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オーストリア/アルプスのハイキングやトレッキングで気をつけること
アルプスの国オーストリアに来たら、一度はハイキングやトレッキングを楽しみたいという方もたくさんいらっしゃるでしょう。山が大好きなオーストリア人にとっても、山歩きは国民的な趣味となっています。
アルプスのハイキングでは、牛や馬や鹿に出会えたりします。ハイジの世界の様な美しい山とアルム(牧草地)、高山植物に囲まれて、きれいな山の空気を吸いながらずんずん歩くと、心も体も開放された気分になります。
こんなのどかな、木陰のハイキングコースを散歩してみるのも夏の楽しみ。
初心者でも最低限の装備と地図さえあれば楽しめるハイキングですが、現地の人が気をつけているハイキングの常識をご紹介します。もちろん、地図や食料の準備、高山植物の扱いなど、日本のハイキング共通して気をつけることもありますが、今日はオーストリアローカルの山歩きの常識で、知っておくと危険を避けられるアドバイスをご紹介します。
分かれ道には道標も。
まずは、ハイキングコースについて。もちろん前もって地図などでルートを調べ、休憩できる場所などをチェックしておくことは不可欠ですが、実際山に入ってみると、ハイキングコースがとてもよく整備されていることに驚かれると思います。
こんな立て札もかわいらしいですよね。
別れ道などの立木や岩には、下の写真のような三色のマーキングがしてあります。自分のルートの色をたどって行くと迷いにくいようにできていますので、ぜひ参考にして歩いてみてください。
次に気をつける点は植物です。もちろん高山植物を勝手に持ち帰らない、キノコ等に注意する、というのは言うまでもないことですが、オーストリアの山道には、特定のとても嫌な植物がいたるところに生えているので、ぜひ避けましょう。
その嫌な植物とは。。ブレネゼルン(Brennnesseln)と呼ばれるイラクサ種の植物です。薬草などに使われることもありますが、大きさは低いものから2メートルほどに茂ることもあり、葉っぱに触れると焼けるような激痛が走ります。見分け方は、トゲトゲの葉っぱとてっぺんに見られる小さな白い花。ハイキングコースの周辺に群生していることもありますので、この植物を見たら近づかない ように気をつけてください。牧草地の牛に草をやろうとして間違って掴んでしまったりしたら、3日ほど手の平が痛みます。
群生するブレネゼルン。この植物を見たら要注意。
最後に、オーストリアの山道や茂みをよく歩く人には必須の、ツェッケ(Zecke、マダニ)についての知識です。オーストリアの草むらに多く生息するダニの一種で、二種類の病気を媒介します。
ひとつはダニ媒介脳炎。症状は頭痛、発熱、体調不良などで、ダニに刺されたから即この脳炎になるというわけではありませんが(実際発症率は低いです)、オーストリアでよくハイキングをする人は皆、予防接種を受けています。
もう一つは、ボレリオローゼBorrelioseと呼ばれる病気で、症状は関節痛や体調不良。こちらは特に予防法はありません。
オーストリア人は、ハイキング後には必ず全身(特に足や肌の出ていた所)をくまなく調べて、体にダニが付着していないかをチェックしています。もしマダニ が噛み付いていた場合、そのまま抜き取ると吸口が体に残ってしまいますので、マダニ専用ピンセットを薬局で買って、これを使って抜くようにしましょう。普通のピンセットは先が平らなので、引き抜くときにダニを潰してしまい、体内の毒(?)が人体に逆流しますが、マダニ専用ピンセットは、先端が刺抜きのよ うに尖ってて、挟んで吸い口ごと引抜く仕組みです。酢や油を塗って回して引き抜くと言った民間療法は賛否両論ですので、ピンセットが推奨されています。
というわけで、色々と現地人の知恵というべきハイキングのローカルな知識、参考になりましたでしょうか?とても平和で安全に見えるオーストリアのハイキン グコース。観光で一度や二度散歩する程度なら、あまり気に病むことはありませんが、よく山歩きされる方は、ぜひ気をつけて、楽しいハイキングを!
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ひょろ
- オーストリア、ウィーン在住。10年以上暮らしてもまだ新しい発見の連続のウィーンの魅力を、記事執筆、現地調査、ネットショップなどを通じてお届けしています。国際機関勤務を経て、バイリンガル育児の傍ら、ミュージカル観劇が趣味。