歴史感じる旅へ。太原を廻る 前編

北京から飛行機で、山西省の太原に遊びに来ました。関羽絡みで、日本人にも人気の観光地ですよね。

太原の市内に用事がある人なら、立地から飛行機よりは高速鉄道の方が若干便利かとは思います。首都北京から太原まで、飛行機で1時間20分、高速鉄道で3時間の距離です。

資源も豊富で、機械、化学工場も多いのが特徴です。紀元前の春秋時代の時分、今の太原にあたる場所は「晋」国だったので、今だに晋という字が頻繁に使われます。ホテルや通り名、至る所で「晋〇」と目にします。

二次関数を感じられる塔に上ってみよう!

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「永柞寺」が本名なのですが、双子のように塔が南北に対峙しているので、通称「双塔寺」と呼ばれ、太原のシンボルとも言われます。

明代西暦1600年頃に建てられ、50メートル余りの高さで、楼閣形式。13階、正八角形という図案です。インドからやって来たストゥーパに中国らしい雰囲気が合わさった形です。塔の中心だけは、空洞になっていて外側から見える層の数だけ、中にも階が存在する建築様式です。

(窓がない「密檐式」と言う、塔内に空洞がなく、かなりきれいな凸型の二次関数の仏教塔があります。しかしこちらは上れないため、充分趣きが感じられる楼閣式もおすすめです。)

一段一段上っていくと、少しずつ急になっていき、天井との距離がどんどん短くなっていくので、塔の上の方は、背が高い人は体を曲げないといけないので少しきついかもしれません。中は非常に暗いです。なぜか旅の友がヘッド懐中灯を持っていたので助かりました。携帯にもライトがついているので現代人心配ご無用かと思います。

向かいの塔を一番最上部から撮りました

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佛教に、「16を持って尽きることなく円満」という教えがあるので、2つの塔の間の距離は、尺貫法の16丈(約50メートル)となっています。

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塔の中心は、ご覧の通り、空洞です。一番下まで見えます。

佛教の教義を内包し、中国らしい文化も体現しているので、古代からの素晴らしい建築を体感できました。先人の業を継ぎ、未来を開拓する時代であった明の貴重な建築物です。

道教遺跡で有名な「龍山石窟」

高校生の時にも習ったことがあったロンシャン石窟を、実際に目にすることができるだけでも満足でしたが、ここまで山とは思っていませんでした・・。遺跡巡りというよりは、ほぼ山登りです。

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道家的思想は、人類が本来持っているものですが、文字化した最初の有名人は、老子・荘子です。道家思想の創始者とされるのは、もちろん"老子様"なので、入口に、ドガーンと老子様がお出迎え。ただ、道教自体は、老子とは関係ありません。道教は、道家思想に仏教的な思想が加わった、いわば錦上添花された宗教です。孫悟空を見ても、かなり色々融合されていますよね。道教と道家思想の区別をしない人がたまにいますが、宗教と哲学は異なります。

山登り中、「道徳経」の有名な章からの引用が階段の各曲がり角に置いてありました。なんと、虚心坦懐なお言葉というか、宇宙規模の思想というか・・・しかし体力が追い付かないため、噛みしめる余裕なく、どんどん上っていきます。

やっと近づいてきました

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このような仏龕が9つほどあります。;;

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元代に整備されたこちらの龍山石窟。モンゴル民族の征服王朝の時だったので、宋・明に挟まれた目立たないと言えば目立たない空白の時間でした。しかし漢民族の儒家思想の色彩が濃くない、貴重な時代の痕跡が分かる生きた資料です。山西省は比較的早くから、遼・金・元に統治されていた地域で、北方民族からの侵略にもずっと慣れていたので、従順だったとも言えますね。統治者が信仰すればその教えが普及し、何かしら異端と見なされば後世にも残っていないのが常。今だに大事に継承されているということは、道教は、統治者にも当たり障りなく、民意にもそぐうのだと言えると感じました。

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