荒川知水資料館」という建物があります。ここには荒川、水門の歴史が展示され、無料で見学することが出来ます。

青山士(あおやまあきら)氏という人物

資料館の中でも水門建設に関わった青山士(あおやまあきら)氏に関する展示はぜひ見てもらいたいところです。青山士さんは日本人で唯一パナマ運河工事に携わった人物です。大学卒業後単身渡米し、生死の境を彷徨うほどの大変な苦労をして工事に尽力し8年後に帰国した後、内務省に入省し荒川放水路と水門建設の指揮を執りました。また彼は敬虔なクリスチャンでもあり、無教会主義で知られる内村鑑三氏の影響を強く受け、私利私欲に走らず広く人類の為となる仕事をしなければならないという信念を持っていたそうです。水門の傍には今も記念碑があり、そこには自分の名前を入れるのではなく「我等ノ仲間」と彫られていることからも私心のない人物だったと分かります。青山さんは退官後、出身地の静岡に戻り余生を送っていたそうですが、大水の時には夜行列車に飛び乗って荒川までやって来て川の様子を見守っていたそうです。

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荒川知水資料館。本来であれば「治水」でしょうが、敢えて「知水」となっています。納得です。

青山さんのコーナーにはパナマ運河工事から帰国した時に持っていたカバン等が展示されています。

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入館無料ですが、見ごたえ十分です。土日祝日にはボランティアガイドさんの説明を聞くことも出来ますよ(無料)。

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荒川の河川敷で自然に包まれ、風を感じ、広大な風景に心癒され、リフレッシュする休日を過ごすことができるそれもこれも昔からたびたびの水害に悩まされた川沿いの町をなんとかしなければ、という先人たちの計り知れない努力と苦労の上に成り立っているということを知りました。

<荒川知水資料館>
開館時間:9:30~17:00(入館は閉館時間の15分前まで)
(※但し、12・1・2月の閉館時間は16:30、7・8・9月は17:30)
入館料:無料
休館日:原則として毎週月曜(祝日を除く)、祝日の翌日、お盆、年末年始
住所:東京都北区志茂 5-41-1
交通手段:
・JR埼京線・京浜東北線・高崎線 赤羽駅東口より徒歩約20分
・地下鉄南北線赤羽岩淵駅または志茂駅より徒歩約15分
・専用駐車場はありません。
HP(国土交通省関東地方整備局):http://www.ktr.mlit.go.jp/arage/arage00041.html

オマケ

浮間舟渡駅に下りると都立浮間公園があります。池あり、風車あり、珍しい野鳥もたくさんいて、ここも憩の場としておススメです。東京都内にもまだまだ素敵な場所があるんですヨ。

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<都立浮間公園>
問合せ先:
浮間公園サービスセンター(TEL:03-3969-9168)
最寄り駅:JR埼京線「浮間舟渡」下車 徒歩1分
入園料:無料

いかがでしたか?

手軽に、あんまりお金をかけないで、自然に触れて気分をリフレッシュしたい方におススメのウーキングコースでした。

それではまた!

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