情緒とユーモアの街、トレヴィーゾ

本日はトレヴィーゾの街の魅力をご紹介しましょう。

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トレヴィーゾは1500年代に作られた古い城壁に囲まれた、歴史ある街です。中心街はあまり大きくありませんが、大きな観光地とは違って時間の流れがゆっくり流れていくような落ち着きがあります。シーレ川の水路が街の中を無尽に走っていることが、街の景観に独特の趣きと情緒を与えています。

街の中心には、時計台が特徴的なシニョーリ広場があります。広場にはお洒落な老舗カフェが軒を連ね、太陽の光溢れる外席では街の人々がゆったりとお喋りを楽しんでいます。

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ローマ時代の大きな門が特徴的な街のシンボル、ドゥオモの祭壇では、ティツィアーノの「受胎告知」を見ることができます。(フラッシュは禁止ですが、写真撮影OKです。)ティツィアーノは、ヴェネツィア派の画家の中でも最も有名かつ重要な、ルネッサン期のイタリアを代表する画家です。フィレンツェのウフィツィ美術館にも彼の代表作、「ウルビーノのヴィーナス」が展示されています。

ドゥオモの拝観は無料ですが、ティツィアーノの絵をよく見るための照明は有料で、ボックスにコインを入れると電気が点く仕組みになっています。

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トレヴィーゾの街を歩いていると、思わずため息が出そうなほど品揃え豊富な、ちょっぴり高級感漂う老舗店をよく見かけます。この食材屋さんもサラミや生ハム、チーズなどを所狭しと店に並べ、沢山の常連客で賑わっていました。

近年イタリアでは、値段も安いが品質も悪いという粗悪なお店が、老舗店を閉店に追いやってしまうという例が少なくありません。ところが、トレヴィーゾでは土地の人々の努力によるものなのか、今でもこうした老舗店がちゃんと賑わっているようです。

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商店街の一画には、街の人々から今も愛され続けている一風変わった泉があります。

その名も、「おっぱいの泉」。豊満な女性の乳房から出ている水は、なんと飲むことができる飲料水。そのため、ここを訪れる観光客はみんな乳房から溢れる水を飲むポーズで、写真を撮っていきます。

もともとは1559年のひどい干ばつ被害を受けて作られた像で、それから先1797年までの期間、新しい執政長官が任命されるたびに、片方の乳房からは白ワイン、もう片方の乳房からは赤ワインを出して、三日間ものあいだ街中の人々に無料で振る舞ったんだとか!なんとも陽気なお祭り騒ぎですよね。

当時の風景を見てみたい、あわよくば一緒に泉のワインを飲んで酔っぱらってみたい!と思ったのは、きっと私だけではないでしょう。こんな所に、トレヴィーゾの人々のユーモアを感じることができます。

ヴェネツィアやパドバといった近隣の大都市に行くための、宿泊拠点とする観光客も多い、トレヴィーゾ。でもせっかくこの街に来たのなら、日本ではまだあまり知られていないトレヴィーゾの魅力も、存分に味わっていきたいですね。

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佐藤 モカ

イタリア・フィレンツェ在住。作家、フリーライター、マーケティング各種リサーチやコーディネートなど。2013年女児出産、現在育児奮闘中。

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