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坂茂氏が設計したクライストチャーチ「紙の教会」。地震で倒壊した大聖堂を紙で仮設したのは日本人建築家でした

記事投稿日:2017/11/16最終更新日:2018/04/26

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2011年2月の地震によって半壊してしまった、ニュージーランド・クライストチャーチにある大聖堂。その代わりとなる仮設大聖堂は、世界各国の被災地で仮設住宅などを建設してきた日本人建築家、坂茂(ばんしげる)氏によって手掛けられました。この仮設大聖堂はクライストチャーチの新たな観光名所となり世界中から多くの人が訪れています。

目次

十字架も祭壇も紙

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多大なる被害をもたらした2011年の地震によって、その70%が崩壊したクライストチャーチの大聖堂。その代わりとなる仮設大聖堂の建設に名乗りを上げたのは、特殊な紙で作る仮設住宅などを世界各国の被災地で建設してきた日本人の坂茂氏でした。

紙といっても防水や難燃加工がされているので、耐久性が高く50年は問題なく使えるとのこと。建物の中に入ると、大小様々な筒状の紙で主要部分が作られているのがわかります。屋根部分はもちろん祭壇や十字架も全て筒状の紙で作られていて、その丸みと木のような色のせいか建物の中は独特の温かみが感じられます。

ステンドグラスから差し込む光

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元の大聖堂と同じく、この仮設大聖堂にも正面にステンドグラスが施されていて、仮設とはいえ華やかな印象を与えてくれます。建物の中には、そのステンドグラスから穏やかな光が差し込み神聖な空間が作られています。建物の外側は半透明な素材が使われているので、屋根部分の紙の間からも外の光が中まで届き、中は自然な光で満たされています。

追悼の椅子

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仮設大聖堂のすぐ裏側には、すべて形の違う185脚の白い椅子が並べられています。これは、2011年の地震で亡くなられた185名の方を追悼して置かれているもので、学校の椅子、台所の椅子、子供用の椅子、中には車いすやベビーカーなどもあり、地震によっていかに尊い命が奪われたのかがわかります。

地震から6年が過ぎた今、クライストチャーチの街は復興が進み、新しく生まれ変わってきています。しかし、クライストチャーチの人々は今でもこの地震がもたらした悲しみを忘れてはいません。

クライストチャーチ大聖堂の今

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元の大聖堂は壊れた状態のまま今でも街の中心にあります。その大聖堂の前の広場カセドラルスクエアでは、ニュージーランドのクラフトを売るテントが出たり、ライブミュージックや大道芸が楽しめたりします。ここ最近では、毎週金曜日「ストリートフードフェスティバル」が開催され、色々な国の料理の屋台が出ています。街で働く人がランチしたり、仕事帰りにちょっと寄ったり、観光客が集まったり、大聖堂は壊れてしまったけれど、以前と変わらず様々なイベントが開催され、皆の憩いの場となっています。

大聖堂復元が決定

2017年9月、地震から6年半経った今年、やっと壊れた建物を利用して元の大聖堂を復元することが決定しました。一時は取り壊しが決定したものの、市民の強い反対に合い、決定は保留されたままでした。その間、全て壊して新たに同じ大聖堂を立てるのか、新しいデザインにするのか、など様々な案が議論されていましたが、最終的には元の建物を利用して復元することに落ち着きました。費用は約85億円(1億800万ドル)の見込みで、完成には10年かかるとのことです。

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Mai
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記事投稿日:2017/11/16最終更新日:2018/04/26

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